ダイエットを現在進行形で行っている皆さんは、ダイエットの運動やトレーニングの頻度をどのくらいのペースで行っていますか。会社帰りに毎日ジムに通うという方もいらっしゃるでしょうし、いや2日おきにトレーニングをしているという人もいるはずです。
実は、ダイエットにおける運動は「有酸素運動」か「無酸素運動」かによっても、その適切な頻度は変わります。この法則を知らないと、余計にダイエットのトレーニングをし過ぎてしまい、オーバーワークになってしまうこともあります。
今回はダイエットの頻度において、トレーニングの内容別にどのくらいの頻度がベストなのかをトレーニング初心者にもわかりやすく解説していきます。ぜひ参考にして下さい。
運動の適切な頻度「有酸素運動」を知る!
まずダイエットにおける適切な頻度を知る上で欠かせないのが「有酸素運動」です。
ここでは、有酸素運動の概念をお伝えしていきます。
ダイエットには、大きく分けて有酸素運動と無酸素運動があります。
実はこれらのトレーニングの仕組みや種類によって、適切な運動量は異なるものです。
まずは、有酸素運動の仕組みから理解していきましょう。
有酸素運動とは、その名の通り体に効率良く酸素を取り入れて血液中の脂肪を燃焼し、その後で皮下脂肪を燃焼する作用の運動のことを指します。
また有酸素運動は継続して20分以上行わないと「脂肪分解酵素リパーゼ」が働き始めないのです。リパーゼは、体が低温状態では働きが弱くなるため、活性化のためには最低ででも20分が必要というわけです。
これらの有酸素運動を継続することで、脂肪を効率よく分解してくれます。ただ、有酸素運動にも弱点があり、有酸素運動をやり過ぎると筋肉量も減少させてしまいます。ですので、あまりやりすぎることはよくありません。
有酸素運動でダイエットをすると、他にも基礎代謝を上げる効果もあります。よく有酸素運動を開始してすぐには体重が減らないのに、数週間すると、いきなり体重が減り始める期間があるのをご存知ですか。
これは、有酸素運動を継続したことにより、基礎代謝が上がり、いままでと同じ運動量でも、痩せやすく太りにくい体質に変化したためと思われています。まずは、有酸素運動のメカニズムを覚えておいて下さい。
運動の適切な頻度「無酸素運動」を知る!
続いては、無酸素運動のメカニズムに迫ります。さきほどの有酸素運動は、血液中にたくさん酸素を取り入れて、脂肪分解酵素を働かせ、脂肪燃焼をするのが「有酸素運動」でした。いわば、有酸素運動は血液循環を利用した脂肪燃焼運動です。
それに対して「無酸素運動」とは、激しい運動をすると体内では、エネルギーを生み出すために分解された「グリコーゲン」という物質が作り出されます。このグリコーゲンをエネルギーに変換することで、筋肉を鍛えることができる運動のことを指します。
酸素に頼らずに、運動をするのが特徴です。ただ、無酸素運動では脂肪自体はエネルギーには使われません。ですから、直接的に脂肪を分解する作用はないのです。
しかし、無酸素運動でも脂肪を燃焼できる例外があります。それは、無酸素運動の特徴である筋肉を鍛えて、筋肉の質を上げて、筋肉量を増強することにより基礎代謝がアップします。
基礎代謝があがると、エネルギーの消費率が上がりやすくなるため、同じ運動量でも脂肪燃焼の効果が高まります。また、無酸素運動の適切なトレーニング頻度は、有酸素運動と比較をすると明確に決まっています。
というのも、無酸素運動には筋力トレーニングに見られるように「筋破壊」と「超回復」という考え方や仕組みがあるからです。この筋破壊と超回復については、後述でお伝えしますが、この考え方によって、ある程度ダイエットに適切な無酸素運動の頻度がわかるようになるのです。
ダイエットに効果的な有酸素運動の効果的な頻度は?
