多くの女性が愛してやまない魅惑のお菓子「チョコレート」!このチョコレートは一般的には、カロリーも糖分も高くてとてもダイエットには向かない食べ物として認識されているようですが、じつは、そうでもないんです。もちろん糖分や炭水化物も含まれているのですが、それをふまえてもなお、ダイエットに有効な成分が多く存在するので、巷ではチョコレートがダイエット食材として高い人気があるのです。
それではいったい、チョコレートダイエットとはいったいどのような方法なのでしょう? またダイエットに効果的な成分とは?本記事では、一見するとダイエットとは無縁のはずのチョコレートを使ったチョコレートダイエットに迫っていきたいと思います!
なぜチョコレートはダイエットに有効なのか?
チョコレートダイエットが単なる噂ではなく、しっかりとした科学的根拠に由来しているということを理解するには、チョコレートの原料であるカカオに着目する必要があります。
カカオとはみなさんもよくご存じのカカオ豆のことです。じつはカカオ豆には、
- ポリフェノール
- テオブロミン
- 食物繊維(リグニン)
などが豊富に含まれています。
つまり、チョコレートダイエットは、この諸成分の健康効果を有効に活かした合理的なダイエット法と言えるのです。
以下、カカオのダイエットに役立つ成分についてみていきましょう。
カカオポリフェノールによる血糖値とコレステロール値の抑制
カカオには「ポリフェノール」が含まれています。ポリフェノールといえば、一般的には「ワイン」というイメージを連想しやすいですよね?
このポリフェノールは5,000を超える種類があると言われて言われていますが、共通する効果として「抗酸化作用」があります。
いわゆる「体のサビ」の原因と言われる活性酸素を除去する働きですね?
「緑茶、赤ワインをはじめ、ポリフェノールが含まれた食べ物はいろいろありますが、チョコレートの材料、カカオ豆にもカカオポリフェノールがたっぷり含まれています。実はこのポリフェノール、自然食品から摂取することが意外に難しいことはあまり知られていません。では、比較的効率よく摂取できるものはないのでしょうか?実は、それこそ素材を丸ごと使うことができるカカオ豆なのです。ポリフェノールが豊富に含まれ、しかも気軽に利用しやすい食べ物、その代表がチョコレートやココアというわけです。」
カカオポリフェノール」には
- 抗がん作用
- 抗動脈硬化作用
- 糖代謝への作用
- コレステロールへの作用
などの健康効果が明らかにされています。
糖代謝への作用は、具体的に言うと血糖値の抑制です。血糖値が上がるとすい臓からインスリンが分泌され糖をグリコーゲンへと変換し、筋肉や肝臓に貯蔵しますが、貯蔵できる量が限界に達すると今度は脂肪として蓄積されるようになります。
脂肪の元となる血中の糖質を抑えることによって、ダイエットの効果が期待されるのです。
また、コレステロールへの作用は、血中の善玉・悪玉コレステロールへの作用のことです。
ココアポリフェノールには血中の善玉コレステロールの濃度を上げる一方で、悪玉コレステロールを減少させる働きがあることが臨床試験で明らかにされています。
悪玉コレステロール濃度が高いと高脂血症と呼ばれる症状を引き起こします。「脂」、まさに肥満の元凶ですね?
このことからも、ココアポリフェノールはダイエットへの好結果が期待できるのです。
他にも、抗がん作用や抗動脈硬化作用といった健康効果も期待されています。健康維持にも役立ちますね?
テオブロミンの代謝改善作用と利尿作用
チョコレートには独特の「苦味」がありますよね?この苦味と香りの元となるのが「テオブロミン」と呼ばれる成分なのです。
ところで、「チョコレートは犬にとって毒だから食べさせるな」という話を聞いたことがありませんか? 犬を飼ったことのある人なら、当然知っていることでしょう。
じつは犬にチョコレートを食べさせてはいけないという理由が、このテオブロミンにあったのです。
人間と違って、犬はこの成分を代謝する機能が劣るために、有害化してしまうというのです。気を付けたいですね。
犬にとってはよろしくないこのテオブロミンですが、人間にとっては血流促進(血管拡張)作用、交感神経刺激作用、利尿作用などの効果があります。
この成分がダイエットに有効だと言われる根拠は、テオブロミンの血流促進作用と利尿作用に見出されます。
血行が促進されれば、当然ですが身体の「代謝」が向上するので、エネルギーの消費量も増え、蓄積された脂肪も消費されていくことになるのです。
また、「テオブロミン」の利尿作用もまた、ダイエットに貢献する重要な機能です。
利尿効果が促進されれば、体内の余分な水分や毒素が排出されやすくなり、むくみを解消させることができます。
余分な水分は、当然ですが体重に上乗せされていますから、利尿作用で排出された分だけ体重が減っていきます。これもありがたい働きですね!
