世にはさまざまなダイエット方法が存在するため、初心者の方はいったいどの方法が「正しい」のかと迷ってしまうに違いありません。また、同じダイエット法でも成功する人と失敗した人がいるなど、これではますます混乱してしまいますよね?同じダイエット方法なのに、どうして成功者や失敗者がいるのでしょうか?じつはダイエットに挫折しやすい人の特徴は、「真面目過ぎる」ことにあります。一方で、ダイエットに成功した人の多くは、「自分を甘やかすのが上手」なのです。そこで、今回は「我慢しないダイエット」についてお話を進めていきます。
「継続は力なり」。この言葉の重みはどんな物事にも共通しますが、ダイエットももちろん例外ではありません。ダイエットを成功に導く秘訣はストイックになりすぎずに、適度に“息抜き”をしてモチベーションを保ち、毎日のダイエットを「継続」させることにあるのです。ダイエットを成功に導く”息抜き”のコツとは?さっそくみていきましょう!
我慢しない?その方法とは?
食べ方を工夫する
張り切ってダイエットにチャレンジしたものの、食事量を制限した結果、あまりの空腹に耐えられず数日で断念・・・という経験をされた方もいるのではないでしょうか?
食事の摂り方を見直すことで、我慢せずにダイエットを続けることが可能になります。
よく噛んで食べる
「よく噛んで食べなさい!」小さい頃にこう注意された方も多いのではないでしょうか?よく噛んで食べる、食事の際によく言われる言葉ですが、これはダイエットをする上で大切なポイントなのです。
「よく噛んで食べると、食事が少量でも満腹のサインが脳に伝わりやすく食欲が抑えられることや、脳内物質の働きとして内臓脂肪の分解を促進することも知られており、二重のダイエット効果が期待できます。他にも、脳の活性化や、だ液の分泌が増え消化を助けるなどの効果もあります。食事は、よく噛んで、ゆっくり味わって食べましょう。」
引用:農林水産省 みんなの食育「よく噛んで、食べ過ぎを防ごう」
満腹中枢が刺激されることで、食事の絶対量を減らせるのがポイントです。自発的に食事の量が減らせるのです。我慢しているわけではないですよね?
こんな簡単なことでもダイエット効果が期待できるのであれば、すぐにでも取り組みたいですね!
炭酸水を飲む
ビールやコーラなど炭酸飲料を飲んだ後って、お腹が張った感じになりますよね?それは含まれる炭酸ガスが胃腸で膨らんだからです。それでお腹がいっぱいになったと感じるのです。
その効能を食事に取り入れない手はありません。食前に炭酸水を飲むことで、満腹感を早めに感じさせるのです。
少量ではかえって食欲を増進してしまうので、コップ一杯分(200ml)は飲むようにしましょう!
参考⇒炭酸水ダイエットの効果は飲む量次第!【やり方によってはデメリットも?】
野菜やスープから食べ始める
朝食、昼食で摂ったカロリーは日中の活動でエネルギーとして消費されるので、さほど問題ではありません。問題は身体活動がお休みモードに入る夕食なのです。
夕食はいろんな料理が並んで豪華になることが一般的です。色々ならんでいると食べる順番に悩んでしまいそうですが、野菜やスープをまず先に食べるようにしましょう。
温かいスープには満腹感・満足感を与える効果があることが、研究でも明らかにされています。その効果を先取りすることで、自然と食事の量を減らせるようにするのです。
また、野菜には豊富な食物繊維が含まれています。
食物繊維には
- 血糖値の上昇を抑える
- コレステロール値の低下
など、ダイエットに役立つ働きがあります。野菜を先に食べることによって、後で口に入れる主食やおかずの栄養分の吸収を穏やかにするのです。
ダイエット食材に置き換える
最近のダイエットの主流は食事制限に傾きつつあります。その中でも一番効果があるとされているのが、糖質を制限する方法でしょうか?
みなさんの中にも何らかの食事制限をやったことがあるという方もいるかと思いますが、食事制限は全体的な食事量を制限してしまう傾向があります。それが空腹感を感じてしまう理由です。
でも、それを我慢してはいけません。全体的な食事の量を減らす分、ダイエットに役立つ食材を食べて空腹感を紛らわせるのです。
ダイエット中に多目に摂った方が良い成分に、タンパク質があります。タンパク質は筋肉の原料ですが、1日の消費カロリーのカギを握る基礎代謝は筋肉の量に比例すると言われています。
筋肉の維持・増強を図ることで基礎代謝量が増加、代謝が良くなる分食べられる量も増やせるのです。
満腹感も得られて消費カロリーの底上げも期待できる、タンパク質は我慢しないダイエットになくてはならない食材と言えるのではないでしょうか?
間食をダイエット食材に
仕事の合間にお菓子を口にする。職場でよく目にする光景ですね?みなさんの中にも、デスクの引き出しにお菓子を隠している人がいるのではないでしょうか?
