有名なチアシードのように、“〇〇シード”と銘打たれたダイエット食材が近年、海外での人気がきっかけでブームになっています。そんな中、日本でも“〇〇シード”がダイエット界で存在感を強めています。その名も「バジルシード」。みなさんもよくご存じのバジルの種(シード)のことです。
あまり聞き慣れないという方もおられるでしょうが、じつはバジルシードは、古くから日本でも漢方薬の素材として利用されていた歴史があります。しかし、ダイエット食材として注目され始めたのは、太平洋の向こう側のアメリカでした。今回は、そんな「バジルシードダイエット」について迫っていきたいと思います。はたして、「バジルシードダイエット」の方法や効果とは?さっそくみていきましょう!
バジルシードとは?
バジルシードはイタリア料理でおなじみのハーブ、バジルの種子です。
バジル(葉)はジェノベーゼソースの材料としても有名ですよね?
バジルの原産地はインド、ヒンズー教のクリシュナ神に捧げる植物として大切にされてきました。そこからエジプトを経てヨーロッパに伝わりました。
日本に伝来したのは16世紀頃、時代は戦国時代の頃でしょうか?江戸時代には水に浸してゼリー状になったバジルの種子を利用して目の異物を取り除いたことから、「メボウキ(目箒)」という和名が付けられたのです。
古代インドでは神様に奉納されるほどの食材であったことから、健康効果に優れてたいたのは間違いなさそうです。
バジルシードの成分や効能について見ていきましょう!
バジルシードの成分とそのダイエット効果
水溶性食物繊維のダイエット効果
バジルシードを水に浸すとゼリー状の物質に覆われます。そのプルプルとしたテクスチャーの正体は、「グルコマンナン」と呼ばれる水溶性食物繊維なのです。
グルコマンナンはこんにゃくに含まれる食物繊維としても知られています。
グルコマンナンを始め、水溶性食物繊維には
- 血糖値の上昇を抑える効果
- コレステロールを排出させ、コレステロール値を下げる効果
といった働きがあります。
「一般的には,食物繊維は栄養素の消化・吸収に対し,阻害的あるいは抑制的に作用している。その結果として,糖質の場合では食後の血糖値の上昇が抑制されて糖代謝の改善につながり,脂質の場合ではコレステロールや胆汁酸などの吸収が抑制されて脂質代謝の改善に関与していると思われる。」
引用:論文「食物繊維と消化・吸収機能」
血糖値が上昇するとすい臓からインスリンが分泌され、糖をエネルギー源のグリコーゲンに変換し筋肉や肝臓に蓄えますが、その貯蔵量が限界に達すると今度は脂肪として蓄積されてしまいます。
まわりまわって脂肪の原料となってしまう糖の絶対量を低下させることで、ダイエット効果が期待できるのです。
また、水溶性食物繊維にはコレステロール値を下げる効果があります。この流れは以下の通りです。
血液中の余分なコレステロールは肝臓で胆汁酸に変換されます。そして脂肪の吸収を助けるために胆汁として分泌されます。分泌された胆汁酸の大半は小腸で吸収され再利用される・・・このサイクルを繰り返します。
胆汁酸の元となる物質はコレステロール、つまり「脂質」です。水溶性食物繊維には腸での胆汁酸の吸収を抑制する働きがあります。吸収されなくなった胆汁酸は便と一緒に体外に排出されます。
胆汁酸の濃度が低下すると、新たに胆汁酸が作り出されます。これはコレステロール(脂質)の減少を意味しますね?せっかく新しく作られた胆汁酸ですが、水溶性食物繊維の働きで吸収されることなく体外へ排出されます。
このサイクルが繰り返されるとどうなるでしょう?コレステロール(脂質)がどんどんなくなっていきますよね?
この流れがコレステロール値の減少させることにつながるのです。コレステロール値の減少は脂肪の減量とほぼ同じ意味です。
このように水溶性食物繊維はダイエットに貢献してくれるのです。
α-リノレン酸がDHA、EPAに変身!
