塩抜きをする事でむくみが取れ短期的なダイエット効果が期待でき一週間程度でも効果的です。またコンビニの食べ物や飲み物でも塩抜きダイエットは可能です!
かつて「塩」は、なかなか手にはいらない貴重品でした。古代では労働や兵役の給料として分配されていたくらいです。塩は貴重なのに身体になくてはならない成分ですので、昔は塩分不足に悩まされていた時代だったのです。ところが、時代の進展とともに、塩の精製技術は高まり、交易や商業も発達していったので、いまや塩は、いつでもどこでも手にはいる調味料になりました。塩が貴重だった時代は「塩分不足」に悩まされ、「生活習慣病」とは無縁だったはずなのに、いまやわれわれ現代人は「塩分の摂りすぎ」に悩まされているなんて、なんとも皮肉な話ですよね?そこで今回テーマとなるのは「塩抜きダイエット」です。
これは現代型食生活の問題点である「塩分過多」を見直し、身体のデトックス効果を高めて痩身効果を得るアプローチのダイエットです。塩抜きダイエットのより具体的な部分に言及しながら、このメソッドの利点やポイントをみていきたいと思います。
塩抜きダイエットとは?
塩抜きダイエットは3日間塩分を控えた食生活を送るダイエット法です。
「日本人の食塩摂取量は以前から多く、最近は減少傾向にありますが、まだ世界的に見ると多い状態です。食塩の摂り過ぎは、高血圧をはじめ種々の健康障害をもたらすと考えられています。食塩を減らすと血圧が下がることも明らかで、高血圧治療ガイドラインでは、減塩が強く推奨されています。」
引用:国立循環器病院研究センター 循環器病院情報サービス「食塩と高血圧と循環器病」
引用するまでもなく、塩分の摂り過ぎが問題となっている現代にピッタリのダイエット法とも言えます。
実施期間は3日間
なぜ3日間なのか? それは健康上の配慮のためです。もともと塩分それ自体は、身体の維持に不可欠な成分です。
もしも極端に「一ヵ月の塩抜きダイエット」を開始すると、間違いなく体調に異変をきたしてしまうでしょう。ようするに、ほとんどの医師が「健康上問題ない」と認める「塩抜き期間」が3日なのです。
3日間の塩抜きダイエット実践中は、ヘルシーな料理を積極的に食べましょう。せっかくなので、ダイエット効果のある食材を活用するのがおすすめです。
なぜなら、塩抜きダイエットを終えたあと、他のダイエットに切り替えていく“導入”にもなるからです。
塩抜きダイエットの効果は?
塩抜きダイエットにはどのような効果を期待できるのか詳しくみていきましょう!
むくみの解消
(筆者注:ナトリウムは)人体に必要なミネラルの一種で、浸透圧の調整などの働きをする。主に食塩の形で摂取される。人体に必要なミネラルの一種で、主に食塩(塩化ナトリウム)の形で摂取されています。成人の体内では、ほとんどが細胞の外の体液(細胞外液)に含まれています。細胞外液の浸透圧を調節して、細胞外液量を保つなどの役割を持っています。
引用:厚生労働省 e-ヘルスネット「ナトリウム」
減塩の重要性が叫ばれる昨今ですが、塩分の形で摂取されるナトリウムには、人体の機能維持に欠かせない働きがあります。
ただ、摂取量が多いと体内の塩分濃度(浸透圧)を調整しようと、体液中に「水分」を多く取り込むことになります。これが「浮腫(むくみ)」の原因になります。
3日間の塩抜きを実践することで、身体中に余分な水分を保持しておく必要がなくなります。それが尿として排出されることでその分の体重を減らせるのです。
血圧が正常化し代謝も改善
塩分を摂り過ぎると高血圧の危険性が増すことは皆さんもご存知の通りです。高血圧は脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす動脈硬化を促進する、非常に厄介なものです。
「高血圧者では正常血圧者に比し,肥満,高脂血症,耐糖能が低下しているものを多く認め,高インスリン血症の状態にあることが明らかとなった.このような高血圧でみられる高インスリン血症の一因としてインスリン抵抗性の存在が推測される.したがって,高血圧と糖尿病は,インスリン抵抗性という共通の病態を有すると推測され,両疾患が密接に関連している可能性が示唆された.」
引用した論文にある「耐糖能」とは糖の処理能力を意味する言葉ですが、高血圧者にはこの耐糖能が低下している人が多く認められるというのです。
血液中の糖が増えるとインスリンが分泌され、糖をエネルギー源のグリコーゲンに変換し肝臓や筋肉に蓄えるのですが、この能力が正常血圧者と比べると劣っているのです。
血圧が正常化するとこの耐糖能も良くなり、その結果として代謝も良くなることが期待できます。
代謝の向上は消費カロリーの向上につながります。このことが脂肪の燃焼を促進し、ダイエットに貢献するのです。
食事の量が減る
塩分を摂り過ぎると食欲が増進する、という研究結果があります。濃い目の味付けの食事は美味しくてついつい箸が進んでしまいますが、このことなのでしょうか?
