太りやすい人はたいていの場合、食生活に特徴があります。偏食だったり、食べ過ぎだったり、間食が多かったり、夕食の時間が遅かったり、などなど。改善すべき食生活のあり方は人によってさまざまですが、今回のテーマは、ズバリ「早食い」です。早食いとは、その名の通り、食べるのが早いことを言います。みなさんの周りにも、やけに食べ終わるのが早い人いませんでしたか? その差はいったいどこにあるのでしょう?
じつはそういう人は、「よく噛まないで飲みこんでいる」から結果的に「食べるのが早い」だけなんです。では、それのなにが問題なのかと言いますと、食べ物をよく噛まないで飲みこむクセがついている人は、太りやすい体質になっているのです。今回は、そんな早食い癖がついている人のために、早食いを改善することでどのようなダイエット効果があるのかについて説明していきたいと思います。
早食いは太る?
「早食いは太る」、よく耳にする言葉ですが、本当にそうなのでしょうか?
「平成21年の国民健康栄養調査では、肥満度(やせ:BMI18.5未満、ふつう:BMI18.5以上25未満、肥満:BMI25以上)と食べる速さ(「食べる速さは?」という質問に対し、「かなり速い」・「やや速い」を「速い」、「普通(ふつう)」を「ふつう」、「やや遅い」・「かなり遅い」を「遅い」と再定義)との関係を調べています。その結果、男女とも肥満度が高い人ほど、食べる速さが「速い」人の割合が多く、「遅い」人の割合が少ないことが分かりました。この傾向は、わが国で実施された、いくつかの疫学研究でも同様に観察され、また学童においても同じく傾向がみられております。従って、早食いの人には肥満の人が多いというのは、多くの研究においても裏付けされていることになります。」
(引用:国立保健医療科学院 咀嚼支援のページ FAQ「Q2. 早食いの人には肥満の人が多いと聞くが本当か?」
このように、肥満度と食べる速さは間違いなく関係があるのです。ではなぜ、早食いは太るのでしょうか?
「肥満症患者の大多数は「早食い」である。「早食い」は正常の満腹感から逸脱した過食の原因になる。満腹情報として本来、食行動調節に主要な役割を果たしている消化管の機械的刺激や吸収後の代謝産物等の情報が、「早食い」によって機能しなくなるからである。」
食事をすると、その消化吸収の過程で血糖値が上がります。この情報が脳(満腹中枢)に伝達されることで満腹感を覚えることになるのですが、この機能が早食いによって麻痺してしまうんですね。
満腹感を感じなくなると、その分多く食べてしまうことは簡単にイメージできますよね?
血糖値が上昇するとすい臓からインスリンが分泌され、エネルギー源のグリコーゲンに変換し筋肉や肝臓に蓄えます。でも、その貯蔵量がいっぱいになると、今度は脂肪として蓄えるようになるのです。
食事を摂り続けると脂肪の原料となる糖が際限なく供給されることになります。生活の中でこのエネルギーを消費していればよいのですが、現実は難しいですよね?
これが続くことで太ってしまうのです。
早食いを治すには?
時間を節約できるのが早食いのメリットかもしれませんが、早食いの弊害を考えると悠長に構えてもいられませんね。では、どのようにすると早食いを改善できるのでしょうか?
よく噛む
当たり前ですが、やはり「よく噛んで食べる」ことは何度強調してもしすぎることはありません。
「よく噛んで食べると、食事が少量でも満腹のサインが脳に伝わりやすく食欲が抑えられることや、脳内物質の働きとして内臓脂肪の分解を促進することも知られており、二重のダイエット効果が期待できます。他にも、脳の活性化や、だ液の分泌が増え消化を助けるなどの効果もあります。食事は、よく噛んで、ゆっくり味わって食べましょう。」
引用:農林水産省 みんなの食育「よく噛んで、食べ過ぎを防ごう」
よく噛んで食べるのが良いのは、唾液の消化酵素「アミラーゼ」が胃腸での消化吸収を助けるからだと筆者は思っていましたが、これ以外にもいろいろなメリットがあったのですね。
食欲が抑えられる、内臓脂肪の分解を促進するなど、ダイエット効果が盛りだくさんなのです。
食事量は少ないのに痩せない、とお悩みの方がいるかもしれませんが、この「よく噛んで食べる」ことを意識して実践するだけで、良い結果がでるかもしれません。
食材を工夫する
よく噛んで食べる、当たり前の解決法ですが、強く意識しないといつのまにか無意識のうちによく噛まずに流し込むようになるかもしれません。
そこで、「噛まないと飲み込めない」ように献立を工夫してみましょう。
噛まないと飲み込めない食材には
- 玄米
- ごぼう
- 切り干し大根
- れんこん
- 豆類
- 昆布
- 小魚
などがあります。
また、調理の際に食材を大きめに切るというのも1つの方法になります。早食いとはいっても丸のみにできるわけではないので、「口の中で細かくする(=よく噛む)」過程をプラス出来れば、それだけで噛む回数が増えていきます。
他にも
- 料理を固めに仕上げる
- 味付けを薄くする
- お茶や水は食卓に置かない
などと言った方法もあります。工夫次第で他にもいろいろな方法が思いつくかもしれませんね!