リグニンで腸内環境改善
チョコレートには不溶性食物繊維の「リグニン」が含まれています。ダイエットの成否を左右する要素に「腸内環境」が挙げられます。
「水に溶けにくい不溶性食物繊維は、水分を吸収して便の容積を増やします。便が増えると、大腸が刺激され、排便がスムーズになります。また、有害物質を吸着させて、便と一緒に体の外に排出するため、腸をきれいにして大腸がんのリスクを減らしてくれます。また、どちらの食物繊維も大腸内の細菌により発酵・分解され、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になるため、善玉菌が増え、腸内環境が改善されます。」
引用:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」
不溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなり、腸内細菌のバランスの改善に貢献する働きがあります。
「人においても腸内細菌の遺伝子解析をした研究で、たくさんの腸内細菌が肥満・血清脂質(コレステロールや中性脂肪など)・血糖など様々な代謝と相関していることが報告されています。一例を挙げますと、Firmicutes 65, Clostridia 101, Clostridiales 373という腸内細菌は、体重や中性脂肪とは負の相関(これらの細菌が多いほど体重や中性脂肪は低くなる)が認められました。腸内細菌は1000種類以上、数は100兆個以上とも言われていますが、このように腸内細菌のバランスが肥満や生活習慣病などの原因になりうる事が示唆されます。」
引用:同友会グループ「食習慣と腸内細菌の関係~代謝異常の視点から~」
このように、腸内細菌のバランスが糖や脂質の代謝に深く関係しています。バランスが良くないと代謝機能が上手く働かず、消費カロリーが落ちて脂肪の燃焼が上手くいかなくなるのです。。
腸内環境の改善に食物繊維が大切な役割を果たすというのは皆さんもご存知の通りです。
華々しい活躍ではありませんが、ココアに含まれる食物繊維「リグニン」は腸内環境を整え、代謝を上げる(=消費カロリーの増加)という形でダイエットに関わっているのです。
セロトニンのリラックス作用
また、チョコレートには神経伝達物質であるセロトニンを増やす働きがあります。このセロトニンは満腹感を感じやすくしてくれます。
摂取カロリー < 消費カロリー この関係がダイエットを成功させますが、セロトニンの満腹感を増してくれる作用が摂取カロリーを抑えることにつながるのです。
脂肪にダイレクトに効果を発するわけではないですが、ダイエットを継続する上ではなくてはならない働きといえますね!
チョコレートは低GI食品
GIは”Glycemic Index(グリセミック・インデックス)”のことで、食後血糖値の上昇度の目安となる数値です。この値が引くければ低いほど、血糖値の上昇が緩やかであることを意味します。
先ほども触れましたが、血液中の糖分が多いと脂肪として蓄積されてしまう危険性が高くなります。ダイエットのためには、血糖値が上昇しないに越したことはありません。
「食後の血糖値の上昇を抑える」、このフレーズは健康食品のCMで1日に何度も耳にする言葉ではないでしょうか?
健康的な毎日を送る上でも、チョコレートが低GI食品という点はメリットがあるんですね!
チョコレートダイエットのやり方と注意点
チョコレートの健康効果はよくわかりましたが、もともとは高カロリー・高脂肪の食べ物です。それを考えると、チョコレートダイエットを進めていく上で色々と気を付けていかなければならない点もありそうですね?
高カカオを選ぶ
チョコレートダイエットのポイントは、原料となるカカオの成分の効果を活かすことにあります。原材料に占めるカカオの割合がポイントになるのです。
株式会社明治の健康効果を謳ったチョコレートのカカオの割合は72%なので、カカオ含有量が70%を超えるものを選ぶようにしましょう。
ミルクチョコレートはNG!
カカオの独特の苦味を抑えるため、砂糖やミルクを加えて食べやすくしたチョコレートはダイエットには不向きです。
糖分やカロリーが高いチョコレートでは、せっかくのダイエット効果は期待できません!
「良薬は口に苦し」ということわざもあります。苦味を楽しめるようになりましょう!
少しずつ食べる
様々な健康効果で知られるポリフェノールですが、体内に貯蔵できないという弱点があります。言い換えると、短い時間しか効果を持続できないということです。
この弱点はカカオポリフェノールにも当てはまるのです。
ダイエットが期待できるから、と一度にたくさん摂っても、せっかくのポリフェノールを無駄にしてしまうことになります。
なので、1度に食べる量は少なく(親指の大きさ程度)、でも、何回も食べるようにしましょう。
株式会社明治は
- 朝7時
- 午前10時
- 午後3時
- 午後5時
- 夜9時
をチョコレートを摂取する時間として推奨しています。
効果を最大限に活かすためにも、ぜひ参考にしてみてください。
チョコレートダイエットは、コツコツとタイミングをみてチョコレートを食べる習慣付けがポイントとなるダイエットです。
また、このダイエット法はチョコレートを食べるだけでみるみる痩せる!という都合のいいダイエットではありません。
あくまでも、適切な運動や食事制限が前提となり、その補助食品として「チョコレート」が位置づけられているのです。
チョコレートダイエットの効果とやり方は?おすすめは高カカオ!のまとめ
チョコレートは糖分や炭水化物を含みますが、それをふまえてもなお、ダイエットに有効な成分が多い食材です。
代表的なものとして、
- ポリフェノール
- テオブロミン
- リグニン
が挙げられます。
これらの中で一番注目すべきなのがカカオポリフェノール!カカオポリフェノールには、抗がん作用、行動脈抗動脈硬化作用、糖代謝、コレステロールへの作用などが期待されています。
テオブロミンやリグニンには、
- 代謝改善
- 利尿作用
- 腸内環境改善
といった働きがあり、また、チョコレートはリラックス作用をもたらす”セロトニン”の分泌を促してくれる働きがるのです。
また、低GI食品という、食べた後の血糖値の上昇が緩やかという点も、ダイエットに向いている理由の1つに挙げられます。
本記事では、健康効果が見込めるチョコレートの働きや気になる摂取方法について、注意点を交えて詳しく解説しています。