バジルシードにはα-リノレン酸が豊富に含まれています。α-リノレン酸は体内で合成できない必須脂肪酸で、さらにDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)へと変換されます。
DHAやEPAについては皆さんも良くご存知ですよね?DHAとEPAは青魚に多く含まれる成分で、
- 血流の促進を促す
- 血液中の悪玉コレステロールを減らす
- 中性脂肪の代謝や合成を抑制する
といった働きがあります。
血流の促進は基礎代謝の向上につながりますが、基礎代謝の向上は消費カロリーの増加に直結します!
また、悪玉コレステロールを減らす作用や中性脂肪の合成の抑制など、ダイエットの敵ともいえる脂肪にダイレクトに作用してくれるのです。
参考 厚生労働省 e-ヘルスネット「不飽和脂肪酸」
食べ過ぎを防ぐことができる
バジルシードは水を含むと約30倍に膨らむことで知られています。
「一方,試験前後の体重に差はないものの試験期間中の総摂取エネルギーや脂質摂取は減少しており,マンナン煎餅を摂取することが食習慣に影響を与えた事が示唆される。」
引用文中の「マンナン煎餅」は、グルコマンナンをチップ化して煎餅状に加工したものです。
引用した論文ではこれを人に食べさせてグルコマンナンの効能について調査したのですが、これを食べたことによって、食事量が減ったという結果も出てきました。
ダイエットは、 摂取カロリー < 消費カロリー の関係が成立すれば成功にグッと近づきます。
グルコマンナンには満腹感を感じさせる働きがあります。そうすると食事の量も減っていきますね!
バジルシードの食事量(≒摂取カロリー)を減らすという働きも、ダイエットを成功に導くカギとなるのは間違いないようです。
バジルシードダイエットの方法は?
バジルシードダイエットの方法はいたってシンプル。基本的にこのメソッドは置き換えダイエットではなく、食事前に食べるのがポピュラーです。
バジルシードは水で大きく膨らむ性質があるので、水に浸したバジルシードを食前に食べましょう。
そうすれば、食べ過ぎも防げるので一石二鳥です。
もちろん、食後に食べてもいいですが、そのタイミングで食べるとお腹が苦しくなるかもしれないので、あまりおすすめできません。
おすすめは夜
では、朝・昼・晩のどの時間帯にバジルシードダイエットを実践すればいいのでしょうか? とくにこれといって決まりがあるわけではありませんが、筆者が推奨するのは夕食の時間帯です。
夜はわたしたちの身体の活動が鈍くなる時間帯ですので、夕食で摂取したカロリーや糖質がエネルギーとして変換されにくくなり、余剰分が脂肪の蓄積へと回りやすくなります。
なので、この夕飯のタイミングでバジルシードを食べれば、存分にダイエット効果を引き出すことができ、太るリスクを軽減できるようになります。
方法は簡単?おすすめのレシピは?
バジルシードダイエットは、バジルシードを料理に入れたり、バジルシードの入ったドリンクを飲むだけと、じつに簡単です。
スムージーやヨーグルトに混ぜて食べるのがおすすめです。水に浸したバジルシードは、タピオカよりもずっとインパクトのある見た目をしているので、苦手意識を持つ方もいるかもしれません。
なので、スムージーやヨーグルトと一緒にしてしまえば、ビジュアル面を気にすることなく食べることができるようになります。
簡単にできるレシピをいくつかご紹介します。
バジルシードヨーグルトドリンク
参考:クックパッド「バジルシードヨーグルトドリンク」
材料(1人分)
- 戻したバジルシード:大さじ5
- ヨーグルト:大さじ3(ビフィズス菌入りがおすすめ)
- レモン汁:大さじ1
- 牛乳:150ml
- はちみつ:お好みで
作り方はいたって簡単!上に上げた材料を混ぜるだけです。
このレシピのポイントは、ヨーグルトや牛乳が入っている点です。
ヨーグルトのビフィズス菌がバジルシードの水溶性食物繊維と一緒に腸まで届くので、腸内環境の改善が期待できます。
さらに、腸内でグルコマンナンが乳酸菌のエサとなって、やせ酸として知られる「短鎖脂肪酸」を作り出してくれます。ダイエット効果がさらにアップですね!
