お酢にはダイエット効果も期待できると最近話題になっています。お酢は冷え性改善や美肌効果、ともすればアレルギー体質の改善にも効くとされ、90年代には「飲む酢」がちょっとしたブームになり、「りんご酢」などがよく売れました。ご多聞に漏れず、筆者もよく母親に飲まされていたものでした。そして00年代にはカプセル型の「飲む酢」が登場し、爆発的に普及していきます。
そして現在、かつて隆盛をきわめた「飲むお酢」のブームはいったんは落ち着いたかのようにも思えます。しかし近年では、従来とは違ったアプローチで「お酢」にスポットが当てられはじめ、「お酢にはダイエット効果がある」という評価がなされています。「お酢がダイエットにいいことは聞いたことあるけど、具体的なことはわからない……」本記事は、そんなあなたに「お酢ダイエットの効果」を紹介していきます。
お酢のダイエット効果とは?
簡単で人気のお酢ダイエットの効果をみていきましょう!
肥満抑制作用
お酢には
- 腹腔内脂肪蓄積量
- 脂肪滴の蓄積量
を大幅に抑制するという効果があります。まさに、肥満を抑制してくれる働きです。
さらに、血液中の
- 中性脂肪
- コレステロール値
の大幅な改善効果も見込めるとのこと。お酢を摂取するだけで脂肪を抑え込むことができるのは何よりですね!
参考:「酢酸の生理機能性」
エネルギー代謝の増加
脂肪の蓄積を防ぐだけではダイエットの目的を達成できませんね?そうです、たまった脂肪を”燃焼”させなければ、脂肪の減少にはつながらないのです。
そこでお酢の酢酸の登場です。酢酸には脂肪代謝(=脂肪の燃焼)を促進する働きがあるのです。
蓄積を防ぐ入り口の部分と代謝を促進する出口の部分、この両サイドで脂肪に働きかけることが強力なダイエット効果を期待させてくれるのですね。
参考:「酢酸の生理機能性」
血糖値上昇の抑制効果
お酢には食後の血糖値の上昇を抑えるという働きもあります。
血液中の糖はインスリンの働きにより、
- すぐにエネルギーとして消費される
- グリコーゲンとして蓄えられる
- 脂肪として蓄積される
という変化をたどりますが、ダイエットで問題になるのが3です。
糖は生命を維持するためのエネルギーとしてなくてはならないものですが、その一方で脂肪として蓄積されかねない危うい一面も持ち合わせているのです。
血糖値の上昇を抑える働きは、脂肪の原料になりかねない糖の供給量を抑えることを意味します。このような形でも酢はダイエットに貢献してくれるのですね。
また、食酢の血糖値の上昇を抑える働きは、血糖値の上昇の度合いが高ければ高いほどその効果が発揮され、正常値では目立った変化が見られないという特徴があります。
糖尿病など血糖値の調整が上手くいかない症状のお持ちの方は低血糖症で命の危険にさらされることがありますが、お酢に関してはこの心配はしなくてよさそうです。
内臓脂肪減少
「みなさん、内臓脂肪って知っていますか?体の中にある内臓の周りにつく脂肪のことです。これが溜まると、高血糖や高血圧などを引き起こし、最近、いろんなところで耳にするメタボリックシンドロームにつながるんですね。お酢には毎日継続的にとることで肥満気味の方の内臓脂肪を減少させる働きがあることが、科学的に証明されました。同時に、体重、BMI(※2)、血中中性脂肪、及び腹囲を下げる作用があることも確認されました。さあ、お酢で健康的な体を目指しませんか。」
ダイエットの目的と言えば、身体についた余分な脂肪を落とすことにありますね?驚くべきことに、この酢酸には内臓脂肪を減少させる効果があるのです。何よりも嬉しいダイエット効果ではないでしょうか?
身体の脂肪は大きく
- 皮下脂肪
- 内臓脂肪
の2つに分けられますが、厄介なのはこの内臓脂肪!内臓脂肪は、糖尿病や高血圧などの”生活習慣病”を引き起こす原因となる脂肪です。
毎日の継続的なお酢の摂取が内臓脂肪の減少に役立ってくれるのは、ダイエットのみならず、健康の維持という観点でも心強いですね。
お酢ダイエットの効果的な飲むタイミングとは?
