舞茸ダイエットは、近年の研究で着目されつつある、きのこのダイエット効果にスポットが当てられたことで、注目を集めるようになったダイエット方法です。人工栽培技術の発展のおかげで、舞茸は1年中食べられるようになりましたが、その旬は秋!天ぷらは最高においしいですよね?
この、食べておいしい舞茸にはどのような効果やメリットがあるのでしょうか? またその方法とは? 舞茸ダイエットをさっそくチェックしてみましょう。
舞茸ダイエットの効果を出すやり方は?
舞茸ダイエットの方法はいたってシンプル!普段の食事に舞茸を取り入れて継続的に摂取するだけです。
舞茸を食べる代わりに、主食など別の献立を制限するといったダイエット法ではありません。バランスのよい食事の中に舞茸を加える、というところがポイントです。
ストレスなく続けられるのもメリットですね!
食べる回数と量は?
舞茸ダイエットの方法は、1日に1回、30~50gの舞茸を食べるだけ、と簡単です。
舞茸50gは、およそ1/2パック分の量です。舞茸は、食べ過ぎるとお腹が緩くなることがあります。
これは豊富に含まれる食物繊維の”副作用”でしょうか?効果をアップさせようと大量に食べることは避けましょう。
舞茸は「まるごと」食べること!
舞茸に含まれるダイエット効果が期待できる成分は水溶性の物質です。
舞茸を熱することにより抽出され、また熱によって分解されやすいため、調理をする際にいくつかの注意点があります。
1.素早い加熱を心がけること
舞茸の成分は130度を超えると分解されはじめると言われています。
そのため、焼く・炒めるといった調理方法は、過度に加熱することがないよう、火加減に気を付けましょう。
2.煮汁も全て食べること
舞茸を煮ると黒い煮汁が出てきます。この煮汁こそ、健康成分MXフラクションの証なのです。
この煮汁も全て使用するようにしないと、せっかくの舞茸の効能が期待できません。
3.水洗いをしないこと
MXフラクションを始め、舞茸のダイエット成分は水溶性です。成分が流れ出るのを避けるため、舞茸は水洗いをしないようにします。
汚れが気になる場合には、水で濡らして固く絞ったふきんなどで拭き取ります。市販品の多くは、目に見える汚れは付着していないため、洗わずに手でほぐしてそのまま使用できます。
舞茸は煮汁まで摂取する
先述した通り、MXフラクションは水溶性のため調理の際に溶け出すことが良くあります。
そのため、煮物やスープなど、煮汁までしっかりと摂取できる調理法を選択するのが、舞茸ダイエットのポイントです。
また、舞茸を焼いて食べる時は、アルミホイルに包んで蒸し焼きにするなどの調理法がおすすめです。
こうすることで煮汁を逃がさず、MXフラクションを摂取しやすくなります。
舞茸のダイエット効果は?
近年、健康効果の研究が進むキノコ類。言うまでもなく舞茸もキノコの1種なので、身体に良い成分が豊富に含まれているに違いありません。
早速見ていきましょう!
キノコキトサンの脂肪減少効果
キノコキトサンはエノキから発見された健康成分です。今回ご紹介する舞茸にも豊富に含まれています。
このキノコキトサンには、内臓脂肪を減少させる効果があることが明らかになっています。
「以上のことから,キノコキトサンは,内臓脂肪型肥満をL病態として様々な生活習慣病の発症に関わる肥満を明らかに抑止することが確認された.その作用は,キノコキトサンに よる腸管での脂肪吸収の抑制と脂肪細胞での脂肪分解を介した血中脂質の改善および肝臓組織への脂肪蓄積の抑制によるものと考察する.すなわち,キノコキトサンは,過剰に蓄積した内臓脂肪を原因とするメタボリックシンドロームの発症の抑制に寄与することが期待できる抗肥満作用を有するきのこ由来の優れた食品素材である.」
引用:日本きのこ学会誌 「肥満モデル動物におけるキノコキトサンの抗肥満効果」
「肥満を明らかに抑止することが確認された」とありますね?ここまで効能をはっきりと謳う文献にお目にかかるのはなかなかありません。
脂肪の蓄積予防と分解の促進、入口と出口の両方で脂肪にダイレクトに作用するのがキノコキトサンなのです。素晴らしい肥満予防効果ですね!ダイエッターには朗報ともいえる研究結果です。
2種類の食物繊維が含まれる
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の違いについて
一般的に食物繊維は「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」に分類されます。では両者のあいだには、いったいどのような違いがあるのでしょう?
