今回は“現代ダイエット入門”と題して、「置き換えダイエット」をご紹介したいと思います。まず、置き換えダイエットとはなにか?端的に言えば、これは「糖質制限」にあたるもので、主食(白米)を低糖質の食品に置き換える方法のことです。本記事は、はじめてダイエットに挑戦する方がメインとなっていきますが、しかしそういった人だけではなく、「置き換えダイエット? そんなのいまさら、とっくに知っているよ!」と自信を持っている方にも、ぜひ復習の意味で読んでもらいたいのです。
というのも、昨今では置き換えダイエットの普及に伴い、誤った知識に基づいて実践してしまうダイエッターが増えてしまったからです。誤った置き換えダイエットは体調を崩したり、一時的に痩せたとしてもすぐに「リバウンド」してしまうリスクが高まります。だからこそ、初心者だけでなく、中級者にもぜひ本記事を読んでもらい、正しい知識にもとづいた健康的な置き換えダイエットを実践してもらいたいのです。
置き換えダイエットの方法は?
主食をダイエット食材に置き換える
置き換えダイエットは「ダイエット食材」の中から、自分の好みやスタイルに合った食材を取り入れるのが基本です。
いまどきいないとは思いますが、「ご飯を抜けばお菓子は食べてもいいんだ」なんて愚かな考えは持たないようにしてくださいね(実際、一昔まえには、こうした考えをもつ方がけっこうな割合でいたんです……)。
実践のタイミングは「夜」
毎食やるのもけっして悪い選択ではありませんが、よほどストイックな性格でないかぎり、継続できなくなってしまいます。というのも、「飽き」や「他のものが食べたい」という欲望が蓄積されていくからです。
ダイエットの大敵は「食のストレス」です。食べる楽しみが薄れていくと、次第にダイエットのモチベーションも薄れていってしまいますので、初心者~中級者の方は、置き換えダイエットの実践は一日に一回で十分です。
では、一日三食のうち、どのタイミングで置き換えダイエットを実践するのが良いのでしょう?筆者がオススメするのは「夜」です。
なんといっても夜は、わたしたちの身体の活動が鈍くなる時間帯ですので、夕飯で摂取したカロリーや糖質がエネルギーとして変換されにくくなり、余剰分が脂肪の蓄積へと回りやすくなります。
なので、この夕食のタイミングで置き換えダイエットを実践すれば、存分にダイエット効果を引き出すことができ、太るリスクを軽減できるようになります。
昼間は太りにくい時間帯
「朝食,昼食,夕食の1日3食が食事の基本である.夜食は,規則正しい食生活から逸脱した就寝前の時間帯に十分な食事を摂取することである.仕事や活動時のエネルギー源となるヒラメ筋グリコーゲンは摂食前の空腹時に低く,摂食によって増加し,その後減少する日内リズムが認められた.しかし,1日摂食量の1/3を遅い時刻に摂食させた場合,摂食によるヒラメ筋グリコーゲンの増加は認められなかった.」
引用:「時間栄養学と健康」
日中の活動のエネルギー源となるグリコーゲンは、ヒラメ筋と呼ばれる筋肉に貯蔵されています。これが空腹時に少なくなり、摂食と同時に増え、また少しずつ減少していくというサイクルをたどります。
活動が活発な時間帯である昼間に必要となるエネルギーはその時間帯の食事から得るので、朝食や昼食時のカロリーが脂肪として蓄積される可能性は低いのです。
これが、昼間は太りにくいと言われるゆえんなのです。
このことからも、置き換えダイエットを昼間に行う必要性は乏しいですね?
効果は?
