ヴィーガンという言葉をお聞きになった事ありますでしょうか?ヴィーガンとは「完全菜食主義者」を指す言葉ですが、海外のセレブの間で人気沸騰のダイエット方法になっていますが、その効果とは?ヴィーガンダイエットをチェックしてみましょう!

ヴィーガンダイエットとは、海外セレブが大幅なダイエットに成功したことから一躍注目を集めるようになり、日本でもヴィーガンの人が増え、ヴィーガンのカフェやレストランの出店も相次いでいます。今回は、このヴィーガンになることでダイエット効果を狙う「ヴィーガンダイエット」についてご紹介します。ヴィーガンの食事スタイルを実践し、是非、美と健康にプラスなダイエット体験を。
完全菜食主義者を表す「ヴィーガン」
目次
「ヴィーガン」とは「完全菜食主義者」を指す言葉です。
菜食主義者「ベジタリアン」には、卵や牛乳、チーズなどの酪農製品を食べる人もいます。
しかし、ヴィーガンはこうした酪農製品も一切口にせず、菜食主義者よりも厳密な菜食主義を貫く人びとなのです。
より動物にやさしくという思想
ヴィーガンが徹底的な菜食主義を貫くのは「動物を搾取することなく生きるため」。
そのため、ヴィーガンは肉や魚だけではなく、乳製品や卵、はちみつ、ゼラチンなど、動物由来の食品を一切口にしません。
ヴィーガンはもともとはダイエットの方法ではなく、食への思想なのです。
しかし、近年ではヴィーガンをダイエットに活用する人が増えています。

海外のセレブたちがヴィーガンにトライし、大きなダイエット成果を出したことから「ヴィーガンダイエット」というスタイルのダイエットが人気を得るようになってきています。
ヴィーガンがダイエットに応用できる理由とは?
ヴィーガンというスタイルでは、食べることができるものに制限があります。
従って、普段何気なく口にしているものも食べられない場合が多いのです。
そのため、カロリー制限を行うことが容易になります。

また、野菜が食生活の中心となるため、身体に必要な栄養素をたっぷりと補給することができます。
肉の脂に多く含まれる飽和脂肪酸の摂取を避けられることも、血管系のトラブル予防に効果があるとされるゆえんです。
ヴィーガンダイエットのメリットとデメリット
ヴィーガンダイエットでは、健康面・美容面でのメリットの他、デメリットもあります。
その両面を知ることで、ヴィーガンによる問題点を避けることができます。
ダイエットを始める前に、デメリットについても知っておきましょう。

<メリット>
1.相対的に摂取カロリーが低くなる
肉や魚の代わりに、豆腐や豆、こんにゃくなどで代替料理を作るため、必然的に摂取カロリーが低くなります。
2.サプリメントが不要になる
野菜の摂取量が増え、ビタミン等のサプリメントが不要になります。
(ただし、体調を見ながら必要な栄養を補給することは悪いことではありません。臨機応変に対応していきましょう。大豆プロテインなどの活用もおすすめします。)
3.健康面や美容面にプラス作用が期待できる
野菜やくだものから摂取する抗酸化物質や様々な成分が、身体にとってプラスに働きます。
また、食物繊維により腸内環境も改善されることが期待できます。

身体の酸化が抑制され、腸内環境が改善されると、美肌やダイエット効果が向上することも期待できます。
4.体臭が少なくなる
動物性のタンパク質を摂取していると、体臭が強くなります。また、便のニオイもきつくなります。
ヴィーガンになると、これらのニオイが軽減されます。
<デメリット>
1.自炊が必要
ヴィーガンを実践するためには、出来合いのお惣菜やコンビニ弁当を食べることがほぼできなくなります。

そのため、食べるものは基本的に全て自分で調理する必要があります。
もちろん、ローフードにしたり、主食をオートミールにするなど、自炊の手間を省く工夫もできます。

しかし、外食はほとんどできないと覚悟しておく必要があります。
2.一定以上の栄養知識が必須
ヴィーガンダイエットを実践するためには、ある程度の栄養学の知識が必要です。
全く知識がないまま、長期にわたりヴィーガンを実践するのは危険です。

