干しブドウ酢には食べるだけで体質を改善しダイエット効果が期待できると口コミでも話題になっていますが、その効果的な方法とは?干しブドウ酢は自分でも作れる手軽さとダイエット以外にポリフェノールによる健康や美容効果にも期待できます。
干しブドウ酢のダイエット効果が話題になっています。今「これを食べるだけで痩せる!」といった食品が数多く紹介されていますが、ここでご紹介する干しブドウ酢ダイエットも、食べ続けることでダイエット効果が期待できるものです。「脂肪燃焼」を謳う成分は、その成分を摂取するだけではダイエット効果を得るのが難しいものがほとんどです。しかし、この「干しブドウ酢」は、食べるだけで体質を改善し、痩身に効果が得られるとされています。
干しブドウ酢ダイエットは、酢に漬けた干しブドウを食べるだけ?
「干しブドウ酢ダイエット」は、リンゴ酢とはちみつに漬けたレーズンを毎日10粒食べるだけの手軽なダイエット方法です。
特に、食事の前に摂取するのがおすすめです。
これにより様々な効果が得られ、人によっては10kg以上のダイエットに成功すると言われています。
なぜ干しブドウ酢で痩せられるのでしょうか?理由は、レーズンとリンゴ酢、それぞれの持つ成分にありました。
腸内環境を改善!抗酸化作用も高いレーズン
レーズンは、その糖度の高さからダイエットには不向きと思えます。
しかし、実はダイエットに嬉しい成分が豊富に含まれる、ダイエッターこそ摂取すべき食品なのです。
豊富な食物繊維が腸内環境を改善
レーズン(干しブドウ)100g中には、およそ4.1gの食物繊維が含まれています。
その3割は水溶性食物繊維、残りが不溶性食物繊維です。
食物繊維は便の量を増やすので、腸内を便が通過する速度が速まります。
また、レーズンにはブドウの乾燥過程でできる「フルクタン」と呼ばれる食物繊維の一種が豊富に含まれています。
このフルクタンにはいくつかの種類がありますが、レーズンに含まれるタイプは「イヌリン」と呼ばれるものです。
イヌリンはデンプンと同様、多糖類ですが、消化されることなく腸にまで届きます。すると、腸内で発酵が起き、善玉菌の餌となります。さらに、悪玉菌の増殖を抑えます。
腸内環境が整うことは、美肌を保つ上でも重要です。
レーズンを摂取することにより、腸内環境が改善され、美容効果が期待できることになります。
さらに、レーズンに豊富に含まれる水溶性食物繊維は、摂取した食べ物の消化を緩やかにし、糖の吸収速度をゆっくりにします。すると、食物を摂取後の血糖値の上昇が緩やかになるため、急激なインスリンの分泌を抑えることができます。
レーズンは糖度が高く甘味が強いですが、洋菓子などに比べ血糖値が上がりにくいため、甘いものを食べたい時にちょっとつまんだとしても、ダイエットの妨げになりにくい食品なのです。
ポリフェノールの抗酸化作用で身体を老化から守る!
