みなさんは「しらたき」はお好きですか?筆者は子供の頃はまったく存在感を感じず、あってもなくてもいいような食材でした。特別マズイわけでもなく、かといって格別美味しいわけでもない……おでんやすき焼き、肉じゃがでも“ついでに”食べる程度。当時自分にとって、しらたきはほんとうに微妙な扱いだったのを憶えています。さて、そんなしらたきですが、現在では「ダイエット食材」の王様としてたいへんな人気を集めています。この記事を読んでいるダイエッターのみなさんも、一度は聞いたことがあるでしょう。あるいは、実践した経験者もいるかもしれませんね?
数ある食事制限ダイエットのなかでも、しらたきは安価・手軽・ヘルシー・低カロリーということで、これをメインに据えたしらたきダイエットが人気を博しているのです。そこで本記事では、このしらたきダイエットについて、あらためてご紹介したいと思います。「どんな食事制限ダイエットを選ぼうか迷っている」――そんなあなたにはぜひとも、しらたきダイエットをオススメしたいです。
しらたきの成分やその効果は?
驚異の低カロリー!
しらたきがダイエット食材として注目されるのは、低カロリーであるところでしょう!しらたき100g当たりのカロリーは6kcal、無視しても良いくらいの低カロリーなのです。
さらに程よい弾力・噛み応えで満腹感も得られるのも、ダイエットを語る上で重要なポイントになります。
ダイエットは、摂取カロリー<消費カロリー の関係が成立することで成功に近づきます。しらたきはその腹持ちの良さから、食事の量も自然と減っていきます。
摂取カロリーを抑える、この点でダイエットに貢献してくれるのです。
食物繊維が便秘を改善
しらたきの97%近くが水分ですが、残りの3%を食物繊維が占めています。
原料のコンニャクイモには「グルコマンナン」という水溶性食物繊維が豊富に含まれているのですが、残念ながらしらたきに加工する段階で不溶化してしまうので、含まれる繊維は不溶性食物繊維になってしまいます。
「水に溶けにくい不溶性食物繊維は、水分を吸収して便の容積を増やします。便が増えると、大腸が刺激され、排便がスムーズになります。また、有害物質を吸着させて、便と一緒に体の外に排出するため、腸をきれいにして大腸がんのリスクを減らしてくれます。また、どちらの食物繊維も大腸内の細菌により発酵・分解され、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になるため、善玉菌が増え、腸内環境が改善されます。」
引用:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」
不溶性食物繊維には排便を促す働きがあります。排便とともに腸内の有害物質も排出され、これで腸内のデトックスが終わります。
また、不溶性食物繊維には他にも、腸内で善玉菌のエサとなって善玉菌を増殖させる働きがあります。腸内環境は、美容・健康・ダイエットの命運を左右する非常に重要な場所です。
しらたきに含まれる食物繊維は、便通を促し腸内環境の改善に効果を上げることでダイエットに間接的に役立ってくれるのです。
価格が手ごろで買いやすい!
短期決戦型のダイエット法もないわけではありませんが、食事制限を基本とするダイエット法で短期間で効果が上げられる方法は多くはありません。
長い間根気よく続けることでようやく成果が実感できるというものなのです。とすれば、長期にわたって続けられるという点もダイエットを進めるうえで重要なポイントになりますよね?
このでもしらたきは安心です。内容量にもよりますが、100円程度で買えるものがほとんどです。
しらたきダイエットの方法は?
しらたきダイエットはいたってシンプルな方法で実践できます。主食をしらたきに置き換えるだけです。つまり、しらたきダイエットは「置き換えダイエット」なのです。
たとえば、夕飯のときにいつも食べている白米をしらたきに変えればいいのです。とても簡単ですよね?その他に制限はありませんから、サイドメニューにお肉や野菜を摂れば、完璧な食事バランスを保つことができます。
食感がよくて腹持ちのいいしらたきは満腹感を得やすいため、他の食事制限ダイエットのような“物足りなさ”を感じる心配はほとんどありません。それにくわえ、食物繊維もたっぷりと摂取できるというオマケもついているので、一石二鳥です。
しかも、しらたきは味付けや食べ方になかなかの工夫しがいがある食材です。麺つゆで「そうめん風」、「冷やしラーメン風」、「つけ麺風」にしてもよし!いっそ具材と一緒に鍋にいれて「すき焼き」にしてもいいですよね?
このしらたきダイエットが長らく支持される理由は、こうしてお好みで味付けや食べ方に工夫ができるので、継続性に優れているという点もあるのでしょう。
筆者オススメ!「肉じゃがダイエット」にグレードアップ!
