みなさんは「もろみ酢」をご存じでしょうか?これは、沖縄の泡盛(あわもり)を生成するさいに得られる「もろみ粕」を圧搾して醸造された、酢の風味と黒糖の甘味を備えたとても美味しい飲み物です。最近、このもろみ酢を活用したダイエットが話題になっています。
お酢が美容健康に良いということは昔からよく知られていましたが、もろみ酢はどうなのでしょうか?気になるもろみ酢ダイエットの効果について、詳しく見ていきましょう!
もろみ酢とは?
もろみ酢とは泡盛を製造する際に生じた”もろみ粕”を濾過したものです。
「酢」という漢字が使われていますが、お酢の主成分の酢酸が含まれていないという特徴があります。
酢酸の代わりに豊富に含まれているのがクエン酸やアミノ酸で、そのために口当たりが柔らかく、清涼飲料水として親しまれています。
飲み方も人それぞれで、砂糖を入れて飲む方とそのままぐいっとストレートで飲む方と、大きく2つに分かれます。
もろみ酢の成分とダイエット効果
クエン酸サイクル効果で脂肪燃焼が促進される
クエン酸、みなさんもよく聞く成分ですよね?これは、柑橘系の果物や梅干しにも含まれ、お掃除でも活躍する成分ですが、「糖を代謝」してエネルギーに変換する効果があると言われています。
クエン酸サイクルという聞きなれない言葉が出てきましたが、クエン酸サイクルとはいったい何なのでしょうか?
「クエン酸サイクルとは、生命がエネルギーを作り出すための体内燃焼システムのことで、イギリスに住む生化学者「ハンス・アドルフ・クレブス博士」によって発見され、クレブス博士はこの功績によって1953年にノーベル医学生理学賞を受賞しました。発見されてから60年以上を経過するクエン酸サイクルですが、この理論の骨格はその後も様々な発見によって補強され、今日にいたってもその根幹はまったく揺らいでいません。」
このクエン酸サイクルが活発になると、糖質、タンパク質、脂質の代謝が向上するため、脂肪燃焼効率が高まるのです。
代謝機能を向上させる作用は、身体のガソリンとなるエネルギーの消費量が多くなることを意味するため、その原料である脂肪の燃焼効率が同時に高まることになります。
脂肪の燃焼の促進はダイエットに直結するありがたい働きですね!
コレステロール値を低下
血中のコレステロール値が高い状態を高脂血症といいます。「脂」の字からも、血液がドロドロしている状態が想像できますよね?
先に紹介したクエン酸サイクルの働きの1つに、血中コレステロール値を抑える働きがあります。血中コレステロールが抑制されるということは、血液をサラサラに維持するということと同義です。
血流がサラサラになれば、必然的に代謝が上昇します。代謝は生命を維持する上で必要となるカロリーのこと、代謝が活発になることは消費カロリーの向上につながり、結果として脂肪を燃焼することになるのです。
必須アミノ酸の働き
もろみ酢の特徴にアミノ酸が豊富に含まれることが挙げられます。アミノ酸はタンパク質の原料になるという点で共通していますが、その種類によって働きが違ってきます。
ロイシンが筋肉を維持してくれる
ロイシンと呼ばれる必須アミノ酸は、筋肉を維持する働きがあります。女性は筋肉の大切さをあまり意識しないかもしれませんが、ダイエットを成功させるにはある程度の筋肉量が必要になるのです。
「ロイシンとは、必須アミノ酸のひとつで、食事から栄養分として摂取しなければならない成分です。バリンやイソロイシンとともに、筋肉でのエネルギー源となる BCAA (分岐鎖アミノ酸)に分類され、肝臓の機能を高めて、筋肉をつくり出したり、傷ついた筋肉を修復する働きを持ちます。」
引用:わかさ生活 「わかさの秘密 ロイシン」
人間が生命を維持する活動で必要とするカロリーを基礎代謝と言いますが、この基礎代謝は筋肉量に比例するのです。
何もしなくても脂肪が燃焼していく、ダイエッターにとって夢のような働きを筋肉は黙々とこなしてくれているのです。
トレオニン(スレオニン)が肝臓の脂肪蓄積を抑制
スレオニン スキンケア 腸の働きを高め、消化吸収をよくして、新陳代謝を促す。また肝臓に脂肪が蓄積して脂肪肝になるのを防ぐ。不足すると貧血、成長阻害が起きる。 新陳代謝・成長促進 肝機能促進 引用:ニプロ株式会社 「すこやかネット Vol.26 アミノ酸を効果的に利用しより健やかに、より美しく」
トレオニンはスレオニンとも呼ばれる必須アミノ酸の1つです。成長促進・新陳代謝を活発にする働きがありますが、この2つの働きもカロリーを消費するのは容易に想像できますね?