レーズンには、ポリフェノールの一種である「アントシアニン」が豊富に含まれています。ブルーベリーに多く含まれる成分です。
「ポリフェノール」は、植物の苦味や渋み、色素の成分となる化合物の総称です。自然界には5000種類以上ものポリフェノールが存在すると言われています。ポリフェノールは強力な抗酸化力を持ち、生活習慣病の予防に効果が期待されています。
中でもアントシアニンは、紫外線やウィルスなどの有害な外部刺激から身を守るために植物が作り出す色素であるため、抗酸化力が非常に強いとされています。
このアントシアニンの効果としては、
- 視覚機能の改善や眼病予防
- メタボリックシンドローム予防
- 花粉症予防
などが挙げられます。
アントシアニンは、体内に増えた活性酸素を除去します。活性酸素により細胞が傷つけられることが抑制され、病気に対する抵抗力が向上し、また老化を予防できると言われています。
また、アントシアニンは内臓脂肪の蓄積を抑制し、メタボリックシンドロームの予防にも役立つと言われています。
他に、暗いところで目が見えやすくなる、遠くのものが見えるようになるといった、視覚機能の一時的な改善も、アントシアニンの作用の1つです。
ポリフェノールは水に溶けやすく、摂取してすぐにその作用を発揮しますが、効果が長時間持続しないので、コンスタントに摂取し続けることが重要です。
まだまだある!嬉しい成分
食物繊維とポリフェノールの他、レーズンに含まれる成分としては、以下のようなものが挙げられます。
カリウム
ナトリウムとともに体内の体液濃度の調節をしています。むくみの解消・高血圧の予防や改善・利尿作用などがあります。よく汗をかく人や、インスタント食品や加工食品を多く摂取する人は、特に積極的に摂取したい成分です。
鉄分
貧血の予防に必要不可欠な成分です。レーズンには鉄分の運搬に関与する銅も含まれており、貧血の予防・改善をサポートします。
カルシウム
骨や歯を丈夫にするだけでなく、体液をアルカリ性に保ち、免疫力を保つなど様々な働きをしています。神経や筋肉の興奮の抑制・ホルモンの分泌・鉄の代謝補助など、身体にとって重要な働きをしているため、不足すると身体の機能維持に支障が生じることがあります。
マグネシウム
高血圧を防ぐ・心臓の病気を防ぐ・脂質の代謝を改善し、動脈硬化を予防する、など様々な作用があります。
また、ダイエット効果としては、便秘の改善に効果が期待できます。
皮ごと食べられることがポイント!
果物に含まれるポリフェノールは、紫外線を浴びる果皮に多く含まれています。
ブドウの場合も同様で、皮をむいてしまうとポリフェノールの作用を得ることはできません。そのため、ポリフェノールの作用を期待するなら、皮ごと摂取する必要があります。
通常、ブドウの皮を食べることはあまりありませんが、レーズンは意図せずに果皮をそのまま摂取できます。また、乾燥させることによりかさが減り、量を多く食べられるため、より多くのポリフェノールを効率的に摂取できる点もおすすめポイントです。
ブドウの持つ栄養を丸ごと摂取し、ダイエットに役立てましょう。
血糖値の上昇を抑制する「お酢」
お酢にはダイエットにうれしい効果があります。
血糖値の上昇を緩やかにする
干しブドウ酢ダイエットで用いるお酢は「リンゴ酢」です。
研究によると、食事の時に大さじ1杯のリンゴ酢を飲むだけで、食後の血糖値の上昇を抑制できると言われています。
これは、近年問題視されている「血糖値スパイク」を抑制することにもつながります。
血糖値スパイクとは、食後の血糖値が急上昇し、血糖値の推移グラフがスパイク(クギ)のような形を描く状態を指します。食後の血糖値が急上昇し、インスリンの過剰分泌により急下降することで、今度は低血糖を起こすこともあり危険です。
食後しばらくしてからの急な空腹感や強い眠気は、血糖値スパイクによるものである可能性があります。血糖値の急上昇と急下降を日常的に繰り返すことは、糖尿病や動脈硬化などのリスクを高めます。
血糖値の上昇を抑えるカギは、リンゴ酢に含まれる「酢酸」です。
この作用により、摂取した食品が胃から腸へ運ばれる移動速度が遅くなるとされています。この作用だけでも血糖値の上昇速度は緩やかになりますが、お酢はデンプンがブドウ糖に分解されるのを防ぐので、糖が吸収されにくくなり、より効果的に血糖値の上昇が抑えられます。