運動前に飲む
みなさんも、身体の脂肪を効率よく燃焼させるにはウォーキングなどの有酸素運動が最も効率が良い、というお話を聞いたことがあると思います。
お酢に含まれる酢酸には脂肪の燃焼効率を高める働きがありました。
そのメカニズムを細かく見ていくと、筋肉組織のミオグロビンの量を増加させることが脂肪代謝の促進につながっているようです。そして、このミオグロビンは脂肪などからエネルギーを産生するミトコンドリアに酸素を供給する働きを担っています。
このことから、有酸素運動時の脂肪燃焼効果をより高めるには運動前の摂取がおすすめなのです。
運動後に飲む
お酢のメインとなる成分は酢酸ですが、他にも
- アミノ酸
- クエン酸
などが含まれています。この2つの成分には疲労回復を助ける働きがあるので、運動後に摂ると疲れを持ち越さずに済むようになります。
ダイエットのために運動をされている方は、運動前と運動後に飲むのが一番効率がよさそうです。
食前に飲む
お酢には血糖値の上昇を抑える働きがありましたね?血糖値が上がりやすいのは、食事が終わってしばらくしてからです。
なので、血糖値の上昇を抑える働きを最大限に活かすには、食事の前に飲むのがポイントです。
こうすることで、脂肪の原料となる糖の総量が抑制され、肥満抑制効果もよりいっそう期待できるようになるのです。
寝る前に飲む
寝る前に飲むと疲労回復の効果が期待できます。
疲れが溜まっている方にはおすすめですが、ダイエット効果を出すなら運動前などがおすすめです。
毎日摂り続ける
お酢のダイエット効果の1つに「内臓脂肪を減らす」というものがありましたが、これは”毎日継続”して摂ることでその効果が現れるというのです。
途中で辞めてしまって内臓脂肪が”リバウンド”するようなことがあってはもったいないですね?
お酢に限らず、ダイエットは続けることが成功への第一歩になります。コツコツと続けてお酢の健康効果を堪能することにしましょう!
お酢の種類とは?
お酢の特徴は強烈な酸味にありますね?この酸味の素となる成分が酢酸と呼ばれるものです。
お酢と一言で表現していますが、お酢にはおなじみの穀物酢を始め
- 黒酢
- 米酢
- りんご酢
- ワインビネガー
- バルサミコビネガー
などたくさんの種類があります。
種類によって含有量に差はありますが、どのお酢にも間違いなく含まれているのが酢酸です。
お酢ダイエットの注意点は?
ダイエットに嬉しい働きが期待できるお酢ですが、注意点が何点かあります。
お酢は酸味がその特徴ですが、強い酸性であることから
- 胃を荒らしてしまう
- 歯のエナメル質を溶かしてしまう
といった悪い影響を及ぼしかねないのです。
ではどうやって対策していけば良いのでしょうか?
摂り過ぎに注意
多くの健康効果が見込めるお酢ですが、気を付けなければならないのが”摂り過ぎ”です。
摂り過ぎると胃腸の調子を悪くしてしまう可能性があるので、商品の注意事項には目を通し、目安となる摂取量は把握しておきましょう。
メーカーが推奨する摂取量は、1日大さじ1杯(15ml)前後です。クセになるとついつい飲み過ぎてしまいますが、身体に負担がかからないように目安は守っておいた方が良いですね!
薄めて飲む
特に運動の前に摂り入れようと思う方は、胃の内容物も少ないことがほとんどでしょうから、特に気を付ける必要があります。
ただ、お酢は薄めても酢酸の働きがなくなることはないので、飲む際には充分に薄めたものを飲むようにしましょう。
市販のドリンクは飲みやすく調整されていますが、ご自分でお酢を薄めて手作りしているような方はこの点に注意しましょう。
口をすすぐ
絶対に、というほどの注意ではありませんが、お酢が濃い目の飲み物や食べ物を口に入れたときは口をすすぐようにしましょう。
これは、口に残ったお酢の成分が歯に悪い影響を与えないようにするためです。
おすすめのお酢は?
