みんな大好き「ツナ缶」。サラダにもお酒のオツマミにも使える最高の食品です。一見するとツナ缶はダイエットとは無縁の食品のように思われがちですが、ところがそうではないのです。近年、ツナ缶はダイエット食材として女性を中心に非常に人気が高まっており、一時期は、どの売り場でも品切れが続出したこともありました。
しかしそれにしても、あんなに油ぎった食べ物がどうしてダイエットに効果があるのでしょうか?今回は、ツナ缶のダイエット効果をテーマに「ツナ缶ダイエット」を紹介していきたいと思います。いったい、ツナ缶ダイエットの効果とは何なのでしょうか? そしてその実践方法とは?さっそくみていきましょう!
ツナ缶ダイエットの効果とは?
マグロもカツオも青魚の1種、青魚と言えばEPAやDHAを思い浮かべる人も多いでしょう。
ツナ缶にはどのような成分が含まれているか、確認してみましょう!
EPAの中性脂肪抑制効果
魚、特に青魚に豊富に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)には中性脂肪を減少させる効果があるとして、積極的に摂取することを厚生労働省も推奨している重要な成分です。
「EPAは1960年代にその働きが発見されて以来、血液の性状を健康に保ち、特に血栓ができにくくしたり、高脂血症を予防する結果、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を予防するという働きがあるということが世界中の医学者によって研究され続けてきました。EPAに血液サラサラ効果があると言われるのは、そのような効果が認められているからでしょう。(中略)EPAはほぼ純度100%の医薬品が開発されたため、それを用いた数多くのヒト試験の結果、EPAをヒトが摂取した時の作用、つまり、中性脂肪値を下げたり血栓を予防したりする働きがとても明確になっています。これまでに蓄積された膨大なヒト試験の結果を背景に、EPAは、ほぼ純度100%の純品が高脂血症や閉塞性動脈硬化症の治療薬としても使われています。」
引用:ニッスイ サラサラ生活向上委員会「EPAとは?」
EPAの働きが明快にわかりますね?EPAは高脂血症や閉塞性動脈硬化症の”治療薬”としても使われている成分なのです。EPAの効果の確かさは薬として使われている、この1点に尽きます!
高脂血症は血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールの濃度が高くなった症状のことを言います。コレステロールも脂質の1種ですし、高脂血症という字面をみても血液が脂ぎっている様子か伺えます。
このような血液に脂が過剰な状態をEPAは解消してくれるのです。まさに、脂にダイレクトに働きかける効果は、ダイエットに間違いなく良い結果をもたらしてくれるに違いありません。
DHAの脂質代謝機能向上効果
同じくツナ缶に豊富に含まれている成分にDHAがあります。
「DHAは1980年代の後半に脳や網膜などの神経系に豊富に含まれている栄養素であることが話題となり、DHAを食べると「頭の働きがよくなるのでは?」といった分かりやすいフレーズで一躍有名になりました。」
引用:ニッスイ サラサラ生活向上委員会「EPAとDHAの違いは?」
このDHAを配合した菓子パンが販売されていたことをご存知の方もいらっしゃるでしょう。イギリスの栄養学者が日本人の子どもの賢さの理由を魚食(DHA)に見出したことから、DHAが脚光を浴びることになったのです。
ただ、DHAの健康効果はそれだけにとどまりません。研究が進展していくにつれて、脂肪燃焼に影響を与えることが次第に明らかになっていったのです。