さらに、酢によりブドウ糖の筋肉への取り込みが促進されるので、血中のブドウ糖濃度が低下します。これにより、肥満型の糖尿病の人に見られる「インスリン抵抗性」の改善効果も期待できます。
血糖値上昇を抑制することがダイエットのカギ
食物繊維とポリフェノールが豊富に含まれるレーズンですが、さらに、リンゴ酢と組みわせ、食前に摂取することが、食後の血糖値の急上昇を抑制するポイントとなります。
血糖値の上昇は脂肪の蓄積を促す
食事から摂取した糖は、通常は身体のエネルギーとして利用されます。三大栄養素(糖・タンパク質・脂質)の中で最も利用されやすいものが糖です。
食事から糖を摂取すると、血液中の糖の量が増えます。すると、インスリンが働き、さまざまな器官に糖を取り込むなどして、血中の糖を減らそうとします。
この時、余った糖は脂肪として身体に蓄えられます。
問題は、糖が脂肪として蓄積されると、エネルギーとして利用されにくいと言う点です。
インスリンの分泌を抑制すると、脂肪を蓄えにくい
余った糖は脂肪として蓄えられているのに、食事のたびに新たな糖が取り込まれます。
すると、後から入ってきた糖が先にエネルギーとして利用されるため、先に蓄積された脂肪はそのままになり、さらに余った分が脂肪として蓄積されていきます。
このチェーンを断ち切るためには、食後の血糖値の上昇をなるべく緩やかにすることです。するとインスリンが躍起になって血中の糖を除こうとすることがないため、不必要に脂肪を蓄積させることを防ぐことができるのです。
干しブドウ酢の作り方は?
それでは、いよいよ干しブドウ酢を作ってみましょう。
<準備するもの>
・蓋つきの保存容器
数日間常温に置く必要があるため、容器はあらかじめ消毒しておくことをおすすめします。ガラス瓶などの場合には、容器が浸かる程度の水を鍋に入れ、容器を入れて水から煮て煮沸します。プラスチック製の容器の場合には、キッチン用のアルコールを噴きつけて消毒しておきましょう。
<材料>
- レーズン100g
- リンゴ酢50ml程度
- はちみつ大さじ2程度
<作り方>
- 容器にお酢とはちみつを入れ、混ぜ合わせます。
- 1にレーズンを加え、レーズンが浸かるようになじませたら蓋をします。常温に2~3日置いた後、冷蔵庫で1日冷蔵したら出来上がりです。
保存期間は、冷蔵で1カ月程度です。暑い季節は特に雑菌の繁殖に注意しましょう。
干しブドウ酢を作る時の注意点
干しブドウ酢に用いるレーズンは、オイルコーティングされていないものを選びます。
レーズンのパッケージの裏面にある原材料欄を見ると、原材料に「植物性油脂」と書かれているものがあります。これは、レーズンを油でコーティングしたものです。オイルコーティングされたものはお酢が浸み込みにくいため、原材料欄に植物性油脂と書かれていないものを選びましょう。
また、オイルコーティングされていないレーズンが手に入りにくい時は、レーズンを40度以上のぬるま湯につけてさっと洗ってからザルに上げ、乾燥させてからお酢につけるようにしましょう。
そのまま食べるだけでなくアレンジを!
干しブドウ酢を長く続けるために、レーズンをそのまま食べるだけではなく、アレンジを加えるのもおすすめです。
サラダのトッピングに用いて、食事の際に一番はじめに食べれば、干しブドウ酢の効果が期待できます。
また、ヨーグルトに混ぜて朝食のはじめに食べるのもよいでしょう。
グラノーラのトッピングに加える人もいるようです。
ヨーグルトに混ぜるとお酢の酸味が緩和されるので、お酢の酸っぱさが苦手な人におすすめです。
干しブドウ酢を作る際に使用するはちみつをメープルシロップに変えるなどのアレンジも、風味が変わって楽しいですよ。工夫をして、長く継続していきましょう。
干しブドウ酢でダイエット効果が?アレンジして楽しく!のまとめ
ダイエットと言うと、特別なことをしたり、我慢をしたりする必要があるためつい身構えがちです。その点、普段の食事にプラスするだけの「干しブドウ酢ダイエット」なら、気軽に取り組めそうですね。この方法は、血糖値の上昇を抑え、腸内環境を改善することがダイエットにつながります。長く続けることで効果が表れますので、是非継続して理想のボディになってください。