さて、いろいろなバリエーションで工夫のできるしらたきダイエットですが、そんななかでも筆者がオススメしたい料理は、ズバリ「肉じゃが」です。
みなさんもご存じのように、肉じゃがは非常に栄養価の高い誇るべき日本料理です。夕飯のときにこの一品さえ食べれば、立派な「ダイエット料理」として成立する優れモノです。
そうめん風やつけ麺風ももちろんいいのですが、別にサイドメニューを用意しなければなりません。その点、肉じゃがはこれ一品でバランスが整うので、モノグサな方にはこちらの選択肢のほうが喜ばしいかと思います。
また、肉じゃがは地域による差はありますが、豚肉を加えられる料理なので、牛肉よりもずっと栄養価が高くてメリットが大きいとも言えます。
なんといっても豚肉はビタミンB1が豊富!これはダイエットに役立つ重要な成分なのです。
「ビタミンB1は、体内で糖質をエネルギーへ変換する際に必要となるビタミンです。そのためご飯やパンなどをたくさん食べても、ビタミンB1が不足しているとエネルギーへの変換効率が悪くなってしまいます。また、脳はブドウ糖を分解してエネルギーを作るため、ビタミンB1が不足すると十分なエネルギーを作ることができず、記憶力の低下や情緒不安定、うつ病などを引き起こす可能性があります。このように、ビタミンB1には心身を活性化させ、健康な状態に保つ効果があります。」
引用:エバラ食品「豚肉のビタミンB1で疲労回復」
また、豚肉にはタンパク質が豊富に含まれています。タンパク質は言うまでもない筋肉の素となる成分です。
人間が消費するカロリーの大半は生命維持に必要な基礎代謝が占めますが、この基礎代謝は筋肉の量に比例すると言われています。豚肉などでタンパク質を摂ることで、筋肉量の維持・増量が図れるのです。
タンパク質を食べることで消費カロリーの向上につながる、ダイエットをする上で嬉しいポイントではないでしょうか?
おすすめのレシピ!
しらたきダイエットの基本は主食を置き換えるところにあります。であれば、”主食っぽい”献立があるとストレスなくダイエットに打ち込めますね!
この点を踏まえたおススメのレシピをご紹介します。
たらこパスタ
参考:cookpad「しらたきダイエットレシピ簡単たらこパスタ」
材料(1人前)
- しらたき:250g
- お湯:沸かすだけ
- 岩塩:少々 ※なければ食塩でも大丈夫です。
- オリーブオイル:適量 ※なければサラダ油でも可。バターも風味がUPします。
- たらこパスタソース:1人前
作り方
- しらたきをざるにあけ、水を切る
- お湯を沸かす。アク抜き用の岩塩を入れる
- 2が沸騰したら1を入れて湯がく。
- 3をざるにあけてお湯を切り、粗熱が取れたらしらたきを適当な大きさに切る
- フライパンにオリーブオイルを入れ、しらたきを炒める。軽く炒めた後にパスタソースをかける。
これで出来上がりです。
しらたきがおしゃれなパスタに生まれ変わりました。立派な”主食”ですね!
個食タイプのパスタソースは多くの種類があります。たらこパスタソース以外にも色々と試せるのもおすすめのポイントです。
しらたきラーメン
参考:cookpad「しらたきで!ダイエット☆ラーメン」
材料(1人前)
- しらたき:1袋(200g)
- お湯:300cc
- 創味シャンタン:小さじ2
- 醤油:小さじ2
- あさつき:少々 ※ネギでもOK
- 白ごま:少々 ※なくてもOK
作り方
- しらたきを水洗いして水を切る ※湯がいてアク抜きするとより食べやすくなります。
- お湯と創味シャンタン、醤油を混ぜ合わせて1を入れる。アサツキと白ごまを散らして出来上がり!
日本人の国民食”ラーメン”をしらたきで!これも食欲がそそりますね!
ご紹介したレシピでは創味シャンタンを使っていますが、個食タイプのラーメンスープを使うのも手ですね!
よりラーメンらしく、野菜や肉、卵を使うとより本格的にアレンジできますよ!
しらたき入りごはん
参考:cookpad「ダイエット・白滝入りご飯」
材料
- お米:2合
- しらたき:1袋 ※あくを抜いておく
- 水:1.7カップ(340ml)
作り方
- お米を研いで30分ほど水に漬ける
- しらたきを米粒程度の大きさに細かく刻む。
- 1・2を炊飯器に入れ、1.7カップ分の水を入れて炊く
これで出来上がりです。完全な主食の置き換えとはなりませんが、主食の糖質もエネルギー源としてなくてはならない栄養素です。必要以上の糖質を摂らないようにする、これだけでも守っていればダイエットは成功に近づきます。
たまにこのしらたき入りご飯を食べるのも、ダイエットの”息抜き”にちょうど良いかもしれませんね。
おすすめ動画はコチラ!
しらたきダイエットは夜だけ置き換えるのが効果的!おすすめのレシピは?のまとめ
驚くほどの低カロリーでありながら主食にもおかずにもアレンジ可能なしらたき!まさにダイエット食材の申し子と言えるでしょう。価格も安くて続けやすいのもダイエットを続けるうえで重要なポイントです。ぜひ、みなさんも挑戦してみてください!
記事の作成にあたっては記事中で触れた論文やサイトの他、以下の情報を参考にいたしました。
文部科学省「食品成分データベース」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=02_02005_6