「冷やしご飯」でダイエット?驚きのダイエット法が最近話題になっています。食事制限はダイエットの王道ですが、「低カロリー&低糖質」な食生活を実現するために主食の「ご飯」を制限せざるをえないのが「ご飯好き」にはツライところですよね?もともとストイックな性格の人や、ご飯にこだわりがない人には、そこまで精神的にダメージはないかもしれませんが、ご飯ラブな人にとって食事制限は辛い修行みたいなものです。ところが、そんな「ご飯好き」に朗報です。今回ご紹介するダイエットは、なんと「ご飯食べてもOK!」という夢のようなメソッドです。
ただし、食べて良いのは冷めたご飯という条件が付きますが…冷えたご飯を食べながら痩せるダイエット――その名も「冷やしご飯ダイエット」。今回はこれを紹介していきたいと思います。では、どうして同じご飯なのに「冷やしご飯」がダイエットに効果があるのでしょうか? さっそくみていきましょう!
冷やしご飯の特徴とそのダイエット効果とは?
冷やしご飯ダイエットは、主食を冷えたご飯に置き換えるダイエットです。「冷えたご飯かあ……なんか囚人みたいで嫌だな」とつい思われてしまうかもしれませんが、実は「冷えたご飯」には、驚くべきダイエット効果が科学的に示されているのです。
温かいご飯だろうが、冷たいご飯だろうが、成分は同じじゃないの? いったいなにがどう違うの?こう思われるのもごもっともですね?
でも、冷えたご飯には血糖値の上昇を抑制する「レジスタントスターチ」という成分が含まれており、それがわたしたちの代謝機能にプラスの影響を与えるのです。
レジスタントスターチ……なかなか聞きなれない言葉ですが、これはもともとご飯に含まれている「でんぷん(=スターチ)」です。でんぷんが冷やされたときに変化したものがレジスタントスターチと呼ばれる成分なのです。
炊き立てのご飯を常温や冷蔵庫で冷ます事でレジスタントスターチが増えるのです。冷凍する時よりも常温や冷蔵庫で増やす方が増えます。
その後レンジで温めしても多少レジスタントスターチは減少しますが、多少です。
ではいったい、レジスタントスターチにはどのような効果があるのでしょうか?
以下では、それについてもう少し詳しくみていきましょう。
排便の促進と腸内環境の改善がダイエットにも好影響を及ぼす
「即ち、RS (※筆者注:RSとはレジスタントスターチのこと)は糞便量を増加させるとともに、保水性を高めることにより糞の嵩を増やし柔らかな糞塊を形成し、排便を促進する。」
「更に、RSを多く摂取すると、乳酸やコハク酸といった有機酸の産性も高くなる。これら有機酸は、大腸における吸収・利用が少ないので大腸内に蓄積しやすく、pHの低下作用が強く、pH6以下になることもある。pHの低下は、有害な腐敗菌の増殖を抑制するとともに、一次胆汁酸の有害な二次胆汁酸への変換を抑制する作用もある。」
「一般に、RSは…(略)…大腸がんの予防など大腸の健全性維持に貢献するデンプン成分である。」
なにやら物々しい文章が盛りだくさんですが、ようするにこれは、レジスタントスターチの機能を検証する実験を行った結果、腸内環境を健康に保つ効果を見出せたという研究結果です。
上記に引用した論文のように、レジスタントスターチには「排便を促進」する効果があるのです。
排便を促進する効果、不溶性食物繊維と同じ働きですね?
もしみなさんのなかにお通じが悪い方がいるのでしたら、冷やしご飯ダイエットを試してみる価値があるのではないでしょうか?
