黒豆茶はお正月によく食べるあの黒豆を使ったお茶の事ですが、ダイエットにも嬉しい効果があるのでしょうか?黒豆茶を飲むタイミングや作り方などをダイエット情報と合わせてご紹介いたします。
黒豆茶のダイエット効果はあるのでしょうか?お正月が近づくと、毎年店頭に並ぶある食品である黒豆ですがが、1年を通じて人気を博すようになっています。古くから利用されてきたお節の素材の黒豆を煮出した黒豆茶が、その美容効果により女性に注目されています。黒豆茶の持つ効果とは?効率的に黒豆の成分を摂取できる黒豆茶の作り方とともに、詳しくご紹介します。
古くより薬用茶として利用されてきた「黒豆茶」
「黒豆」とは種皮にアントシアニンを含む大豆の仲間です。大豆と同じ栄養素の他、アントシアニンによる作用が期待できます。
黒豆の原産地は中国ですが、平安時代にはすでに日本国内で栽培が行われていたとされています。
また、古くは黒豆を食用ではなく、薬用茶として利用していたと言われています。
黒豆茶には、もともと血の巡りをよくし、むくみを改善する効果があります。
この黒豆茶がダイエットによいとされるのは、むくみの改善のみならず、ダイエットサポート成分が豊富に含まれているためです。
黒豆茶の成分とその効果とは?
黒豆を煮出した黒豆茶には、健康とダイエットにうれしい成分が含まれています。
アントシアニン
アントシアニンは、ポリフェノールの1つです。
紫外線やウィルスなどから自身を守るために、植物が体内で作り出すフィトケミカルの一種で、抗酸化力が非常に強いことで知られています。
このアントシアニンは視覚機能の改善効果でよく知られますが、ダイエット分野でも高い効果が期待できます。
アントシアニンには、内臓脂肪蓄積を抑制する作用があります。
メタボリックシンドロームの予防効果が報告されている他、様々なダイエット効果が期待できます。
脂肪を作らせない
アントシアニンの摂取により脂肪の合成が低下することもわかっています。
これにより、内臓脂肪とともに、血液中の脂肪の蓄積が予防できます。
血糖値の上昇を抑制
アントシアニンには、血糖値の上昇を抑制する作用があることがわかっています。
血糖値が上昇すると、インスリンが分泌され、血液中の糖を処理します。
この際に、余った糖は脂肪細胞に送られ、体脂肪として蓄積されます。
アントシアニンの摂取により血糖値の上昇を抑えることができれば、体脂肪の蓄積を抑制できるため、ダイエット効果が期待できます。
血流を促進
アントシアニンには、血行をよくする作用も期待できます。
そのため、血流がよくないことによる冷えや、むくみの改善に効果が期待できます。
老化抑制
アントシアニンをはじめとするポリフェノールには、抗酸化作用があります。
特に、アントシアニンの抗酸化作用は強く、活性酸素による細胞の酸化を抑制し、老化を抑制します。
細胞の酸化は、身体の老化だけではなく、様々な病気の原因にもなります。抗酸化作用の強い物質を摂取することは、健全な身体を保つためにも重要です。
イソフラボン
イソフラボンは、マメ科の植物に多く含まれる、ポリフェノールの一種です。
イソフラボンにも、アントシアニンと同様に強い抗酸化作用があり、活性酸素を抑制して身体の酸化を防ぎます。
また、イソフラボンには、他のポリフェノールにはない特徴的な作用があります。
女性ホルモンと同じ働きをする
イソフラボンは、女性ホルモンの1つである「エストロゲン」と同様の作用があることで知られています。そのため、イソフラボンを摂取することが、女性らしい身体の維持のサポートになると考えられます。
エストロゲンの調整作用
イソフラボンには、エストロゲンと同様の作用を持つことにより、不足したエストロゲンを補ってくれる他、エストロゲンの分泌量が過剰にならないよう、調整する作用もあるとされています。
美肌効果
エストロゲンは、女性の肌の美しさにも関わるホルモンです。
エストロゲンと同じ働きをするイソフラボンには、肌の弾力性を保ち、しわを改善する効果が期待できるとされています。
