隔日ファスティングとは、1日おきに行うファスティング(断食)を続けることでダイエットを行うことです。では隔日ファスティングには具体的にはどういう方法があるのでしょう。始める前に、隔日ファスティングが具体的にどのようなものか、安全性や方法などを紹介します。
隔日ファスティングとは?
まずファスティングとは、プチ断食のようなもので一定の間食事をせずに過ごします。
食事をしないことで体内の吸収や消化の活動を休ませられます。
また体内に含まれる余計な物質や水分を排泄する効果が高まるため、腸内環境が改善し体内がリセットできることが期待されている物です。ファスティングには16時間から1週間までいろんな期間がありますが、1日おきに行うことを隔日ファスティングと呼びます。
ファスティングは期間が長ければ長いほど上級者向けで、サポートが必要な場合がありますが、隔日ファスティングは比較的初心者でも受け入れやすく、効果を求めたい方にはお勧めの方法です。
隔日ファスティングの方法とは?
隔日ファスティングは1日おきに食事方法が変わります。
ファスティングの日は断食して、翌日は好きなものを食べる。その次の日はまた断食というのを繰り返します。
ただ、断食の日でも全く口にしないわけではなく、あくまでカロリーの無い飲み物であれば自由に飲めます。
具体的には、水や紅茶、無糖のコーヒーについては問題ないとされ、目安としては空腹時に女性は500カロリー、男性は600カロリー、エネルギーの必要量の20から25%程度は飲むだけでなく食べることも問題ないと言われます。
隔日ファスティングの食事の例
上記でも書いた通りファスティング(断食)の日も何も食べないというのではなくカロリーを控えれば食べることができます。
では具体的にどんな食事で過ごせばよいでしょうか?
細かいガイドラインはありませんが、概ね次のような食事をすることが良いとされます。
- ヨーグルトとベリー系の果物
- 魚または赤身の肉のグリルと野菜
- 野菜と玉子
- 1個の果物とスープ
- サラダと赤身肉または魚
こちらは一例ですが、ようするに低カロリーの野菜や栄養価が高い高たんぱく質食品をメインに食べることが良いとされます。
カロリーが低くても満腹になると考えられるとされ、その結果苦痛なくファスティングを続けることができます。
またファスティング時の食事は1日の終わりに一度だけ食べるというパターンが主流ですが、逆に早い時間に食べる、量を少なく数回に分けて食べる場合もあり、特に決まりごとはないので食べ方は自分の好みに合わせましょう。
オートファジーと隔日ファスティングとの関係とは
隔日ファスティングを行う際に、オートファジーとの関係を知っておくとよいでしょう。
オートファジーとは細胞自身が持っている細胞内のたんぱく質を分解して再利用する仕組みのことで、人の他の動物、酵母などの真核生物にある機構です。
具体的には細胞内のたんぱく質の余計なリサイクルを防止し、たんぱく質のリサイクルを行い、病原微生物の排除をします。
細胞研究によればオートファジーと断食(ファスティング)との関係が健康維持や寿命を延ばす効果があることがわかっています。
つまり1日おきに行うファスティングを行えば、オートファジーを刺激し、それは老化を遅らせ、心臓病や癌などの成人病の予防に役立つといわれています。
隔日ファスティングと飢餓モードとの関係とは
ダイエットには「飢餓モード」という言葉があります。
飢餓モードとは食事制限を行うダイエットを続けると起こりうる状態で、例えば基礎代謝を下回るような低カロリー食を数日続けると起こりうる現象です。
低カロリーが続くと血糖値が維持できなくなり、栄養不足により脳がこん睡状態に陥るのを防ぐためのモードです。
飢餓モードに入ると脳が食欲中枢を強く働きかけるようになり、食べ物を探すようになります。飢餓モードで食事をしたときには、基礎代謝・消費カロリーが減少し、カロリーが大幅に余ることになりそれが脂肪として蓄積されます。
これは生き続けるためのモードで、飢餓状態になっても脂肪で生きながらえるためのセーフティーモードでもあります。つまり飢餓モードになってしまうと体が消費カロリーを節約してしまい、体重が減らないといった現象が起きてしまいます。
ここで重要なのは飢餓モードにならないように隔日ファスティングが採用されている理由でもあります。
実際の調査結果では単純にカロリー制限ダイエットでは代謝率を数%低下させてしまったのに対して隔日ファスティングは2%以内に収まっており、翌日食事することで飢餓感を体に与えないことで、継続的なダイエットが期待できます。
隔日ファスティングの安全性は?
心配なのが隔日ファスティングの安全性です。
ダイエットは続けると危険なものがけっこう多く、ひとつ間違えると病気になってしまう可能性があります。
しかし隔日ファスティングに関しては、ほぼ安全であるとの研究結果が出ています。
そして意外な効果があります。
例えば、暴食行為は研究によれば隔日ファスティングをすることにより減っていく傾向にあることがわかっていますし、肥満の制限食やイメージ上の体の認知を改善する効果がある可能性もあります。
ただ安全といっても例えば持病がある人や薬がある人は隔日ダイエットによって状況が悪化する可能性があります。
そういう方は始める前に医療関係従事者に相談しましょう。
隔日ファスティングのデメリットは?
安全性は高いとされる隔日ファスティングですが、デメリットもあります。
例えば「空腹の時間」になれるかどうかが最初の関門で、これに成れずに食べてしまうとファスティングになりません。
またファスティングを止めるとリバウンドする危険性があります。
ファスティング中はどうしても身体が生命維持のために脂肪を残そうと代謝が下がってしまうので、終わった瞬間に従来通りの食事に戻すと過剰にエネルギーを吸収して太る原因になってしまいます。また脂肪だけが分解されるのならよいですが、同時に筋肉も減少してしまい、結果的に基礎代謝が下がって痩せにくくなってしまいます。
大切なことは、隔日ファスティングにもデメリットがあるということを理解したうえで、そうならないようにする。
空腹の時間になれるようにして、ファスティングを止めても低カロリーの食事を中心にする。筋肉量が減ったと思えばプロテインを摂取するなどにしてたんぱく質を補うなどです。
隔日ファスティングを止めた方が良い人もいる?
隔日ファスティングはダイエットの中でも安全性が高いと言われていますが、13歳以下の成長期にある子どもや65歳以上の高齢者はファスティングはお勧めできません。
成長期の場合は発育への影響がでて感染症にかかりやすくなりますし、高齢者の場合は栄養不足に陥って体調不良になる可能性があります。
また妊娠中の人も胎児への影響があるので隔日ファスティングを控えましょう。
隔日ファスティングのダイエット効果とは?気になるやり方は?のまとめ
隔日ファスティングは、1日おきに行なうファスティング(断食)で、ファスティングの日も低カロリーの食事を行えます。安全性も高いので初心者にお勧めですが、やり方を間違えるとリバウンドなどのデメリットがあるということ、成長期の子どもや高齢者にはお勧めできないなど注意が必要です。