お酢の中でもっともなじみ深いのは「穀物酢」でしょうか?一般的にお酢は穀物酢のことを指しますが、皆さんご存知のように、お酢には様々な種類があります。
お酢の主な成分は酢酸ですが、これはどのお酢にも共通して含まれているので、内臓脂肪の燃焼効果はどの「お酢」にも期待できるのは間違いありません。
となると、おすすめのお酢は酢酸以外の成分が決め手になりそうです。
米酢
米酢は穀物種の一種で、クエン酸が豊富に含まれているのが特徴です。
クエン酸には疲労回復効果があるので、運動疲れや仕事疲れなど、疲労感を感じた時に飲むのがおすすめです。
黒酢
最近よくCMで目にする「黒酢」!黒酢には
- アミノ酸
- ミネラル
- ビタミン
などの成分が豊富に含まれています。
アミノ酸はタンパク質を構成する栄養素ですが、人間の体内で一番タンパク質が多い部位が筋肉です。そして、何もしなくてもカロリーが消費される「基礎代謝」は筋肉量に比例します。
アミノ酸が豊富な黒酢を飲む、ということは”筋肉”を飲んでいると言えそうです。
もちろん、筋肉を付けるにはトレーニングが必要になりますが、健康的な肉体作りと脂肪の燃焼との両立を目指すには黒酢が欠かせませんね!
りんご酢
文字通り、りんごを原料にして作られるのがりんご酢です。りんご酢は他のお酢と比べると「カリウム」が多いのが特徴です。
カリウムにはナトリウム(塩分)を排泄する働きがあります。塩分の摂り過ぎが気になる方におすすめです。
おすすめのお酢の結論は?
数多くあるお酢のなかでも、皆さんもご存知の3種類のお酢について触れました。
どのお酢も主成分が酢酸であることに変わりはないので、どれをとっても脂肪燃焼効果が認められるのははっきりしています。
そうであれば、どれか1つに、と決めるのではなく、その時々の状況に応じて柔軟に選ぶのが「お酢」ダイエットに大切なことかもしれません。
何ごともバランスが大切と言われますが、これはお酢ダイエットにも当てはまりますね!
お酢ダイエットのポイントとは?
「飲むお酢」が流行っていることから、”飲む”ことに意識が行く人も多いかと思いますが、お酢は「さ・し・す・せ・そ」の「す」に当たる調味料!
飲むというやり方に限らず、
- 酢豚
- 酢のもの
- 甘酢あんかけ
などなど、いろんな献立から摂り入れるものも含めて「毎日15ml」摂るようにすれば大丈夫です!こう考えると、ハードルは低くなりますね?
毎日欠かさず摂り続けることが、内臓脂肪の減少をはじめとしたお酢のダイエット効果を最大限に活かすやり方です。美味しさも追求しながら、お酢ダイエットに挑戦してみてはいかがでしょうか?
他にも
- 酢大豆
- 酢納豆
- 酢ショウガ
- 酢キャベツ
など、他のダイエット食材との組み合わせ自由度も高いのもメリット!
多くの種類をMIXすると、飽きずに続けられますね!
お酢ダイエットの効果的なやり方は寝る前?痩せた人はいつ飲んでいる?のまとめ
昔から健康ブームを牽引してきた「お酢」。今日では、ダイエット食品としても高い評価を受けています。
お酢には主として、
- 内臓脂肪減少効果
- 肥満抑制効果
- エネルギー代謝上昇効果
- 血糖値抑制効果
があります。内臓脂肪を減らしたり、脂肪蓄積を抑制する働きは、普段の食事の太るリスクを軽減してくれます。
また、エネルギー代謝を高める機能は脂肪燃焼効率を高めてくれることを意味するので、ダイエット運動と合わせれば相乗効果を発揮します。
血糖値が上昇すると脂肪が蓄積しやすくなってしまうので、食前に血糖値の上昇を抑制する効果のあるお酢を飲むと太りにくくなります。
全体的にみると、お酢には太るリスクを軽減する諸効果があると結論できますね。
このお酢を使ったダイエットはとても簡単!運動前や運動後にお酢を飲んだり、食前に飲んだりするだけでOKです。誰でも気軽に実践できるので、根強い人気があるのも納得ですね!