また、有害な腐敗菌(悪玉菌)の増殖を抑制する働きもあるとのこと、これは腸内環境の改善に結び付く効能ですね?さらに、大腸がんの予防などの大腸の良好な環境の維持に効果的な働きをする成分なのです。
「人においても腸内細菌の遺伝子解析をした研究で、たくさんの腸内細菌が肥満・血清脂質(コレステロールや中性脂肪など)・血糖など様々な代謝と相関していることが報告されています。一例を挙げますと、Firmicutes 65, Clostridia 101, Clostridiales 373という腸内細菌は、体重や中性脂肪とは負の相関(これらの細菌が多いほど体重や中性脂肪は低くなる)が認められました。腸内細菌は1000種類以上、数は100兆個以上とも言われていますが、このように腸内細菌のバランスが肥満や生活習慣病などの原因になりうる事が示唆されます。」
引用:同友会グループ「食習慣と腸内細菌の関係~代謝異常の視点から~」
腸内環境の良し悪しがダイエットにも少なからず影響を及ぼすことを示したレポートです。レジスタントスターチには腸内環境を改善する働きがあることが明らかになっています。
このことからも、レジスタントスターチにはダイエット効果を期待することが出来そうです。
脂質代謝効果
「RS (※レジスタントスターチ)が脂質代謝に及ぼす効果については、肝臓および血中コレステロール低下効果や、中性脂肪低下効果が報告されている。一般に血中コレステロールの低下効果はSDF (※筆者注:water-soluble dietary fiber⇒水溶性食物繊維)」に強く見られる効果である。RSが有効なのは、SDFのように発酵性に富むからと考えられる。」
ダイエット食材と呼ばれるものの多くに含まれている水溶性食物繊維は、胆汁酸やコレステロールの体外排出や腸内のビフィズス菌増殖に貢献する素晴らしい成分です。
「胆汁酸を効率よく働かせるためには、古い胆汁酸を排出することが重要である。胆汁酸排出に効果的に働く食物成分は食物繊維である。日本人の食物繊維の摂取量は近年減少傾向にあり、一日に必要な食物繊維の摂取量は、成人で20~25gであるが、現在大人一日の平均摂取量は15~16g程度で、推奨量の7割程度の摂取にとどまっている。胆汁酸排泄に特に効果的な食材として、大麦、マイタケ、海藻類、こんにゃく、杜仲茶が挙げられる。」
この論文の言う食物繊維とは水溶性食物繊維のことです。胆汁酸は肝臓でコレステロールを主な原料に生成される成分ですが、これは腸内に分泌されたあと、吸収されて再利用される特徴を持っています。
この胆汁酸の吸収を抑制する働きが水溶性食物繊維にあるのですが、体内の胆汁酸が不足すると改めてコレステロールを原料に胆汁酸を生成することになります。
胆汁酸の生成 → 排出 → 新たに胆汁酸を生成(=コレステロールの消費) → 排出 ・・・ このサイクルが繰り返されることでコレステロールが減っていくのです。
コレステロールも脂質の一種であることに変わりがありません。このように体内の脂肪を消費・排出する働きが脂肪の減少につながるのです。
ただ冷めただけのご飯にこれだけのダイエットに役立つ働きがあったとは驚きですね!
冷やしご飯ダイエットの方法やコツは?
「冷やしご飯ダイエット」はいたってシンプルで、とくに難しい制限やルールがあるわけではありません。ようするに、いつも主食として食べている温かいご飯を冷えたご飯に置き換えるだけなのです。
とはいえ、「冷えたご飯を美味しく食べられる自信がない……」と思う方もいるでしょう。でしたら、「冷えたご飯」でも美味しく感じるように工夫すればいいのです。
おにぎりにする
冷えたご飯がお椀に盛られていると、たしかに食欲はわかないかもしれませんが、たとえば「おにぎり」にして食べるのはいかがでしょう? そうです、よくよく冷静に考えてみれば、わたしたちには、ふだんから冷えたご飯を食べる習慣がちゃんとあるではないですか!
人によっては「おにぎりを温める派」もたしかにいるかもしれませんが、たいていの人は、作り置きのおにぎりや、コンビニの冷蔵コーナーのおにぎりを美味しく食べているはずです。
なので、冷やしご飯ダイエットを実践するのであれば、「作り置きおにぎりダイエット」として応用すればいいのです。味付けや具材のバリエーションも豊富ですし、お椀に冷えたご飯を盛るよりも、間違いなく飽きずに継続できるはずです。
冷やし茶漬けで味わう
あるいはまた、冷やし茶漬けにするのもいいですね!冷えたお茶を入れて“昔ながらのお茶漬け”として食べるのもいいですし、市販のお茶漬けのもとに水を入れて食べるのもGOODです。
夏になると、「冷やし茶漬け」のCMが流れますよね?大手メーカーも推奨する食べ方なのです。
この食べ方を活用しない手はありませんね!
特別な手間をかけることなく、簡単に実践できてしまうのが冷やしご飯ダイエットです。ダイエットにありがちな空腹感との闘いの心配もありません。気軽に試せるのも魅力的なダイエット法ですね!
冷やしご飯ダイエットで痩せる!レジスタントスターチを増やすには冷凍?のまとめ
近年巷で話題の「冷やしご飯ダイエット」は、冷えたご飯に含まれる「レジスタントローチ」という成分を利用するダイエット方法です。レジスタントローチは、腸内環境に良い影響をもたらすデンプン成分で、排便を促進する効果があります。もしも便通が悪い方にはオススメです。
ダイエットと腸内環境は切っても切り離せない関係にあります。便秘状態が続けば、身体のエネルギー代謝が低下して脂肪燃焼が悪くなってしまうのです。なので、冷やしご飯を積極的に食べるようにしてレジスタントローチを取り込むようにすれば、便通を改善して減量にも役立つというわけです。
とはいえ、冷えたご飯をそのまま食べるのも味気ないので、例えば「おにぎり」にして工夫するなどすればよいかと思われます。お茶碗に冷えたご飯を入れて食べるのには抵抗がありますが、おにぎりはみんな大好きですよね?好きな具材(せっかくなのでヘルシーなダイエット食材にしましょう)を入れて冷やしご飯ダイエットを実践すれば、辛い糖質制限に苦労することもなくなるでしょう。ただし、食べすぎには要注意です。