また脂肪肝になるのを防ぐ働きもあることから、脂肪への直接の作用も期待できそうです。
トリプトファンの快眠効果
もろみ酢に含まれるアミノ酸「トリプトファン」には、快適な睡眠を導入する成分効果があります。しばしば軽視されがちですが、ダイエットには「睡眠」が不可欠です。
では、なぜダイエットに「睡眠」が重要なのでしょう?それは、「質のいい睡眠」が「太りにくいカラダ」づくりに欠かせないからです。
「「成長ホルモン」はその名の通り、骨や筋肉など、体のあらゆる組織の成長と修復を促進してくれるホルモン。美肌づくりにも欠かせません。エネルギーの代謝をコントロールする働きもあり、筋肉をつくって燃えやすい体づくりを助けてくれる、ダイエットの強い味方です。入眠してから3時間くらいまでの時間帯にたくさん分泌され、8時間くらいまで出続けるといわれています。(東京大学生物産業学部食品香粧学科の客員教授:小西さやか氏)」
(引用:livedoorNEWS「睡眠診断付き!眠るだけで痩せやすくなる方法」
この成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されます。わたしたちの身体は、肉体のメンテナンスや維持をするため、寝ているあいだに多くのエネルギーを消費します。
そのさい、足りないエネルギー(燃料)は、蓄えている「脂肪」から調達されます。つまりこれは、睡眠中の「脂肪燃焼」を意味するわけです。
「質のいい睡眠」とはようするに、「身体がメンテナンスをする時間の猶予を十分に確保できる時間」のことなのです。
「質のいい睡眠」を確保する習慣を続けている人は睡眠中でもエネルギー消費が活発なので、“寝ながらダイエット”状態を毎日継続できていることから、結果的に「太りにくいカラダ」をキープできていることになるのです。
ところが、睡眠の質が悪いと、このような睡眠中の脂肪燃焼メカニズムがうまく機能しません。そうすると、身体には脂肪が蓄えられていく一方なので、脂肪の「蓄積」と「消費」が釣り合わなくなり、結果としてブクブク太ってしまうのです。
こうした理由から、睡眠の質がダイエットを左右するという結論に至ります。
もろみ酢に含まれるアミノ酸「トリプトファン」には寝つきを良くする効果があると言われ、「質のいい睡眠」へ導くうえでとても役立つ成分です。
このような形でダイエットに役立ってくれるのです。
筋肉を増やして基礎代謝UP
基礎代謝を左右する筋肉、その筋肉は主にタンパク質から構成されています。そして、そのタンパク質はアミノ酸によって形作られています。
筋肉量を維持・増強するにはアミノ酸の摂取が近道!もろみ酢にはアミノ酸が豊富に含まれていますが、このアミノ酸が筋肉を増強するために欠かせないのです。
筋肉はトレーニングをして負荷をかけることによって増えていきますが、効率よいダイエットにはトレーニングを組み合わせるのが1番です。
トレーニングと並行してダイエットに挑戦しようと思っている方には、このもろみ酢は欠かせない食材ですね!
もろみ酢ダイエットの方法は?運動前に飲むのが効果的!
もろみ酢ダイエットの実践はハードルが低く、誰でもすぐにできます。
1日に大さじ2杯(30ml)のもろみ酢を飲むだけです。
もちろん、一度に飲む必要はありません。また、飲む時間もそれほど気にしなくても大丈夫です。
ただ、より効果を上げるのであれば、トレーニングの前やトレーニング中に摂取するのがおすすめです。
これで、筋肉量の増強が期待できます。
ただ、もろみ酢ダイエットに限らず、ダイエットは全般的に「継続する」のが成功の秘訣なので、飲み忘れることがないよう、決まった食事の後に飲むのも良いですね!
ただ、空腹時に飲むと、含まれる「酸」のせいで胃腸が荒れてしまう可能性もあるので、気を付けるようにしましょう。
もろみ酢のダイエット効果の秘密はクエン酸とアミノ酸!効果的な飲み方は?のまとめ
”酢”という漢字が使われていることから、「お酢」の一種と勘違いされることの多い”もろみ酢”。ですが、お酢とは全く別のもので、もろみ酢は酢酸が含まれていないので飲みやすいという特徴があります。
酢酸の代わりに豊富なのがクエン酸やアミノ酸で、これらが嬉しい効能を持っています。
クエン酸は「糖を代謝」してエネルギーに変換する効果があると言われています。糖質、タンパク質、脂質の代謝が向上するため、脂肪燃焼効率が高まるのです。
豊富なアミノ酸はそれぞれ嬉しい働きをしてくれます。
ロイシンは筋肉を維持する働きが、トレオニン(スレオニン)が肝臓の脂肪蓄積を抑制、トリプトファンの快眠効果など、筋肉を増やして基礎代謝を上げるのにもってこいです。
ダイエットには大さじ2杯のもろみ酢を毎日継続的に飲むように心がけましょう。運動前だとさらに効果が見込めますよ。