梅干しダイエットは、手軽でしかも簡単にはじめられるダイエット方法として、人気になっていますが、効果的に行うやり方とは?梅干しはダイエットだけではなく、健康に良いとされており、古くから食中毒予防などに活用されてきましたが、なぜダイエットに用いられるのか、その理由と効果についてご紹介します。
梅干しでダイエット効果が期待できると、口コミでも人気になり、その手軽さと効果で一躍注目を集めたダイエットです。しかし、ダイエット効果を出すにはただ食べるだけではなく、梅干しを焼いたり、加熱したりとちょっとした工夫も必要です。
梅干しを食べるだけ!
「梅干しダイエット」は、加熱した梅干しを毎日の食事に取り入れるだけのシンプルなダイエット方法です。
食事の前に梅干しを1つ食べるだけで、特に食事制限や運動は必要ありません。
梅干しを食べることにより痩せやすい身体の状態を作ってあげることで、緩やかに痩せることができると今人気のダイエット方法です。摂取カロリーを制限するわけではないので急激な減量は無理ですが、日常的に梅干しを食べることで美容と健康に嬉しい効果が期待できます。
梅干しダイエットで是非実践してほしいことは、一度加熱した梅干しを食べるということです。梅干しには様々な成分が含まれ、加熱することにより痩身効果が高まる成分が増えるためです。
様々な効果が期待できる!
梅干しを食べることで期待できる効果としては、
- 脂肪の燃焼
- 血流の改善
- 代謝の向上
- 血糖値の上昇を抑える
- 便秘の改善
- 美肌効果
以上のようものが挙げられます。
梅干しの成分と期待できる効果は?
ダイエットにうれしい効果をもう少し詳しく見ていきましょう。
脂肪を燃焼しやすくする「バニリン」
梅干しには「バニリン」という成分が含まれています。このバニリンには、脂肪燃焼効果があると言われています。
バニリンは脂肪細胞に刺激を与え、これにより脂肪細胞が燃焼され小さくなります。
梅干しを食べることで体重減少の効果が期待できるのは、この働きによるものです。
さらに、梅干しにはバニリンによく似た「バニリンコクシド」という成分が含まれており、このバニリンコクシドは加熱することによりバニリンに変化するということが研究によりわかっています。
梅干しダイエットでは食べる梅干しを一度加熱しますが、これはバニリンコクシドをバニリンに変え、より効率よくバニリンを摂取するためです。梅干しを加熱するとバニリンの量が20%ほど増えるため、梅干しを加熱して食べることで脂肪燃焼効果が高まります。
むくみや冷えを改善する「ムメフラール」
また、梅には「ムメフラール」という成分が含まれています。
このムメフラールも梅干しを温めることで生成され、血流を改善する効果が期待できるとされています。
血流がよくなると、むくみや冷えといった女性特有の悩みが軽減されます。
また、血行がよくなることで身体が温まり、代謝が向上することも期待できます。代謝とは、身体が生きるために絶えず行っている活動に必要なエネルギーを生み出す仕組みであり、人が最もエネルギーを消費するのはこの代謝においてです。
そこで、代謝を向上させることは痩せるための近道であると言えます。
代謝をスムーズに行う「クエン酸」
さらに、梅干しには「クエン酸」という成分が含まれています。
クエン酸は梅干しの酸っぱさの素で、体内の代謝を円滑にする働きをする物質です。
体内では、食事から摂り入れた糖質を「グルコース」に変換し、さらにグルコースは「グリコーゲン」に変えられ、肝臓などに蓄積されています。その際に使用されなかった余分なグルコースはそれぞれの細胞に送られ、細胞内で代謝されて「ピルビン酸」という物質になります。これがさらに変換され「クエン酸サイクル」で使われます。
クエン酸サイクルとは、体内のエネルギー生産工場ともいうべきシステムです。生きるために必要なエネルギーは、このクエン酸サイクルにより生み出されています。
クエン酸サイクルでは、体脂肪や乳酸をエネルギーに変え、身体の器官を動かすために使用しています。
吸収された糖がピルビン酸に変えられ、クエン酸サイクルに入ると、エネルギーに変換されるため体脂肪になることはありません。反対に、クエン酸が不足すると、ピルビン酸はクエン酸サイクルに入ることなく疲労物質の「乳酸」に変化します。
クエン酸が不足すると、疲労や体脂肪の増加が起きるということです。
しかし、梅干しを食べることでクエン酸を補えるため、エネルギーの代謝がスムーズに行われ、体脂肪の蓄積予防の効果が期待できます。
梅干しダイエットの方法とは?
では、梅干しダイエットの効果的な方法を見ていきましょう!
方法はとても簡単です。
梅干しダイエットでは、一度加熱した梅干しを1日3回の食事の際に食べます。
梅干しはそのまま食べるだけではなく、料理に用いても、白湯に入れて飲んでもよいとされています。
ただ、梅干しは食べれば食べるだけ痩せるというものではなく、摂取量により塩分過多になるため注意が必要です。1日に食べる量は3個を上限とします。なお、梅干しを選ぶ際は粒が大きいものを、また調味梅干しではなく、塩だけで漬けたものが望ましいとされています。
塩分はむくみの原因にもなりますので、減塩の梅干しを選ぶようにすると、さらによいでしょう。
焼く!