ダイエットは、摂取カロリー<消費カロリーの関係が重要になってきます。塩分の摂り過ぎが食欲を増すのであれば、塩分を控えると食事量が減ることに繋がりますね?
このことからも、塩抜きダイエットによるダイエット効果と言えそうです。
タンパク質の分解を阻止する
「研究チームは高塩分食が筋肉のタンパク質の分解を促すことを突き止めた。このタンパク質は肝臓で尿素に変換され、尿素は腎臓での水分再吸収を促進して、塩分排泄に伴う水分損失を防止していた。このように塩分排泄に直面した時に水分を保持するために、体は筋肉を分解してエネルギーを作り出す。これには多くのエネルギーが必要になる。「失われるエネルギーの代わりになるのは、より多くのエネルギーを補給すること、つまりたくさん食べることです。これが、高塩分を食事を摂ると、空腹感が増し、過食を引き起こす原因になります」と、研究者は説明している。」
引用:一般社団法人 日本生活習慣病予防協会「「減塩」は健康的な食事に必須 高血圧だけでない「塩」の恐さ」
塩分濃度の高い食事が筋肉を分解するというのです。これは問題ですね?というのも、人間の生命維持活動に必要なカロリーを基礎代謝と言いますが、この基礎代謝量は筋肉の量に比例するのです。
高塩分の食事で筋肉の分解が進んでしまうと、基礎代謝量の低下を招くことになりかねません。さらに、筋肉を分解する際に必要となるエネルギーを補給しようとたくさん食べるようになるというのです。
摂取カロリーの増大と消費カロリーの低下、塩分の多い食事にはダイエットの成功には程遠い、真逆の関係を成立させてしまうのです。
塩抜きダイエットを実践することで、この負の関係を解消することができます。3日の塩抜きダイエットが終了しても、塩分控えめの食事は続けた方がよさそうです。
塩抜きダイエットの効果的なやり方は?