ただ動物性食品を避けるだけでは、栄養不足に陥る可能性があるため、何をどのくらい食べる必要があるのかをしっかりと把握しておきましょう。
3.食生活が変わることにより、アレルギーが出ることがある
これまで食べてこなかった植物性食品を多く摂取するようになり、これまでは出ていなかったアレルギー症状が出ることもあります。
ヴィーガンに切り替えたら、食事内容に目を向け、不調を生じることがあれば何を食べた時に症状が出たかを把握するようにしましょう。
身体に合わない食材は、食べ続けないようにしましょう。
ヴィーガンダイエットのルールとは?
「ヴィーガン」というと、何となく難しいルールがたくさんありそうですが、シンプルにルールをまとめると以下のようになります。
1.動物性食材を口にしない
ヴィーガンは、動物由来の食材を一切口にしません。
そこで、肉や魚といった動物そのものだけではなく、動物が食材の生産に関わるもの全てをカットします。
既述のはちみつなども、生産にミツバチが関わっているため、摂取しません。
2.避けるだけではなく「置き換える」
ヴィーガンは、動物性の食材を避けます。

しかし、ただ「避ける」だけでは栄養不足になり、危険です。
ただ避けるのではなく、代わりになるもので「置き換える」ということが重要です。
具体的な置き換え食材としては、以下のようになります。
- 肉や魚→豆・豆製品・ナッツ類
- 牛乳→豆乳・ナッツミルク
- 精製塩→自然塩
- 白米→玄米
3.精製された糖質を避ける
精製された糖質は、本来自然界に存在しないものです。
人の身体にとっても不自然な食品と言えます。
そのため、精製された食品を食べ続けると、血糖値の急上昇と急下降を繰り返すことになり、肥満や糖尿といったトラブルに発展する可能性があります。
精製された糖質とは、以下のようなものです。
- 精白された穀物類
- パスタやパンなど精白された穀物を原料とする食品
- 白砂糖
これらは避け、全粒粉のパンや玄米、メープルシロップなどに置き換えるようにしましょう。
4.食事制限をする
注意したいのが、ヴィーガンになったからといって痩せられるというわけではないという点です。
たとえ動物性食材を避けても、主食や糖質を多く含む食品を好きなだけ食べていては痩せられません。ある程度の食事制限は必須であると言えます。
ただし、ヴィーガンの食事スタイルにシフトすると、精製された糖質の摂取量が減るため、自然に低GIの食事になります。

食べ過ぎなければ糖質の摂取量が減るため、普段の食事量が普通の量であれば、細かいカロリー制限を行う必要はありません。(もともと過食気味で肥満になった人は、適正な食事量を身に着ける必要があります。)
5.水分補給をしっかりと行う
1日に1~2リットル程度の水分を、意識的に補給するようにしましょう。
ここで言う「水分」は「水」のことです。
お茶やコーヒーといった利尿作用のある飲み物ではなく、水を飲むようにします。(お茶やコーヒーを飲んではいけないわけではありません)
6.運動を組み合わせる
ヴィーガンの食事にシフトすることで、普段の食事に比べ摂取エネルギーが減ることが期待できます。
これにより、食事を変えただけでもある程度の減量は期待できますが、身体の部分痩せや引き締めには、目的に合わせた運動を行う必要があります。
美しいボディラインは、ただ痩せるだけでは実現できません。

適度に運動を組み合わせるのがおすすめです。
7.無理のないところからスタート
動物性の食材を全てカットするとなると、厳密には調味料や添加物にまで注意を払う必要があります。
これは過度のストレスになるため、まずは肉・魚介類・乳製品・卵といったわかりやすい食品を避けるところからスタートしましょう。
8.長期的に続ける
ヴィーガンダイエットは、短期間で劇的に痩せる方法ではありません。
確かに、肉や魚などの動物性食品を食べないだけでも摂取カロリーが減るため、はじめのうちは体重が落ちる可能性はあります。
しかし、ヴィーガンの食事を続けることにより体質が変わり、また低GIの効果により緩やかな減量効果が長期に渡り続くことが期待できます。
ヴィーガンは短期間で終えてしまわずに、長く続けるのがおすすめです。
ヴィーガンでも食事制限を行う必要があるのはどうして?
ヴィーガンを実践しつつ食事制限が必要と考えられるのは、もともとの食事量が多い人です。