「九州大学・農学部・池田らは、食餌脂肪は飽和脂肪酸、単価不飽和脂肪酸、高度不飽和脂肪酸がそれぞれ1:1:1になるように調製し、その多価不飽和脂肪酸のうちわけとして10%はn-3系、23.3%はn-6系としてラットを飼育した。N-3系高度不飽和脂肪酸としてDHA、EPA、α-リノレン酸(ALA)の3種での比較を行った。血漿中および肝臓中の脂質を測定した結果、DHA投与により、血漿コレステロールとリン脂質および肝臓コレステロール、リン脂質と中性脂肪はEPAやALAと比較して低値を示した。一方EPA投与により、血漿中性脂肪はDHAやALAと比較して低値を示した。これらの事は、n-3系脂肪酸の中でもDHAはEPAやALAとは異なる特徴的な脂質代謝改善機能を有する事を示唆する。」
引用:食品の機能性・学術報告「ドコサヘキサエン酸(DHA)の機能研究」
EPAにも脂質(中性脂肪)を減少させる効果がありましたが、このDHAにも同様に脂質代謝改善機能があるとのことなのです。
しかも、EPAとはその効果の特徴が違い、EPAと一緒に摂取することで両方の良いところを一度に味わえるのです。
痩せホルモン”GLP-1”の分泌を促す
「GLP-1がヒトの体内ではたらく様子をみていきましょう。ヒトが食べ物を摂取し、食物が消化管に送られてくると、消化管はそれをいち早く感知して、小腸からGLP-1を分泌します。その後に起こる血糖値の上昇に備えるためです。GLP-1は体内を移動して膵臓を刺激することで、インスリン分泌を促します。インスリンは血液中のブドウ糖が肝臓や筋肉などの臓器に取り込まれるのを促しますから、これによって血糖値は低下します。注目したいのは、GLP-1がインスリン分泌を促すのは血糖値が高いときだけ、ということです。血糖値が低いときは、GLP-1は膵臓を刺激しないのです。さらに、GLP-1には胃から小腸に食物が送られるのを遅らせ、血糖値を上がりにくくさせるはたらきや、食欲を抑えるはたらきもあるのです。」
引用:糖尿病がよくわかるDM TOWN「知って納得GLP-1」
血糖値が上昇するとインスリンが分泌され、糖をエネルギー源のグリコーゲンに変換し筋肉や肝臓に蓄えますが、その貯蔵量が限界を超えると今度は脂肪として蓄積するようになります。
GLP-1はインスリン分泌を促すことで血糖値の上昇を抑え、脂肪に変換される絶対量を少なくすることでダイエットに貢献するのです。
これが「痩せホルモン」と言われる所以なのです。
”After an intraperitoneal glucose challenge, marked endogenous GLP-1 secretion, substantial insulin release and subsequent glucose reductions were observed in the intracolonic DHA and EPA treatment groups.”
そして、このGLP-1の分泌には、EPAやDHAが深くかかわっているのです。しかも、この分泌を促すのはお腹の中での糖の濃度が高かったときだけだったのです。
ここぞという時にGLP-1の分泌に貢献してくれるのですね!
DHAとEPAそれぞれに脂肪を抑制する働きがありましたが、この痩せホルモンの分泌促進と合わせて、複合的にダイエットに貢献してくれるのです。
ほぼ糖質ゼロ!肥満リスクを軽減
ツナ缶は油漬けや水煮など複数の種類がありますが、原料はマグロやカツオです。マグロやカツオは糖質が少ない食材なのです。
ダイエット中に気になるのは、やはり糖質ですよね?これを摂りすぎると、身体内で脂肪として蓄積されてしまうので、体重が増えてしまいます。
しかし「ツナ缶」は糖質が極めて少ないので、ダイエット中でも安心して食べることができるのです。
高タンパク質!筋肉の維持や増強も!
人間の生命維持に必要な身体活動に要するカロリーを基礎代謝と言いますが、この基礎代謝を左右するのが筋肉量です。筋肉の素はタンパク質、ツナ缶は魚肉なのでタンパク質が豊富に含まれています。
ダイエットは、消費カロリー < 消費カロリー の関係が成り立つことで成功に近づきます。筋肉量を維持・増強することで消費カロリーの増大につながり、それがダイエットに役立つのです。
ツナ缶ダイエットのやり方は?