少ない食事量でおかわり禁止
あえて少ない食事量にしておかわりを禁止にする。
これは筆者が日ごろ実践している方法です。メリットは食事量が少ないからこそ「よく味わって食べる」意識が芽生えることです。
「足りなければおかわりすればいいか!」という安易な気持ちもなくなって、食べ過ぎも防げるので一石二鳥です。
いきなり食事量を少なくすると空腹感でストレスがたまるかもしれません。なので、最初は「おかわりを我慢する」ことから始めてみましょう。
炭酸水を食前に飲む
炭酸水のシュワシュワには胃を膨らませる効果があります。食事の前にたくさん飲んで、炭酸ガスで胃を膨らませておくのです。
炭酸ガスの効果もありますが、水分を摂ることによる満腹効果も見込めます。
ただ、この炭酸水は少しずつ飲んでは意味がありません。少量の炭酸水は逆に食欲を増進させてしまうので、逆効果になってしまいます。
ある程度まとまった量を一気に!これが満腹感を感じるための炭酸水の飲み方です。
よく噛むことの効果
早食いはその人にとっては”習慣”といっていいものです。習慣を直すのは並々ならぬ努力が必要です。途中で挫折することのないように、早食いを治すことによって得られる効果(ご褒美)を上げておきましょう。
食べ過ぎがなくなる
噛む回数が増えれば増えるほど、脳の「満腹中枢」が刺激されるので、「もうお腹イッパイだよ」という信号が発せられます。そうなれば、食べ過ぎを防止することができます。
ダイエットは、摂取カロリー < 消費カロリー の関係が成立することで成功に近づきます。
よく噛むことで摂取カロリーの低減が達成できるのです。ダイエットに成功すると、周りの見る目もガラリと変わります。
よく噛むだけでダイエット効果が期待できるのですから、これほど楽なダイエット法はないですよね?
代謝が良くなる
よく噛まないで食べると、そのぶんだけ胃腸が消化のためにフル活動をしなければならなくなります。もともと「噛む」という行為は、消化をしやすくするためのものです。
よく噛んで食べることで、胃腸にかかる負担を軽くすることができるのです。
ダイエットと内臓の働きは非常に密接な関係にあります。胃腸(消化吸収能力&腸内環境)の状態が悪ければ代謝にも悪影響が及び、脂肪燃焼効率が落ちてしまうのです。
こうなると肥満のリスクが高まりますよね?よく噛んで食べることで、このリスクを減らすことができるのです。
便秘も改善
よく噛んで食べるように心がけると、胃腸の消化不良が改善され、便秘も防ぐことができます。しばしば便秘の原因は「食物繊維」の不足と捉えられがちですが、けっしてそれだけではありません。
胃腸を酷使しすぎて働きが弱まっているような場合にも、便秘が起こってしまうものです。
便秘は腸の活動にも悪影響を与えます。腸内環境は、美容・健康・ダイエットの命運を左右する非常に重要な場所です。
早食いを治すことで胃腸の負担を減らすことが出来れば、腸の状態を改善することも可能になります。
そうすることで、ダイエットはもちろん、健康にもなれるのであれば、「よく噛む」ことの大切さが理解できますよね?
早食いは習慣なので直すのは大変かもしれませんが、健康と美容のためにもいち早く改善した方が貴方にとって良いことに違いありません。直接に肥満を解消する方法ではありませんが、肥満になりやすい状態から脱するという意味では、体重に変化がみられることは間違いありません。
早食いは太る原因になる?【治すだけでダイエットにもメリットが!】のまとめ
「じつは昔から早食いで……」と心当たりのある方は、ぜひとも実践してみてください!“いま痩せる”ことも当然大切ですが、“これからも太らない”ライフスタイルを維持することに勝るものはありません。
記事の作成にあたっては記事中で触れた論文やサイトのほか、以下の情報を参考にいたしました。
スマイル歯科「よく噛める食事・食材とは?」