「杜仲茶(とちゅうちゃ)」。みなさんは聞いたことがあるでしょうか?この杜仲茶は中国四川省北部の民族が愛飲する伝統的なお茶なのですが、近年、この杜仲茶の効果が科学的に検証され、ダイエットに役立つ成分が豊富に含まれていることがわかってきました。
現在では杜仲茶ダイエットとして知られるようになっています。店頭でも手軽に入手できるようになったので、この記事を読んでいる方のなかには、すでに試したことがある人もいるかもしれません。ではいったい、この杜仲茶ダイエットにはどのようなダイエット効果があるのでしょうか? さっそくみてみましょう!
杜仲茶ダイエットとは?
杜仲茶は中国では古来より、長寿、不老不死の薬として飲まれてきました。
芍薬や冬虫夏草と並ぶ五大漢方薬の1つで、上級の漢方薬として知られています。
杜仲茶ダイエットは普段飲んでいるお茶や水を「不老不死の薬」杜仲茶に置き換え、毎日杜仲茶のダイエットに有効な成分を摂取するダイエット方法です。毎日飲むだけの簡単な方法です。
杜仲茶は独特の渋味があるお茶ですが、飲むのはそれほど苦ではありません。
メーカーによって渋味や香ばしさなどに違いがありますので、飲み比べてみるのもおすすめです。
杜仲茶の成分とその効能・効果
「五大漢方薬」の1つに数えられる杜仲茶、素晴らしい効能が隠されているのは間違いなさそうです。1つ1つ確認していきましょう!
ポリフェノール(カテキン)がコレステロールを抑制
杜仲茶には、みなさんもよくご存じの「ポリフェノール」が含まれています。ポリフェノールといえば「赤ワイン」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
「ポリフェノール」と一言でくくられることが多いですが、自然界には5000種類以上のポリフェノールがあることが確認されています。
「自然がうみだした化学物質」と言わしめるこの「ポリフェノール」に共通する作用に「抗酸化作用」があり、これは動脈硬化抑制やアンチエイジング効果があることが知られています。
杜仲茶に含まれるポリフェノールは「カテキン」と呼ばれるものです。緑茶にも含まれているポリフェノールです。
「すべてのコレステロールが体に害を与えるわけではなく、コレステロールには悪玉であるLDLコレステロールがあります。LDLコレステロールが増えすぎて、血管の内側について血管を狭くし血流を悪くさせたり、活性酸素によって酸化されることによって、血管疾患へとつながるといわれています。カテキンには、LDLの酸化を防ぐ抗酸化作用があることが確認されています。また、血中コレステロール値が少し高めの人が、カテキンを2ヶ月間摂取することで、コレステロール値が正常値まで低下した、という報告もあります」
(引用:日本カテキン学会「カテキンの効果・作用-コレステロール低下作用-」
血中コレステロールが抑制されるということは、血液をサラサラに維持するということと同義です。血流がサラサラになれば、必然的に代謝が上昇します。
代謝機能が良くなれば、身体のガソリンとなるエネルギーの消費量が多くなるので、その原料である脂肪の燃焼効率が同時に高まることになります。
カテキンの体脂肪低減作用
カテキンは他にも優れたダイエット効果を有しています。
「高濃度カテキンを長期間摂取すると、体重や体脂肪(腹部全脂肪面積、内臓脂肪面積)に低減効果がみられることが報告されています。また、肝臓の細胞の中には脂肪を燃焼させる酵素があり、高濃度のカテキンを摂取すると、血中に吸収されたカテキンが肝細胞まで到達し、カテキンが肝臓の酵素を増やしたり活性化させることで、脂質代謝を活発にしてエネルギー消費量を増加させ、その結果が体脂肪低減へとつながると考えられています。また、カテキンの継続的な摂取が運動時の脂肪燃焼量を増加させることもいわれています。」
(引用:日本カテキン学会「カテキンの効果・作用-体脂肪低減作用-」
カテキンの脂肪燃焼作用に着目したトクホに「ヘルシア緑茶」がありますが、杜仲茶にも同様の効果が期待されるのです。
厄介な内臓脂肪にダイレクトに働きかけるカテキンの効能には目を見張るものがありますね!さらに、運動時の脂肪燃焼量を増加させることも期待できるとは!