ではまず、ダイエットに効果的な有酸素運動の効果的な頻度について見ていきます。これまでご説明した通り、有酸素運動に最適な運動時間はおわかりですね。そう、継続して20分以上行うと、脂肪燃焼の作用でダイエットに効果があります。
しかし、果たして毎日継続しても問題はないでしょうか。多くの方が疑問に感じているかもしれません。
ズバリお答えしますと「毎日有酸素運動をしても大丈夫です」しかし、毎日有酸素運動を行うことで、問題ではないにしても、いくつかの症状が出てきます。ここでは、毎日有酸素運動を継続することで現れる症状をご説明します。症状は以下の通りです。
<有酸素運動を毎日継続すると起きる症状>
- ・食欲不振
- ・疲労が取れない
- ・睡眠が浅い
- ・体がだるい
- ・きちんと食事を摂取しても体重が減る
以上が、有酸素運動を毎日継続すると起きる症状リストです。
食欲不振
有酸素運動を毎日行うと「食欲不振」を起こす可能性があります。その理由は、有酸素運動や無酸素運動に関係なく、これらの運動の直後には胃から分泌させる「グレリン」という食欲刺激ホルモンを減らす作用があることが各種の研修により明らかになっています。
みなさんも食事前に、ランニングやウォーキングなどの有酸素運動を行うと一時的に食欲が低下したことがありませんか。
これは「グレリン」という物質が関係しています。つまり、毎日有酸素運動をするということはグレリンも活発に分泌されますから、継続的に「食欲不振」を起こす可能性があります。
疲労が取れない
これは当然のことですが、いくら有酸素運動と言っても、毎日継続して行うと疲労がなかなか取れない、抜けないという事実があります。この状態でトレーニングを継続しても、パフォーマンスやモチベーションが低下するだけですので、あまりおすすめできません。
睡眠が浅い
毎日、有酸素運動をする人で、会社から帰宅してから、具体的には夜21時以降に有酸素運動をしている人は、睡眠が浅くてお悩みではないですか。
実は夜に有酸素運動を行う人で21時以降に運動をすると、通常人の脳は、夜になると副交感神経が働き、リラックスモードに入りますが、このような場合には「交感神経」が優位になり、気持ちがハイモードに入ります。
こうなると、夜間の睡眠が浅くなり、次の日になかなか疲れが取れないという事態になるのです。ですから、毎日夜に有酸素運動をする人は、この点に注意をする必要があります。その場合は軽いストレッチなどに置き換えると良いでしょう。
体がだるい
毎日有酸素運動を行うことで、疲れが抜けないという状況になります。そうなると、体がだるくなり、日常生活にも支障がでますから、適度な回数が重要です。
<有酸素運動の適度な回数とは?>
有酸素運動は結果としては毎日行っても、大丈夫です。しかし、ダイエットや運動に慣れていない人やトレーニング初心者が毎日有酸素運動を行うと、上記のような症状も現れます。
ですので、ここでおすすめする有酸素運動の頻度は、週に4回をおすすめします。例えば、1日おきのプログラムを作ると、中1日で、自分の体の状態を観察しながらダイエット・運動を行うことができるので、おすすめです。
体が慣れてきた段階で頻度を増やしてみましょう。
無酸素運動の「筋破壊」と「超回復」
無酸素運動のトレーニングや運動の回数は毎日継続しても大丈夫かどうかを知るためには、無酸素運動に代表される筋力トレーニングの「筋破壊」と「超回復」のメカリズムを知る必要があります。有酸素運動とは、やや考え方が異なります。
筋破壊と超回復
では筋破壊と超回復の考え方について見ていきます。よく無酸素運動である筋力トレーニングを毎日継続して、ダイエット効果を高めようとしている方がいます。確かに、私たちのイメージでは、毎日トレーニングを継続すれば筋肉が肥大化して、筋肉がモリモリになり、そして基礎代謝が上がり、ダイエット効果があるイメージです。
しかし、この考え方は厳密には誤りで、筋肉が効率良く鍛えられて増強するためには、筋肉トレーニングで筋肉の繊維を破壊し、その後筋肉の自然回復能力を生かして、回復させなければいけません。
これが俗に言う「筋破壊」と「超回復」です。筋肉は一旦筋破壊を起こすと、その後「24時間〜48時間」かけて、徐々に回復します。トレーニングの直後は筋破壊が起こるために、一時的に筋肉の総量は減少します。しかし、その後の超回復の期間を経て、より強い筋肉になるのです。
つまり、この原理を理解すると何が言えるかと言いますと、筋肉を破壊してから起こる、回復期(24時間〜48時間)に筋力トレーニングや無酸素運動をしても筋力増強やダイエット効果は望めません。
筋肉を増強して、より基礎代謝をあげたければ、この回復期にはトレーニングはしない方が良いです。
ぜひみなさんには、この原理を知っていただき、トレーニングに励んで頂ければ充実したトレーニングができるようになります。
無酸素運動の成長ホルモンの分泌!