血中コレステロールを減らす
イソフラボンには、血液中に増加しすぎたコレステロールを低下させる作用があることがわかっています。
イソフラボンの摂取により、動脈硬化や心筋梗塞のリスクが低下します。
骨粗鬆症の予防
イソフラボンには、骨中のカルシウムが溶け出すのを防ぐ作用があります。
加齢によりエストロゲンの分泌量が低下すると、骨からカルシウムが溶け出しやすくなります。イソフラボンを摂取することにより、これを抑制できるため、加齢による女性ホルモン分泌量の低下に伴う、骨粗鬆症予防に効果が期待できます。
更年期症状の改善
女性は閉経に伴う女性ホルモンの分泌量低下により、様々な症状に悩まされます。特に、閉経前後10年ほどは「更年期」と呼ばれ、ホルモンバランスの急激な変化により心身ともに不快な症状が表れ「更年期障害」と呼ばれます。
イソフラボンには、これらの症状を和らげる作用が期待できます。
黒豆茶を飲むなら煮出すタイプがおすすめ
黒豆茶には、黒豆に含まれる成分が含まれています。
ただし、効率よくこれらの成分を摂取するためには、黒豆茶を作る際の方法にポイントがあります。
黒豆茶には、
- 「煮出してお茶を作るタイプ」
- 「熱湯を注ぐタイプ」
- 「煮出した後に黒豆を浸けたままにしておくタイプ」
などがあります。
この中で、黒豆茶に含まれるアントシアニンとイソフラボンをより多く摂取できるタイプは「煮出して作るタイプ」です。
熱湯を注ぐだけよりも多くの成分が溶け出すため、黒豆茶は煮出すタイプを選ぶのがおすすめです。
また、煮出した後にお茶に黒豆を浸けたままで放置すると、アントシアニンが減少することがわかっています。反対に、イソフラボンは煮出した後に放置することでより多くお茶に溶け出すことがわかっています。
どちらを優先するかによって、煮出してすぐに黒豆を取り出すか、煮出して放置するかを決めればよいでしょう。
ダイエット効果を優先するならば、アントシアニンの含有量が多い方がおすすめです。
なお、煮出し時間は10分ほどがおすすめです。
黒豆に含まれるアントシアニンは10分程度の煮出し時間で完全に溶け出します。イソフラボンは、長く煮出すほど溶け出す量が増えますが、煮出し時間が20分を超えたあたりからアントシアニンの量が減少しはじめるため、煮出し時間は長くても20分程度にとどめるとよいでしょう。
黒豆から黒豆茶を作る方法
市販の黒豆茶ではなく、黒豆を煮出す方法もあります。
- 黒豆はひと晩水に浸けておきます。水に色素が溶け出すため、水の色が赤紫色になりますが、水は捨てずにそのまま火にかけます。
- 沸騰すると、泡が出てきます。これは黒豆に含まれるサポニンによるものです。通常アクを取りますが、ここではアクは除かなくて大丈夫です。
- 10分ほど煮出し、ザルで濾して煮汁と豆に分けます。
- 粗熱が取れたら、冷蔵庫で保存します。
*黒豆茶は1日数回、飲む際に温めて飲みます。作った黒豆茶は、2日ほどで飲み切るようにしましょう。
*お茶を煮出した黒豆は、そのまま食べるか、料理に利用するなどして摂取しましょう。
黒豆茶を飲むタイミング
黒豆に含まれるアントシアニンには、肝臓での糖代謝を促進し、血糖値の上昇を抑制する作用があるとされています。
ダイエット効果を期待する場合には、食前や食事中に飲むのがおすすめです。
食事とともにアントシアニンを摂取することで、食後の血糖値上昇を効果的に抑えることができるとされています。
大豆イソフラボンを添加したものには注意
黒豆茶には、イソフラボンを添加したものがあります。
無添加の黒豆茶の場合は、特に意識することなく飲用することができます。
しかし、イソフラボンを添加したものをダイエットサポート用に摂取した場合、1日のイソフラボンの摂取量の上限値を大幅に上回る可能性があります。
イソフラボンを高濃度に含む食品の摂取には注意が必要ですので、できればイソフラボンを添加していないものを選ぶのがよいでしょう。
まだまだうれしい効果が♪黒豆茶を煮出した後の豆も利用しよう!