カテキンはトレーニングを取り入れながらダイエットを実践しようとする方には、願ったりかなったりの健康成分と言えます。
アスペルロシドの内臓脂肪減少作用
杜仲茶には「アスペルロシド」と呼ばれる成分が含まれています。
「また、杜仲茶に含まれるアスペルロシドは上述の水溶性食物繊維のように胆汁酸を吸着・排泄するのではなく、回腸下部での胆汁酸の再吸収を抑制する。古い胆汁酸の排出を促し、新たな胆汁酸の分泌量を増やし、血液中の胆汁酸比率を高める働きにより、基礎代謝の増加・内臓脂肪減少・体重増加抑制に寄与している。」
この論文を最初に目にしたときは意味が良くわかりませんでした。胆汁酸には脂肪の吸収を助ける働きがあるので、内臓脂肪の減少に寄与するとは思えなかったのです。
この”もやもや”をスッキリするために調べてみました。
血液中の余分なコレステロールは肝臓で胆汁酸に変換されます。そして脂肪の吸収を助けるために胆汁として分泌されます。分泌された胆汁酸の大半は小腸で吸収され再利用される・・・このサイクルを繰り返します。
胆汁酸の元となる物質はコレステロール、つまり「脂質」です。
アスペルロシドの働きで、コレステロールが姿を変えた胆汁酸が再吸収されることなく体外に排出されます。
胆汁酸の濃度が低下すると、新たに胆汁酸が作り出されます。これはコレステロール(脂質)の減少を意味しますね?
せっかく新しく作られた胆汁酸ですが、アスペルロシドの働きで吸収されることなく体外へ排出されます。
このサイクルが繰り返されるとどうなるでしょう?胆汁酸の脂肪吸収の働きを上回るスピードでコレステロール(脂肪)が排出されていくのです。
この流れが「内臓脂肪の減少」をもたらすのです!
痩せホルモン「アディポネクチン」
「マウスに90日間にわたって高脂肪食のみを与えるグループと、高脂肪食と杜仲茶エキス、アスペルロシドを与えるグループに分けて、その内臓脂肪の変化を観察した研究によると、杜仲茶エキスとアスペルロシドを与えたグループは、高脂肪食だけのグループに比べて、内臓脂肪が有意に減少し、内臓脂肪が小型化する傾向が見られました。また、血中のアディポネクチンの増加と、悪玉コレステロールであるTNF-αの低下も認められました」
痩せホルモン、この言葉を聞いたことのある方もいるのではないでしょうか?
アディポネクチンは「痩せホルモン」として注目を集めるホルモンの一種で、善玉コレステロールに分類されることもあります。
運動すると筋肉中の酵素「AMPキナーゼ」が活性化し、糖や脂質がエネルギーとして消費されます。トレーニングを続けるとダイエットが成功する理由ですね?
驚くべきことに、「AMPキナーゼ」を活性化させる働きが、このアディポネクチンにあることが分かったのです。
このように、
- カテキン
- アスペルロシド
が体脂肪の減少に効果を上げるのに加え、痩せホルモン「アディポネクチン」の増加をもたらすことが、杜仲茶がダイエットによいと言われる理由だったのです。
利尿作用でデトックス効果
杜仲茶には利尿作用があります。
利尿効果が促進されれば、体内の余分な水分や毒素が排出されやすくなり、むくみを解消させることができます。
余分な水分は、当然ですが体重に上乗せされていますから、排出された分だけ体重が減っていきます。
杜仲茶の飲み方は?
ダイエット効果が期待できる杜仲茶ですが、特別な飲み方があるのでしょうか?
ウーロン茶と違い、あまりなじみがないので気になるところですが・・・
杜仲茶ダイエットには、とくにこれといって難しい制約などはありません。
一日5杯以上を継続的に飲めば効果があると言われていますので、みなさんのお好みのタイミングで飲んでいただければ大丈夫です。
ただしここで注意が必要です。杜仲茶ダイエットは、けっして「これさえ飲めば劇的に痩せる!」という即効性のあるダイエットではありません。
脂肪の減少に確かな効果が期待できる杜仲茶ですが、さすがにすぐに効果が実感できるものではないようです。地道にコツコツ・・・これが杜仲茶ダイエットを成功に導く秘訣なのです。
様々なダイエット効果が期待できる杜仲茶!カテキン、アスペルロシドに「痩せホルモン」アディポネクチンの効果を堪能しましょう!
杜仲茶ダイエットの効果は?痩せホルモンが増える飲み方は?のまとめ
なかなか聞きなれない「杜仲茶」。みなさんはこの名前をご存じですか?
「杜仲茶」は中国伝来のお茶のことで、昔から庶民に親しまれていたと言われています。
今日、ダイエットブームを背景に「お茶」が大人気ですが、実はこの「杜仲茶(とちゅうちゃ)」にも優れたダイエット効果があることがわかってきました。
たとえばこのお茶に含まれる「ポリフェノール」は、血中のコレステロールを抑制して血液をサラサラにしてくれる効果があります。
血液がドロドロだと、代謝機能が低下して脂肪燃焼効率が悪くなってしまいますから、生活習慣病の心配がある人にはうってつけですよね?
他にも”痩せホルモン”として注目を集めるアディポネクチンの増加を促す作用もあるというのです!
本記事では、そんな「杜仲茶」の魅力的な作用について迫っていきます。
記事の作成にあたっては記事中で触れた論文やサイトの他、以下の情報を参考にいたしました。
オムロン「「やせホルモン」と呼ばれる「アディポネクチン」って何?」
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/152.html