皆さんは「ロカボダイエット」をご存じでしょうか?
「ロカボダイエット」を知らなくても、「低糖質」や「低炭水化物」は聞いたことがあるという方は多いと思います。「ロカボダイエット」を簡単に言えば「糖質を緩やかにコントロールして痩せる方法」です。
また、ロカボ(Low Carbon)は、以前からあったローカーボから取った名称で「Low(低い)、Carbohydrate(糖質)」と訳され、「低糖質」という意味があります。
ただし、ローカーボと考え方は同じですが内容は少し違うので、区別するために「ロカボ」という名称にしています。
この記事では、「ロカボダイエット」にどのような効果があるのか、方法やメリット等も交えて詳しくご紹介します。
ロカボダイエットとは
「ロカボダイエット」とは、一食当たりの糖質を20~40gに制限し、一日の糖質摂取量を間食も含めて70~130gに制限することで痩せられる方法です。
ロカボダイエットの「ロカボ」とは、ローカーボ(Low Carbon)の略語で低炭水化物という意味です。
ロカボと似て非なる「ローカーボ」について少し説明すると、ローカーボは2011年に医師や管理栄養士、薬剤師、生理学研究者などが集まって設立した「日本ローカーボ食研究会」が推奨している糖質制限をした食事療法です。
(参考サイト:NPO法人 日本ローカーボ食研究会)
しかし、ローカーボの糖質制限には極端な制限も含まれる可能性があり、体への負担が懸念されます。
そのため、「一般社団法人 食・楽・健康協会」が、ローカーボの考え方を取り入れながら「緩やかに糖質を下げてコントロールする方法」を考案したのが「ロカボ」です。
(参考サイト:一般社団法人 食・楽・健康協会)
糖質制限ダイエットとの違い
ロカボは糖質制限をするのですが、糖質制限ダイエットほど「過酷な糖質制限をしない」ことがロカボとは大きな違いです。
そのため、過度な糖質制限を行うとストレスや低血糖を引き起こすこともあり、返って体への負担やダイエットに失敗することもあります。
そこで考案されたのがストレスなく、体への負担も少ない「ロカボダイエット」です。
ケトジェニックダイエットとの違い
ロカボダイエットに似た方法で「ケトジェニックダイエット」がありますが、明らかに次のような違いがあります。
- ロカボ :糖質制限をするが、あくまでもエネルギー源は「糖質」である
- ケトジェニック:糖質制限をするが、エネルギー源は「脂質」である
ケトジェニックでは、極端な糖質制限をして、無理やり脂質をエネルギー源に変える方法で、脂質を大量に摂取する必要があります。
ロカボダイエットの方法
ロカボに似たダイエット方法も分かったところで、ロカボのダイエット方法をご紹介します。
ロカボダイエットのポイントは以下の4つです。
- 一食の糖質量を20~40g、一日の糖質量を70~130gにする
- 糖質量だけ気を付ければカロリーは気にしなくてよい
- 決められた食べる順番を守る
- たんぱく質を積極的に摂取する
それぞれ詳しく解説します。
一食の糖質量を20~40g、一日の糖質量を70~130gにする
これはロカボダイエットの基本で、40g×3食と間食10gで合計130gという計算ですが、個人差があるので30g×3食と間食40gでも構いません。
とにかく一日130g以内に収まっていれば問題はありません。
糖質量だけ気を付ければカロリーは気にしなくてよい
ロカボダイエットは極端な糖質制限をしない代わりに、食材の糖質量を覚える必要があります。
以下に食材別の糖質量を表にしたので参考にしてください。
食品名 | 量 | 糖質量 |
小麦粉 | 100g | 73.3g |
6枚切り食パン | 60g(1枚) | 26.6g |
うどん(ゆで麺) | 250g(1玉) | 52.0g |
そば(ゆで麺) | 200g(1玉) | 48.0g |
ラーメン(生麺) | 120g(1玉) | 64.3g |
スパゲッティ(乾麺) | 80g(1食分) | 57.0g |
白米 | 150g(茶碗小1杯) | 55.2g |
板こんにゃく | 125g(2分の1枚) | 0.1g |
さつまいも | 100g(中2分の1本) | 30.3g |
緑豆はるさめ(乾燥) | 20g(約1食分) | 16.7g |
砂糖 | 9g(大さじ1) | 8.9g |
おから | 100g | 2.3g |
木綿豆腐 | 150g(2分の1丁) | 1.8g |
絹ごし豆腐 | 150g(2分の1丁) | 2.6g |