黒豆茶として成分を抽出した後は、残った黒豆も食べるのがおすすめです。
黒豆にはダイエットのサポートをしてくれる、うれしい成分が豊富に含まれています。
大豆ペプチド
大豆ペプチドには、体脂肪の燃焼を促進する作用があることがわかっています。
そのため、大豆ペプチドを摂取するとともに運動を行うことで、体脂肪を効率的に燃焼させることができると考えられます。
また、大豆ペプチドには脳をリラックスさせる効果もあるため、ダイエット中のイライラの軽減にも効果が期待できます。
レシチン
レシチンはリン脂質の一種で、細胞膜において重要な役割を担う物質です
黒豆にはこのレシチンが含まれており、摂取することにより血液中のコレステロールを柔らかくし、硬化するのを防いでくれます。これが動脈硬化など、血中コレステロールにより引き起こされる病気を予防すると考えられています。
また、レシチンは悪玉コレステロールが合成されるのを抑制し、悪玉コレステロールを減らす作用もあります。
レシチンを多く摂取することにより、動脈硬化を予防し、血流がよくなることによる代謝の向上が期待できます。
サポニン
サポニンは、植物の根や茎に含まれる、苦みやえぐみのもととなる配糖体の一種です。
特に、豆科の植物に多く含まれ、大豆に含まれるサポニンを「大豆サポニン」と呼んでいます。黒豆に含まれるものは、この大豆サポニンです。
大豆サポニンには、腸で吸収したブドウ糖が脂肪と結びつくのを抑制し、脂肪の蓄積を抑える作用があります。これにより、肥満予防に効果があるとされています。
また、血中コレステロール値を低下させる作用や、血流を改善する効果もあるとされています。
食物繊維・オリゴ糖
黒豆には、食物繊維や大豆オリゴ糖が含まれています。
特に、食物繊維は水溶性食物繊維・不溶性食物繊維のどちらも豊富に含まれています。
水溶性食物繊維には、水を多く抱え込み、胃に長くとどまる性質があります。これにより、食物の消化吸収が緩やかになり、血糖値の上昇が穏やかになる効果が期待できます。
また、不溶性食物繊維は便量を増やし、腸の蠕動運動を活発にし、便通をスムーズにする性質があります。
これらの食物繊維の作用とともに、大豆オリゴ糖が腸内の善玉菌のえさとなるため、腸内環境が改善されることが期待できます。
腸内環境のよしあしは、ダイエット効果に如実に影響するため、ダイエットの際は、腸の状態にも目を向けるようにしましょう。
ミネラル
黒豆には、鉄分をはじめとした様々なミネラルがバランスよく含まれています。そのため、日常的に黒豆を摂取することにより、貧血の改善などの作用が期待できます。
黒豆茶と一緒に黒豆も摂取し、ダイエット効果アップを狙うとともに、健康的な毎日を目指しましょう。
黒豆茶ダイエットに組み合わせてプラスの効果!おすすめ食材は?
黒豆茶は毎日飲みたい健康ドリンクです。
お気に入りのアレンジ方法を見つけて、毎日飲む習慣を。
ココナッツミルク
黒豆茶1杯にココナッツミルクを20~30mlを加えて飲みます。
ココナッツの風味で満足感が得られるため、小腹が空いた時のおやつ代わりにもおすすめです。
また、ココナッツミルクには、中鎖脂肪酸が豊富に含まれるため、摂取することで脂肪の燃焼が促進されると言われています。黒豆茶とともに摂取することで、ダイエット効果が高まることが期待できます。
さらに、黒豆とココナッツミルクを組み合わせることで免疫力が高まるとされており、冬場の風邪予防にも効果的です。
ヨーグルト
黒豆茶にヨーグルトを大さじ1杯ほど加えるのもおすすめです。
ヨーグルトには乳酸菌が豊富に含まれているため、腸内環境改善効果が期待できます。
また、乳製品を加えることで味わいがまろやかになり、飲みごたえも向上します。
ココア
黒豆茶に大さじ1杯のココアを加えます。
ココアにはカカオポリフェノールが豊富に含まれ、黒豆茶の抗酸化作用がさらにアップすることが期待できます。
また、ココアには「テオブロミン」と呼ばれる成分が豊富に含まれています。テオブロミンには、脳を活性化し、集中力や記憶力を高める作用が期待できると同時に、リラックス効果もあります。
仕事中や就寝前など、ほっとひと息つきたいときにおすすめの組み合わせです。
黒豆茶の効果でダイエット?痩せた口コミから見るやり方をご紹介!のまとめ
黒豆茶は、古くから知られる薬用茶です。むくみに対しての薬効があることは昔から知られていましたが、現在ではダイエットにうれしい様々な効果が期待できることが解明されています。黒豆茶は、特に女性におすすめしたい健康茶です。冷えやむくみを改善するとともに、脂肪の蓄積を抑制し、美しく健康的にダイエットしましょう。