ツナ缶ダイエットの方法はいたってシンプル。ふだんの食事にツナ缶を取り入れて継続的に食べるだけでOKです。
置き換えダイエットではないので、くれぐれも「ツナ缶だけ食べて痩せよう!」なんて考えないようにしてください。
朝がおすすめ
ツナ缶を食べるタイミングですが、朝がおすすめです。
ツナ缶には豊富なタンパク質が含まれていますが、このタンパク質を筋肉にするには適度な運動が必要です。朝食の後は通勤・通学と身体を動かす時間帯が待っていますね?
この身体を動かす時間を”トレーニング時間”にするのです。お肉もタンパク質が豊富ですが、「朝食にお肉は重たい・・・」と敬遠される方が多いですよね?
そこであっさり食べられるツナ缶なのです。開缶して醤油を垂らすだけで手軽な一品が出来上がります。
少しでも長く寝ていたい朝の時間帯でこの手軽さ!時間の節約の面でもおすすめできるのです。
水煮缶がおすすめ
ツナ缶には
- オイル漬け
- 水煮(スープ煮)
と大きく2種類ありますが、カロリーのことを考えると水煮がおすすめです。
ただ、水煮(スープ煮)は味気ないのが欠点です。ダイエットはある程度の期間続けなければ成功を見込めません。飽きが来てしまってはせっかくのダイエットも無駄になってしまうので、たまには油漬を選ぶのも良いでしょう。
ただ、この際はしっかりと油切りを行うようにしましょう!
簡単な油切りの方法
- ツナ缶のプルトップを立てます。この時、そのまま蓋を開けずに、プルトップ周辺に穴が開き、蓋と缶の縁の間に隙間ができた状態のまま止めます。
- 缶を傾け、蓋の開け口に近い部分を手で数回押します。
ギュッと絞り出す感じで構いません。油滴が切れたら開缶しましょう。
開封後は使い切る
缶詰は長期保存可能な食材ですが、それはあくまでも未開封の時のお話です。
ツナに含まれるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸は酸化しやすいため、開封後はなるべく早く食べきるようにしましょう。
ツナ缶はカロリーは低いとは言えませんが、高タンパク・低糖質のダイエット食材です。
摂取を推奨されているEPA・DHAが含まれているのも心強いですね!缶詰をあけてすぐに食べられるのも、何かと忙しい現代人にとってありがたいのです。特別な食事制限も不要なツナ缶ダイエット、気軽に挑戦できるのもメリットです。
そもそもツナ缶とはマグロ・カツオの缶詰!
ツナ缶は、
- ビンナガマグロ
- キハダマグロ
- カツオ
などを原料とした、魚肉の缶詰の総称です。マグロは英語で”Tuna”、それでツナ缶なのです。もともとはマグロの油漬け=コンフィを缶詰にしたものでしたが、現在は油漬け・油入りの水に漬けたもの・水煮(スープ煮)など様々な種類が販売されています。
ビンナガマグロを原料にしたものは「ホワイトミート」と呼ばれ、身が白っぽく淡泊な味わいでやや高値です。キハダマグロから作られたツナ缶はピンク色をしており、カツオが原料のものは身が柔らかく、旨みが強いのが特徴です。
加工過程で栄養成分が失われることがないため、ツナ缶には原料の魚に含まれる栄養成分がそのまま含まれています。
ツナ缶ダイエットの効果は?食べるだけで痩せる正しいやり方は?のまとめ
ツナ缶は健康にもいいですし、もちろんダイエットにも効果抜群の食べ物です。
しかも食べ応えもありますので、食事をした後の満足度も高いでしょう。ツナ缶とダイエットの組み合わせで痩せたという声は多数あります。これにプラスしてよりよい睡眠を取ったり運動をすることで、健康的に痩せることも可能になってきます。ぜひツナ缶を毎日取り入れて美しい体を作っていきましょう。