太りやすい食材を制限することで痩せやすくなる
当たり前といえば当たり前ですが、置き換えダイエットは太りやすい食生活の中心を担う主食を低カロリー&低糖質のダイエット食材に置き換えて摂取する糖質やカロリーを控えるのが目的です。
このメソッドを継続していくと、一ヵ月程度でみるみる効果があらわれてきます。
効果が数字にあらわれやすいというのは、置き換えダイエットの嬉しい利点ですよね?自然にモチベーションも高まっていくので、「もっと頑張ろう!」と自分を奮い立たせることでもできるでしょう。
美容効果も同時に得られる
置き換えダイエットは太りやすい食生活を見直すことが本質ですから、ダイエット実践中は、非常にヘルシーな食生活に改善され、美容効果もおのずとあらわれてきます。
痩身効果だけでなく、美容健康にもいいなんて、まさに一石二鳥ですよね。
ただし、単にカロリーや糖質が低いだけでなく、栄養価もほとんどないような食材だけの食生活は栄養バランスを崩してしまうので絶対にやめてください。
たとえば主成分がほぼ水分の「きゅうり」なんかがその典型ですね?これだけ食べていれば、もちろんみるみるうちに痩せていくでしょうが、ホルモンバランスがおかしくなってしまい、髪はパサパサ、肌はカサカサになってしまいます。
減量に成功しても健康を損なってしまうのであれば、それはダイエットに成功したとは決して言えません。健康な身体があって初めてダイエットに成功したと言えるのです。くれぐれも身体に無理をかけるようなダイエットはしないように気を付けましょう。
置き換えダイエットの注意点は?
極端な置き換えダイエットはしない
「1種類の食材に限定した食事を続けると、代謝のために必要な栄養素が不足します。代謝とは、食事で取り入れた栄養素をエネルギーや生命の維持に必要な物質に変える仕組みです。代謝がうまく行われなければ、エネルギーが消費されないだけでなく、あらゆる生命活動に支障をきたす恐れがあります。」(by 医療法人弘正会 ふくだ内科クリニック 福田院長)
さきほども少し触れましたが、ダイエッターのなかには、たとえば、きゅうりなどの低栄養価の食材で置き換えダイエットを実践しようとする人がいます。
たしかにきゅうりは、一時的には間違いなく痩せることはできるかもしれません。なにしろ、かなり大幅に糖質をカットをすることになるわけですからね。
でも、このようなダイエット法は、他の必要な栄養素も摂取できないことを意味します。
三大栄養素の
- 糖質(炭水化物)
- 脂質
- タンパク質
や、五大栄養素に数えられる
- ビタミン
- ミネラル
は、エネルギー変換や細胞の生まれ変わりなど、身体機能を維持するための多くの役割を担っています。
これらの栄養素をすべて排除するような食生活を続けると、身体のどこかに異常をきたすのは間違いないですよね?
リバウンドの危険性
糖質を制限することでダイエットに成功したとしても、ダイエット後には「リバウンド」という副作用が起こる危険性は少なくありません。なぜなら、極端に糖質が制限された食生活を続けることで、常時「糖質不足」となり、かえって糖質を吸収しやすい身体になってしまうからです。
糖質を極端に制限すると、なぜ糖質を吸収しやすい身体になるのか?それは、わたしたちの身体に備わっている生存本能のせいです。糖質はもともと肉体の活動を維持するための大切なエネルギー源。車で例えるならガソリンにあたるものです。
これが不足すると、身体は「少しでも多くの糖質を蓄える」ように変化していきます。だからダイエットが終わったあとに以前の食生活に戻すと、過剰に糖質を脂肪として“貯蓄”しまい、結果として以前よりも「太りやすい身体」になってしまうわけなのです。
糖質の全カット (3食すべて糖質ゼロの置き換えダイエット)は、プロの専門家のアドバイスなしでは絶対にお勧めできません。
素人考えでは、つい「糖質制限すれば痩せる=糖質を全部抜けば短期間で痩せる」という単純な定式で考えがちですが、それは健康を害するだけでなく、たとえ痩せたとしても、あっというまにリバウンドしてしまうでしょう。
そもそも「糖質」は、わたしたちの身体を維持するためには不可欠な栄養素です。これを極端に抜いてしまうと、つねに身体は「エネルギーが足りない状態」に陥ってしまいます。
すると身体は、少しでも多くの脂肪を蓄えようとするので、ダイエット成功後にふだんの食事に戻したとたん、「ありったけの糖質を脂肪に変えて蓄えろ!」と脳が命令してしまうのです。
だから、誤った糖質制限をすると「太りやすくなる」のです。
痩せにくくなる
また、誤った糖質制限中は常時「エネルギー(燃料=脂肪)が不足している」状態になるので、エネルギーを燃やして身体をメンテナンス&維持する機能が低下し、筋肉量が減ってしまいます。
「多少筋肉量が減ったって、困ることはないじゃないか」と女性の方なら思うかもしれませんが、それは大きな間違いです。
人間の生命維持活動に必要なエネルギー量を基礎代謝と言いますが、この基礎代謝は筋肉量に比例すると言われています。もしも筋肉量が減ってしまうと、せっかく脂肪を燃焼してくれる基礎代謝量が落ちてしまうのです。
そうすると、結果的に「脂肪が燃えにくいカラダ」になってしまいますよね?これでは、ダイエットを終え今までの食生活に戻したとたんに太って(リバウンド)してしまいます。
高いダイエット効果が期待できる置き換えダイエットですが、効果が高い分その反対側の副作用にも気を付けなくてはなりません。
体調に異変を感じたら即座に中止する、極端なダイエットは行わないなど、置き換えダイエットに取り組む際にはこれらの注意点に十分に気を配るようにしましょう。
おすすめの食材は?