一般的な食事の量であれば、それほど食べる量に気を遣う必要はありません。
ヴィーガンダイエットを始め、食事を変えたとしても、好きなだけ食べていては痩せることはできません。それは、もともとヴィーガンが痩せるための食事スタイルではないためです。ヴィーガン向けのスイーツも多く考案されています。これらをたくさん食べ続けていては、体重は減りません。
肥満の原因の1つは、血糖値の急上昇により、余った糖質が体脂肪として蓄積されることであると言われています。

糖質の摂取量が多ければ血糖値は上昇するため、ヴィーガンの食事スタイルにおいても血糖値の急上昇が起きないように注意しましょう。
白米を玄米に切り替えると、主食の摂取による血糖値の上昇がある程度抑制されます。

そのため、主食の量を常識の範囲内に抑え、芋や大豆以外の豆類など糖質の多い食品を食べ過ぎなければ問題はないと考えられます。
ただ、野菜がメインのヴィーガンの食事では、ほとんどの人が体脂肪が落ち、痩せることができると言われています。
もともとの食事量がものすごく多いというわけではなければ、意識的に摂取量をコントロールしなくてもよいとされています。
玄米菜食を始めたら注意したい事とは?
玄米を食べ始めてからしばらくして、身体に不調を生じることがあります。
これは、玄米の強いデトックス作用により、身体に必要なミネラルが体外に排出されてしまうためであると言われています。
本来、玄米には胚芽部分に多くのミネラルが含まれています。
しかし、ミネラルと同時に「フィチン酸」と呼ばれる物質も含まれています。
このフィチン酸には、体内の毒素を体外に排出する作用があります。この時、毒素とともに存在するミネラル分も排出されてしまいます。これがミネラル不足を引き起こす原因です。
玄米を食べる時には、その量に注意しましょう。
また、意識的にミネラル豊富な食材をメニューにとり入れるようにしてください。
日本人に馴染み深い「精進料理」でダイエット
「ヴィーガン」と言うと、海外のおしゃれな食事スタイルをイメージすることがあると思います。
そのため、ヴィーガンの料理というと敷居が高い特別な料理と考えるかもしれません。
しかし、日本でも古くから「精進料理」という料理が存在しています。

この精進料理は、一般的な和食と同じようなメニューでありながら、動物性の食品を使いません。
もし、ヴィーガンと聞いて作るべき料理をイメージできない場合は、精進料理を参考にしてもよいでしょう。精進料理は、日本で手に入りやすい食材を用いて、日本人が日ごろから用いる調理法で作られているため、親しみやすいかもしれません。
なお、現代の精進料理にはグラタンなど洋食の調理法をとり入れたメニューも多く存在します。
様々な調理法を用いて、飽きのこない食事を続けていきましょう。
精進料理のポイント
1.肉や魚を使わない
野菜・穀類・豆類・きのこ類・海藻類・木の実・くだものなど、植物性の食材を用います。
2.香りの強い食材は使わない
食べた後にニオイの残る食材は使わないのが精進料理です。
ネギ・ニラ・にんにく・らっきょう・セロリといった香味野菜を使用しません。
ヴィーガンでは、これに倣う必要はありません。
3.旬の野菜や乾物を使う
精進料理では、干ししいたけや高野豆腐、千切り大根(干し大根)などの乾物を料理に利用します。
乾物はミネラル豊富なため、玄米を食べる人におすすめの食材です。
精進料理の栄養源
精進料理における栄養素の補給源は、以下のようになっています。
- 糖質:穀類
- タンパク質:大豆・豆腐・豆腐の加工食品
- 脂質:ごま・くるみなどの木の実
- ビタミン・ミネラル:野菜・海藻類
これらをまんべんなく上手に取り入れた料理で、栄養不足を防ぎます。
調理法と味付け
精進料理には「五法・五味・五色」という考え方があります。
<五法>
五法とは、調理法のことです。
生のまま・煮る・焼く・揚げる・蒸すの5つの調理法を指しています。
<五味>
五味とは、甘味・塩味・酸味・辛味・苦味の5つのことです。これに「淡味」というものを加え「六味」とする場合もあります。
この淡味は、素材の持つ味を活かした味付けのことです。
<五色>
これは、料理の色のことです。
具体的には、白・黒・赤・黄・青(緑のことです)の5色のことで、米・海藻・大豆・根菜・葉野菜などから色とりどりの料理を作ることで、見た目も美しく、栄養価の高い食事となります。バランスのよい食事は、色合いもよいのです。
実践しよう!ヴィーガンレシピ
それでは、実際にいくつかのヴィーガンレシピをご紹介します。
玄米の炊き方