また、牛乳には良質なタンパク質が含まれています。タンパク質は筋肉の素となり、基礎代謝を上げてくれるのです。
豆乳バナナスムージー
参考:クックパッド「ぷちぷち楽しい!豆乳バナナスムージー」
材料(2人分)
- バナナ:大1本
- 豆乳:300ml(お好みで調整)
- プレーンヨーグルト:150g(ビフィズス菌入りがおすすめ)
- バジルシード:大さじ1~2
作り方
- バジルシード以外をミキサーにかける
- グラスにバジルシードを入れ、1のスムージーを流し入れる
- 飾りにバジルシードを散らす
これで完成です。
このレシピのポイントは、
- 豆乳
- ヨーグルト
を使っているところです。ヨーグルトの働きは先ほどのレシピで触れましたね?
豆乳ですが、豆乳の原料は「畑のお肉」大豆です。大豆は健康食品の代名詞ともいえる存在!
豆乳には
- オリゴ糖
- サポニン
- レシチン
と言った健康成分が含まれています。
オリゴ糖は腸で善玉菌のエサとなり、サポニンやレシチンには脂質の蓄積防止や代謝の促進といった働きがあります。
どれもダイエットに欠かせない働き、バジルシードとの相乗効果が見込めるのです。
気になる口コミは?
現在のバジルシードダイエットの口コミは、良い評価が大半を占める結果となっています。
まず悪い評価では、
- 体質に合わなかった
- 味はいいけど見た目が好きではない
などの口コミがありました。
ですが、体質に合わなかった場合でも便秘解消の効果はあったようです。また、見た目に関しては水に膨らんだ状態が嫌だという方が稀にいます。
効果は別として見た目が受け入れられないという口コミが目立ちました。
反対に良い評価では、
- 1ヶ月で約5,6kg体重が減った
- 満腹感があるので間食もしなくなった
- アレンジして作ることも出来るから美味しく食べられる
- リバウンドしなかった
などの口コミがありました。
ダイエット効果だけではなく、美容効果などを実感する方も多く見受けられました。これは食物繊維の働きで腸内環境が改善された結果と言えそうです。
食事による摂取カロリーが大幅にダウンするため、すんなり減量が出来るようです。やはり、満腹感を感じさせる効果はおおいに助かりますね!
リバウンドしなかったというのは、極端な摂食制限を課すダイエット法ではないからでしょう。終わってからもその体重が維持できるのは何より嬉しい口コミですね!
このように、バジルシードダイエットは成功率が高く、たくさんの効果を得られるようです。是非チャレンジしてみはいかがでしょうか?
バジルシードは日本でも容易に入手できる食材です。満腹効果に加えて食物繊維やα-リノレン酸の健康効果でダイエットに成功したという方はとても多いです。デメリットは見た目だけ、それさえ我慢できれば健康的にダイエットができますよ!
バジルシードダイエットで失敗?効果的な方法はドリンクにする?のまとめ
最近よく「バジルシード入り」と書かれた飲料や食べ物を見かけることが多くなりました。そもそも「バジルシード」とは何でしょうか? バジルシードとは、「バジル」の種子のことです。
この種子は、ヘルシーなのに高栄養価ということから海外で大注目されているスーパーダイエット食材なのです。「バジルシードダイエット」は、そんな食材を積極的に取り入れて効率よく健康的に食事制限を実現するメソッドなのです。バジルシードには、主として水溶性食物繊維や必須脂肪酸(α-リノレン酸)が含まれています。
水分を含むと約30倍にも膨らむ性質があるので、少し食べるだけでも十分に満腹感を得られます。そのため海外では、グリーンスムージーなどに入れて食べられたりしています。近年ではどこでも入手可能となったバジルシード。みなさんもぜひ食べてみてください。