「間食とは、食事(朝食・昼食・夕食)以外に摂取するエネルギー源となる食べ物と飲み物のことで、その種類は、お菓子・嗜好飲料(ジュースやお酒)・果物・菓子パン・ファストフードなど様々です。平成17年国民健康・栄養調査の結果によると、男性では61%女性では77%の人が間食をしていました。その中でも「毎日」間食する人の割合は、男性では42%女性では57%の割合でした。間食をしない人よりも間食をする人の方が多く、さらに男性よりも女性で多いことがわかりました。(中略)一般的に洋菓子と言われるケーキ・クッキー・チョコレート・スナック菓子などのような間食は、糖分と脂肪が多く高エネルギーのものが多いです。スナック菓子においては、塩分も多く含まれています。」
引用:厚生労働省 e-ヘルスネット「間食のエネルギー(カロリー)」
いまさら言うまでもなく、ダイエットは基本的に“我慢”を強いられます。とくに、現在もっとも主流の「食事制限(食事コントロール)ダイエット」は、食べることの我慢を必要とされます。だから、欲望に忠実な食生活を送っていればいるだけ、ダイエット時の“我慢”の強度は高まるので、必然的にストレスの度合いも大きくなってしまいます。
ダイエットに挫折する人は、もともと食べることが大好きでカロリーを気にせず好きなモノを食べ、小腹が空けばすぐに間食や夜食を食べるといった生活習慣が染みついている傾向があるとしばしば言われるのは、そのためです。
なかには、「わたしに我慢なんて無理!そんな自分がダイエットできるとは思えない」とスタート地点に立つまえから減量を諦めてしまっている人もいます。
しかしご安心ください。「ダイエット=我慢」という単純な思い込みから脱却すれば、我慢の苦手なあなたにだって減量は必ずできます。
というのも、「我慢しないダイエット」はいきなり間食や夜食を止めるのではなく、健康的でヘルシーな「ダイエット食」に置き換えることで、空腹感を紛らわせる方法だからです。
間食や食べ過ぎの欲望は、つまるところ「空腹感」に由来するわけなので、ある程度の満腹感さえ得られれば、余計なカロリーを摂取する必要がなくなります。
では、置き換える「ダイエット食」にはどのようなものがあるのでしょうか? 以下に、オススメの「間食」食材をいくつかピックアップしていきましょう。
するめ
間食はつまるところ「小腹が空いたな」という空腹感を紛らわせるために生じる欲求です。ですから、根本的な話、満腹感さえ得られれば、“おやつ”の内容はなんでもいいわけです。
するめはみなさんもよくご存じのように、歯ごたえ・噛み応え抜群の食べ物です。よく噛まないと飲み込めない食材なので、噛む回数が増える分満腹中枢も刺激され、少ない量で満腹感が得られるのです。
また、するめはタンパク質が豊富なうえに、コレステロールを減らしてくれるタウリンも含まれています。
参考⇒するめダイエットのやり方は食前に食べて満腹効果を得ること!【小顔にもなれる?】
ナッツ
脂が多いのでダイエットに向かないと思われるナッツですが、様々なダイエット効果が期待できる成分が豊富に含まれることで注目を集めています。
- 肥満を抑制するレスベラトロール
- 悪玉コレステロールを低下させるオレイン酸
など、空腹を紛らわせるための間食で、これらのダイエット成分が摂取できるのは何よりですね!
ヨーグルト
整腸効果が期待できるヨーグルト、乳製品なのでタンパク質も摂取できます。胃腸は健康状態はもちろん、ダイエットにも影響を与える重要な臓器です。
間食にヨーグルトを選ぶことで、健康を左右する腸内環境にも気を配るようにしましょう!
運動しよう!
我慢しないダイエットは食事の量を制限するわけではないので、他のダイエット法と比べると摂取するカロリーが多めになってしまうのは否定できません。
でも、それをバネに運動を始めてみてはいかがでしょう?食べすぎたから何とかしないと・・・という”罪悪感”を活用するのです。
有酸素運動
脂肪燃焼に効果的なのは有酸素運動です。ウォーキングにサイクリング、ジョギングなど、身体の脂肪を効率的に燃やしてくれる運動です。
身体活動のエネルギー源はグリコーゲンですが、貯蔵量に限りがあるため、それが尽きると体脂肪からエネルギーを得るサイクルに切り替わります。
ある程度まとまった時間が必要になる有酸素運動ですが、身体に大きな負担がかからない、手軽にできる運動であるところが何よりの魅力です。
食後の散歩、これを習慣化しましょう!
参考⇒有酸素運動はダイエットの決め手!【筋トレよりも脂肪燃焼効果が見込める!】
筋トレ
何もしなくても脂肪を燃やしてくれる基礎代謝、この機能を大切にしたいですね!先ほども触れましたが、この基礎代謝は筋肉量に比例します。筋肉量を増やすのは、そう、筋トレです。
先ほどの有酸素運動でも筋力の維持は可能ですが、より基礎代謝量を上げるのであれば筋トレをするのが近道です。筋トレと言っても、本格的なジムに通ったり、トレーニング機器を揃えたりする必要はありません。
スクワットや腕立て伏せ(プッシュアップ)など、手軽に取り組める筋トレは数多くあります。
正しい筋トレに取り組んで、効率よく筋肉量を増やしていきましょう!
参考 スクワットのやり方
短期間で成功するダイエット法もありますが、リバウンドという副作用があるのが怖いところ。我慢しないダイエットの良さはストレスを感じずに、じわじわとダイエットを受け入れる体制を作り上げるところにあります。
ダイエットは、摂取カロリー < 消費カロリー の関係が何よりも大切になります。ちょっとした心がけと工夫で摂取カロリーを減らし、運動を適度に取り入れることで消費カロリーを増やしていく。
自然体で取り組むことで”我慢せず”にダイエットを成功させましょう!
記事の作成にあたっては記事中で触れた論文やサイト、動画の他、以下の情報を参考にいたしました。
平成23年度日本調理科学会大会「スープの品温が満腹感に及ぼす影響」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajscs/23/0/23_0_182/_article/-char/ja/