塩抜きダイエットは3日間だけ集中して行います。というのもナトリウムは生命維持に必要な成分なので、やり過ぎるとかえって健康を害することになってしまうからです。
このダイエットの目的は、体内にある余分なナトリウムを排出することにあります。その結果としてダイエット効果が期待できるものなのです。
極力塩分を排除する
完全に塩を抜いた食事になるので、まとまった休みがとれる時などをねらってやりましょう。
この3日間は塩分を含んでいるお菓子や加工食品も食べません。外食は総じて塩分量が多いので、この3日間は外食も控えます。
食材はパッケージの成分表を確認し、塩分量の少ない食品を選ぶようにします。パッケージに塩分量の記載がなく、ナトリウム量が記載されている場合は、それに400mgを掛けた数値が塩分相当量になります。
料理を作る時は当然ですが、塩やしょう油、味噌など塩分を含む調味料は使わずに調理します。
カリウムの摂取を心がける
カリウムには塩分の排出を促進する働きがあります。塩抜きダイエットは体内の塩分量を減らすのが目的なので、カリウムの多い食材を料理に利用するようにします。
カリウムは野菜や果物に多く含まれているので、野菜を多く摂るようにしましょう。
ホウレンソウにはカリウムが豊富に含まれています。
水を飲む
体内の塩分は水に溶けて体外に排出されます。スムーズに塩分の排出が進むよう、水をたくさん飲みましょう。
摂取量の目安は、1.5~2リットルです。
これが塩抜きダイエットの基本的なやり方です。
味付けの工夫とおすすめのレシピ
塩抜きダイエットは塩分を極力排除するダイエットで、食べる食事そのものを制限するものではありません。とはいっても、味付けの基本になる「塩」がなくては食事も味気ないものになってしまいます。
3日間の超短期決戦のダイエットとはいえ、1日3食を3日、計9食分の食事を塩分なしで過ごすには、それなりに工夫が必要になります。
まず、塩に代わる調味料として
- 塩分が無い酢
- レモン果汁
- 昆布や魚のだし
- 胡椒などの香辛料
- ニンニクや生姜
などを利用します。
ヨーグルトも程よい酸味があるので、調味料として活躍しますよ!
昆布だしのスープで鶏肉とエビ、野菜やキノコを煮込めば鶏肉やエビからもだしが出て、とてもおいしく食べられます。
同じく昆布だしで、野菜たっぷりのミネストローネスープもおいしいです。
昆布だしとアサリのだしで、クラムチャウダーも無塩でおいしく作ることができます。これも野菜をたくさん入れましょう。
野菜のお浸しなども、鰹節に少しすりごまを振りかけただけでも結構おいしく食べられます。
コンビニの減塩食を利用する!
塩抜きダイエットをコンビニの食べ物でやろうとすることは、はっきり言ってかなり難しいです。コンビニの食べ物にはほとんど塩分が入っており、普通より濃い味付けの物も多いです。
それでも、最近は健康志向を受け、コンビニでも低カロリーや減塩タイプの商品も販売されるようになりました。
普段の食事からいきなり塩抜きダイエットに移行すると、それだけでストレスがかかるかもしれません。本番に備えてコンビニの減塩食を利用することで、スムーズに移行することができるようになります。
またダイエット中はナッツなどを食べる方も多いかと思いますが、コンビニで売られているナッツには2種類あり、普通の塩分が入っているナッツと素焼きナッツがあり、塩抜きダイエットをするなら素焼きナッツを選ぶ方が良いでしょう。
素焼きナッツは塩分がほとんどないため最初は物足りなさを感じますが、慣れてくるとナッツの甘みや美味しさを感じる事ができます。
塩抜きダイエットは成功しやすい?
塩抜きダイエットは成功しやすいダイエットといえます。なぜ成功しやすいかというと、わずか3日間の短期集中型のダイエットだからです。
ダイエットが失敗する原因の一つに、無理なダイエットをしてしまうことがあげられます。極端な食事制限やきつい運動では、長続きせずに挫折してしまうことが多いです。
また、無理なダイエットで成功したとしても、その反動でリバウンドしやすくなり体重は減らなかった、などということもあります。
その点塩抜きダイエットは、塩を抜くという一定の食事制限はあるものの、3日間だけでいいので成功しやすい、がんばれるという訳です。むしろそれ以上塩抜きを続けると体によくないので、3日間しかできなのです。
それから、たった3日間なのに体重が減ったことが明らかに実感できるのも、成功しやすい理由です。むくみもとれ便秘も改善され、ダイエット後も減塩していけば体調もよくなってくるので、ダイエットを検討している人にはおすすめのダイエット法ですね。
即効で痩せる!コンビニで塩抜きダイエットをする効果的な方法!のまとめ
塩抜きダイエットは実施期間もわずか3日と非常に短く、それでいて方法じたいもハードルが低いので、誰にでもできるダイエットメソッドだと言えるでしょう。ただし、これだけを実践すれば「劇的に痩せる!」というわけではないので過度な期待は禁物です。3日間とはいえ、かなりストイックな方法なので、無理を感じたらやめるのも選択肢の1つです。