無酸素運動は、有酸素運動とは違い「筋破壊」と「超回復」により明確に、トレーニングを行う頻度が、毎日ではなくトレーニング後1日から2日は間を空けた方が、より効率よく筋力トレーニング効果とダイエット効果を高めることができるとわかりました。
ただ、それ以外にも無酸素運動を行う頻度で気をつけたいことがあります。それがこの章でお伝えする「成長ホルモン」です。
無酸素運動を行うと、有酸素運動をする際に効果的に脂肪燃焼を助ける「成長ホルモン」が分泌されます。この成長ホルモンが分泌されるから、有酸素運動をする時にダイエット効果が一気に高まります。
そしてこの成長ホルモンの特徴をみなさんに知っていただきたいのですが、成長ホルモンは筋力トレーニングをする度に、徐々に分泌量が増加します。ですが、成長ホルモンの分泌量は、トレーニング開始から約30分でピークに到達します。
ただ、成長ホルモンの分泌量は、筋力トレーニングをやめても何と5時間は効果が持続し、研究によっては48時間も効果が持続すると言われています。つまり、筋力トレーニングをやめても脂肪燃焼の効果は持続するのです。
このことから判断しても、有酸素運動と違い、無酸素運動は、筋肉の超回復と成長ホルモンの分泌の関係から、2日に1回のペースのトレーニングでも十分にその効果の恩恵を受けることができそうです。
今まで、無酸素運動を毎日継続していたみなさんは、今後は2日おきの無酸素運動のトレーニングにシフトしてみると良いかもしれません。
無酸素運動で筋肉痛の起こる仕組みとは?
ここで、直接的に無酸素運動の頻度とは関係はないのですが、無酸素運動で「筋肉痛が起こる仕組み」をご紹介していきます。筋肉痛が起きる仕組みを理解すると、よりダイエットをする時も効率の良いトレーニングをすることができます。
一般的な「筋肉痛」は、トレーニングをした後の翌日からその次の日にやってきます。この筋肉痛のことを「遅発性筋肉痛」と言います。もちろん病気ではないので、筋肉を休めておけば個人差はあるにしても数日〜1週間もあれば治癒します。
ただ、筋肉痛の起きる仕組み自体は解明されていないことも多く、一般的にはトレーニングをした時の筋破壊の時に炎症が起こり、修復の際に痛みが起こるという説が有力です。
筋破壊が起こると、それを治そうとして白血球が集まります。すると、筋繊維に炎症が起こり、ヒスタミンなどの刺激物質が生産されて、筋膜を刺激するのです。この現象が
「筋肉痛」と言うわけです。
そして、一般的に筋肉痛が起きると、筋力トレーニングはしない方が良いと言われていますが、実はトレーニングをしたからと言って、筋肉痛がさらにひどくはならないそうです。
だから、筋肉痛があっても筋トレをしても大丈夫です。ただ、筋破壊が起きているので、相当痛いですから、あまり無理はしないで下さい。
ダイエットの運動を毎日してはいけない!理想の頻度は?のまとめ
みなさんここまでいかがでしたでしょうか。ダイエットの運動は毎日しても大丈夫な有酸素運動と、筋肉の回復を待ってトレーニングをした方が良い無酸素運動があります。有酸素運動もやりすぎるとオーバーワークになってしまうため、有酸素運動と無酸素運動のベストな運動の頻度は、1日おきが良いでしょう。
特にダイエットでトレーニング初心者の方は、毎日継続しても、体の不調が生じてしまう可能性があります。ぜひ、無理をせずトレーニングを継続してみて下さい。