主食制限が置き換えダイエットの基本になります。エネルギー源としてなくてはならない糖質を制限するのですから、体調に異変をきたさないよう気を配る必要があります。
ある1つの食材のみですべてを置き換えるのではなく、様々な食材でローテーションを組むのも飽きずに続けられるポイントです。
そこで、置き換えダイエットに適した食材をいくつかご紹介します。
ささみ
高タンパク低カロリー食材の代名詞的!
何と言っても”肉”なので、食べた後の満足感が違います。
豊富なタンパク質で筋肉の維持・増強効果も期待できます。
豆腐
こちらもささみと並ぶ、高タンパク低カロリー食材です。伝統的な健康食材でもありますね!
冷奴や湯豆腐といった単品メニューはもちろん、豆腐サラダや麻婆豆腐などのアレンジメニューも豊富です。
安価で購入できるのも魅力ですね!
そば
低GI食品としても有名なおそばです。
整腸作用のある食物繊維や脂肪の代謝を促進するビタミンB2など、ダイエットに嬉しい成分が含まれています。
何と言っても「主食」としての存在感も見逃せません。
ところてん
低カロリー食品の王道をいくところてん!100g当たり2kcalという驚異の低カロリーが、置き換えダイエットを強力にサポートします。
低カロリーに加えて食物繊維が豊富なのも魅力です。
ただ、食物繊維以外に目立った成分は含まれていないので、他の食材でビタミン・ミネラルなどを補う工夫が必要です。
キャベツ
食物繊維の王様、キャベツ!こちらも100g当たり23kcalと驚きの低カロリー食品です。満腹効果も得られるので、食事量を減らるのにも貢献してくれます。
豊富な食物繊維が腸内環境を改善、美容効果も見込めるダイエット食材です。
グリーンスムージー
海外セレブが火付け役となったダイエット食材です。野菜や果物の栄養分を丸ごと摂れるのがポイントです。
ビタミンやミネラル、食物繊維など、美容に嬉しい成分が豊富なのも女性には嬉しいですね!
意外と腹持ちが良いのもグリーンスムージーのメリットです!
りんご
「りんごが赤くなると医者が青くなる」このようなことわざもあるように、健康食材の代名詞ともいえるのがりんごです。
食物繊維はもちろん、ポリフェノールも豊富に含んでいます。
爽やかな甘酸っぱさとは裏腹に低カロリーなのもおすすめのポイントです。
1週間分として7つの食材をご紹介いたしました。もちろん、置き換えダイエットに適した食材はこればかりではありません。
ダイエットはある程度の期間続けるのが成功への近道です。ご紹介した食材の他にも、自分に合った食材を見つけて健康的な置き換えダイエットに挑戦してみてください!
置き換えダイエットは効果大!腹持ちが良いのはプロテイン?のまとめ
置き換えダイエットは効果が出やすい分、つい何食も置き換えたくなりますが、短期間で体重を落とすことは身体にとって大きな負担となります。理想的な置き換えは1日1食、ダイエットを継続することにより体重を落としていきましょう。自身に合った食品を見つけ、ストレスの少ないダイエットを行っていきましょう。