炊飯器で玄米を炊く場合には、浸水をしっかりと行います。
1.玄米は、白米のようにとぐことはしません。玄米をボウルなどに入れ、水を加えたら、両手で玄米をすり合わせるようにして洗います。いったん水を捨て、再度水を加え、同様に手をすり合わせるようにして洗うことを2回ほど繰り返します。
2.玄米を炊飯器の内がまに入れ、白米の1.5倍ほどの水を加えます。水加減は、好みで調整してください。炊飯器によって炊き上がりが異なるため、数回炊いて好みの水加減を見つけましょう。
3.7~8時間浸水させ、白米と同じように炊飯します。
*玄米は浸水時間が必要なため、前日の夜などにセットしておくとよいでしょう。
にんじんのポタージュ

材料(1人分)
- にんじん:1/2~1本
- 玉ねぎ:1/2個
- 水:適量
- 塩・こしょう:適量
<作り方>
1.にんじんは皮をむき、千切りにします。玉ねぎも皮をむき、薄くスライスします。
2.鍋ににんじんと玉ねぎを入れ、少量の水を加え蓋をして煮ます。
3.野菜に火が通ったら、汁ごとミキサーに入れ、攪拌して滑らかにします。
4.3を鍋に戻し、塩・こしょうで味つけをし、かき混ぜながら10分ほど煮込みます。途中水分が足りなくなったら、水を足します。
*好みで、豆乳を少量加えてもよいでしょう。
ヴィーガングリーンカレー
材料(3~4人分)
<ホワイトソース>
無調整豆乳:200ml
米粉:大さじ2
野菜ブイヨン(固形)1個
塩・こしょう<グリーンカレー>
ココナッツオイル:大さじ1
大豆ミート:1袋
玉ねぎ:1個
えのきだけ:1袋
ピーマン:2個
チンゲンサイ:1袋
カレー粉:大さじ1
塩:小さじ2
白こしょう:小さじ1/2
ガーリックパウダー:適量
ショウガパウダー:適量
ココナッツミルク缶:1缶
植物油:少々
<作り方>
1.ホワイトソースを作ります。鍋に、豆乳・米粉・ブイヨンを入れて火にかけます。
2.弱火で5分ほどかき混ぜながら加熱します。
3.もったりとしてきたら、火を止めて、塩・こしょうで味を調えます。
4.大豆ミートを戻します。(戻したら、ざるに揚げ、水を切っておきます)
5.チンゲンサイの芯の部分を細切りにします。葉はざく切りにします。玉ねぎは、皮をむいて薄くスライスします。えのきだけは石突を除き、長さを2等分にしてほぐします。ピーマンは種を除き、細切りにします。
6.戻して水切りした大豆ミートと、下ごしらえをした野菜を、油少々を敷いた鍋で炒めます。
7)野菜がしんなりしたら、カレー粉、塩、白こしょう、ガーリックパウダー、ショウガパウダーを加え、材料に絡めるようにします。
8.ホワイトソースとココナッツミルクを加え、5分ほど煮込みます。
*玄米ごはんや雑穀のパスタなどの主食とともにいただきましょう。
ヴィーガンダイエットの効果とやり方は?【身体の中からすっきり!】のまとめ
ヴィーガンは、環境と動物にやさしい食生活を送るための1つの方法です。この食事スタイルが、身体にもうれしい効果をもたらします。ヴィーガンを続けるためには、栄養不足にならないように、様々な食材から栄養をたっぷりととり入れることが大切です。極端に食事量を減らしたりはせずに、長期に渡りヴィーガンを続け、健康的で美しい身体を手に入れてください。