バナナ | 100g(1本) | 21.4g |
りんご | 250g(1個) | 35.3g |
一般的に食べられる生魚 | 100g(1切れ程度) | 0~0.5g |
和牛(肝臓を除く)全般 | 100g | 0~0.6g |
豚(肝臓を除く)全般 | 100g | 0~0.3g |
鶏(肝臓を除く)全般 | 100g | 0~0.2g |
鶏卵・全卵 | 50g(1個) | 0.2g |
普通牛乳 | 200g(コップ約1杯) | 9.6g |
ポテトチップス | 60g(1袋) | 30.3g |
マヨネーズ | 12g(大さじ1) | 0.5g |
(参考サイト:資格のキャリカレ)
この表や上記サイトを参考に一食20~40g、間食も含めて一日130g以内に糖分を抑えられるように計画し、糖分の摂取量さえ守ればカロリーを気にせず、お腹いっぱい食べても問題はありません。
決められた食べる順番を守る
糖質制限だけでなく、食べる順番に気を付けることも重要で、次の順番で食べるように心がけましょう。
- 野菜などの食物繊維
- 肉や魚、大豆類
- ご飯やパン、麺類
この順番で食べることで、血糖値の上昇を抑えることができ、余分な糖質や脂質の吸収も抑える働きもあるので太りにくい体質を作れます。
たんぱく質を積極的に摂取する
糖質は炭水化物に含まれている成分で、糖質を控えると炭水化物自体の摂取量が減少するので空腹感があります。
しかし、その代わりに鶏肉などのたんぱく質を積極的に摂取すれば、空腹感を抑えることができます。
また、ロカボダイエットの良い点はカロリーを気にしなくていいので、脂質の多い食材でも好きなように食べられます。
特に食べることが好きな方は、食事制限を行うだけでストレスが溜まりダイエットに失敗しやすくなりますが、ロカボダイエットはそんな方に適したダイエット方法とも言えます。
ロカボダイエットのメリット・デメリット
ロカボダイエットは糖質を緩やかにコントロールして痩せる方法ですが、ダイエットのメリットやデメリットについてご紹介します。
メリット
ロカボダイエットのメリットは主に以下の内容になります。
- 糖尿病予防の効果
- 脂肪燃焼によるダイエット効果
- 炭水化物の過剰摂取による肥満抑制効果
糖尿病予防の効果とは、糖質を控えることで炭水化物の摂取量が抑えられて、過剰な糖分を摂取しなくて済みます。また、野菜から食べることで、血糖値の上昇と体内への吸収も抑える働きがあります。
脂肪燃焼とは、炭水化物の摂取量を制限することで、体内の脂肪がエネルギーとして利用されるため、脂肪が燃焼しやすくなりダイエットにも効果があります。
肥満抑制効果とは、炭水化物の過剰摂取は肥満の原因になりやすいので、ロカボダイエットは炭水化物も制限するため肥満抑制効果が期待できます。
デメリット
ロカボダイエットを過剰に行うと体に負担がかかるため、デメリットになりかねません。
- 栄養のバランスが崩れる
- ストレスが溜まる
糖質は炭水化物に含まれているため、炭水化物を制限することにもなるので栄養のバランスが崩れる可能性があります。
予防としては、事前に栄養バランスを計画する必要があり、日々の健康管理もしっかり行えば健康的に痩せる事ができます。
また、糖質制限を行うと食材やメニュー選びが少なくなり、決まった料理を食べるだけのサイクルになりがちです。
そのため、食へのストレスが溜まる可能性があるので、ダイエットに失敗するかもしれません。
そうならないためにも、糖質制限の食事メニューや食材を自分で調べることもとても大事です。
麻生式ロカボダイエットメニュー
(出典:管理栄養士麻生れいみの健康キッチン)
これは、管理栄養士の資格を持つ「麻生れいみさん」のYouTube動画で、自身が実体験で20㎏痩せた経験があり、約6000人のダイエット指導も行っています。
低糖質レシピ・手羽先のお酢煮
(出典:管理栄養士麻生れいみの健康キッチン)
麻生れいみさんはいくつかのYouTube動画と「麻生れいみ式ロカボダイエット」の本やその他にも多数の書籍を出版されているので、興味のある方は購入して一読する価値はありますよ。
まとめ
ロカボダイエットは糖質を緩やかにコントールして痩せる方法で、糖質さえ気にしていれば何を食べても構わないというメリットがあります。
その反面、適正に行わないと栄養のバランスが崩れ、体調不良やストレスが溜まり、ダイエットに失敗する可能性があります。
興味のある方は、無理のない範囲でストレスを溜めないように注意して、決められたルールを守って健康的なダイエットに取り組みましょう。