梅干しを一度加熱して増えたバニリンは、冷えても減少することはありません。
食事の度に加熱する必要はないので、1度にたくさん加熱して、冷蔵庫で保存しておくと手間がなくおすすめです。梅干しを加熱する時は、電子レンジを用いると便利です。梅干し10個を加熱する場合は、500Wのレンジでおよそ1分間加熱します。
また、オーブントースターで色がつかない程度に焼くのも手軽でおすすめです。電子レンジやオーブントースターがない場合は、フライパンなどで温めても問題はありません。
続けやすい方法を選び、加熱するとよいでしょう。
健康にも効果的!
梅干しはダイエットよりも健康へのイメージが強いですね。
血液をサラサラに
梅干しダイエットは健康維持にも役立ちます。
本来人の体液は弱いアルカリ性ですが、私たちが日ごろ口にする食品により酸性に傾いてしまいます。
酸性に傾いた血液は黒く濁り、ドロドロとしています。これにより内臓機能が低下したり、排泄障害が引き起こされたりします。酸性に傾いた体液は、アルカリ性の食品を摂取することで中和されます。
アルカリ性食品とは、具体的には野菜などを指します。
ただ、1回の食事で摂取する酸性食品を中和するには、大量のアルカリ性食品を摂取する必要がありますが、その点、梅干しであれば少量の摂取で効果が期待できるとされています。
これには、梅干しがアルカリ性食品であること、梅干しにクエン酸が含まれていることが関係しています。梅干しを食べることでクエン酸回路の働きが活性化され、血液中の乳酸が除かれ、血液がアルカリ性に傾きます。
酸性の食品を多く摂取する現代人には、梅干しがおすすめなのです。
便秘の改善
便秘の原因は、
- 食生活
- 生活習慣
- ストレス
などにより、腸の蠕動(ぜんどう)運動が低下することや、冷え性により胃腸の機能が低下すること、水分不足により便が硬くなってしまうことなど様々です。
梅干しには、腸の蠕動運動を活発にしたり、腸内環境を整える作用があると言われ、梅干しに多く含まれるクエン酸には、蠕動運動を誘発する働きがあります。便秘の原因のほとんどは蠕動運動が鈍ることなので、クエン酸により蠕動運動が活発になることで便秘の改善が期待できます。
また「カテギン酸」という抗菌作用のある成分が、腸内で便の腐敗によって発生した悪玉菌を減らす効果も期待できます。
さらに、梅干しに含まれるマグネシウムは、腸に水分を集める働きをします。この作用により、水分が不足して硬化した便が排出しやすい状態になります。
是非、梅干しを便秘の改善に役立てましょう。
酵素の効果は期待できる?
梅干しには「カタラーゼ」という酵素が含まれています。
酵素を摂取するとその作用により、美容や健康によいとされていますが、実は口から摂取した酵素は体内で働くことはできません。
口から摂取して体内で作用することができるのは、大根に含まれる「ジアスターゼ」などの消化酵素です。消化酵素は、胃で食べ物を消化する際に助けとなればよいので、胃に届けば作用することができます。しかし、美容目的などで摂取する酵素は胃で消化され、腸から体内に吸収されることはありません。
従って、梅干しから酵素を摂取することはできないと言えます。
美容効果は?
梅干しは美容にもうれしい効果が期待できますので、毎食取り入れてみてはいかがでしょうか。
お肌に嬉しい「若返りのホルモン」
梅干しダイエットを行うことにより、間接的に期待できる効果もあります。
梅干しを食べた時に出る唾液には「パロチン」と呼ばれるホルモンが含まれています。パロチンは「若返りのホルモン」とも呼ばれ、成長ホルモンの一種です。骨や歯の再石灰化を助ける他、皮膚の新陳代謝を活発にするなどの効果が期待できます。
パロチンは唾液中に含まれるため、梅干しを食べる際に唾液の分泌が活発になることで、美肌効果も期待できます。
セルライトの予防
セルライトは「オレンジピールスキン」とも言い、肌がでこぼことした状態になるものです。
このセルライトは成人女性のおよそ8割に見られ、一度できると自然に消えることはありません。食事制限や運動により減らすことができないのも特徴です。
セルライトの成分は脂肪と老廃物で、脂肪細胞に老廃物が付着して固まってでき、脂肪に老廃物が付着する原因は冷えやむくみとされています。梅干しを食べることにより冷えやむくみが改善され、セルライトの予防にもなります。
中性脂肪の燃焼
中性脂肪とは、食事により摂取されたエネルギーの余剰分などが体内に貯蔵されたもので具体的には皮下脂肪などを指します。
この中性脂肪はすぐには使われず、万が一の時に備えて蓄えられています。
皮下脂肪はダイエットにより燃やしにくい脂肪です。
しかし、蓄えるのは容易なため、増えることはあっても減ることはなかなかありません。
梅干しにはクエン酸が含まれ、食べたものをスムーズにエネルギーに変えます。これにより中性脂肪の蓄積を予防できるため、ダイエットにおすすめです。また、バニリンが脂肪細胞を刺激し、脂肪が燃焼しやすい状態になるため、蓄積された中性脂肪を減らすことができると考えられます。
梅干しダイエットのやり方は食べるだけ?焼くと効果的!のまとめ
梅干しダイエットは短期間で劇的に痩せる方法ではありません。長期的に続けることで痩身の効果が期待できます。減量のペースは緩やかですが、身体に過度の負担をかけることなく、体脂肪を燃焼させることができます。減量だけでなく、健康面でも美容面でも嬉しい効果が期待できます。是非日々の食事に梅干しを取り入れてみてください。