じつは、腸内における働きや特性が違うのです。
「水溶性食物繊維は、水に溶けやすく、水に溶けるとゼリー状になります。小腸での栄養素の吸収の速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。また、コレステロールを吸着し体外に排出することで血中のコレステロール値も低下させます。さらに、ナトリウムを排出する効果もあるので、高血圧を予防する効果もあります。食物繊維は低カロリーで肥満の予防にもなるので、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化など、さまざまな生活習慣病の予防に効果があります。水に溶けにくい不溶性食物繊維は、水分を吸収して便の容積を増やします。便が増えると、大腸が刺激され、排便がスムーズになります。また、有害物質を吸着させて、便と一緒に体の外に排出するため、腸をきれいにして大腸がんのリスクを減らしてくれます。また、どちらの食物繊維も大腸内の細菌により発酵・分解され、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になるため、善玉菌が増え、腸内環境が改善されます。」
引用:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」
たいていは「一食材に一種類の食物繊維」なのですが、今回の主役である舞茸は、なんと不溶性・水溶性のどちらも備えている食材なのです。
さらに、舞茸に含まれる水溶性食物繊維は「β-グルカン」と呼ばれる、最近注目を集めている成分です。
β-グルカンには内臓脂肪の低減に効果があるということが、研究結果でも明らかにされています。
2つの食物繊維のダイエット効果
水溶性食物繊維には
- 血糖値の上昇を抑える効果
- コレステロールを排出させ、コレステロール値を下げる効果
といった働きがあることがわかります。
血糖値が上昇するとすい臓からインスリンが分泌され、糖をエネルギー源のグリコーゲンに変換し筋肉や肝臓に蓄えますが、その貯蔵量が限界に達すると今度は脂肪として蓄積されてしまいます。
まわりまわって脂肪の原料となってしまう糖の絶対量を低下させることで、ダイエット効果が期待できるのです。
また、血液中の悪玉コレステロール値が増えると、高脂血症と呼ばれる状態に陥ります。高脂血症は動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞といった重篤な病気を引き起こす原因となるのです。
コレステロールも脂肪の1種、水溶性食物繊維のコレステロールを排出する働きが、ダイエットに良い結果をもたらしてくれるのです。
不溶性食物繊維には、排便を促す働きがあります。排便とともに腸内の有害物質も排出され、これで腸内のデトックスが終わります。
さらに、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維の双方に、善玉菌のエサとなって善玉菌を増殖させる効果が期待できます。
腸内環境は、美容・健康・ダイエットの命運を左右する非常に重要な要素です。腸の具合がカギを握っているわけですから、舞茸から得られるこれらの2種類の食物繊維効果は、まさにお通じの調子が悪いダイエッターには最適な食材だと言えるのです。
舞茸に含まれるMXフラクションが脂肪の分解を促進する
MXフラクションという成分を聞いたことがありますか?
このMXフラクションは日本の研究者が発見した成分で、代謝を向上させて脂肪の分解を促す効果があると言われています。
この「MXフラクション」とは、他のキノコ類にはない「舞茸」だけに含まれる特有の成分で、神戸薬科大学の微生物化学の研究室で発見されました。「MXフラクション」には、ついつい食べ過ぎてしまう人にぴったりな、太りにくいからだ作りに役立つ働きがあるんです。
「MXフラクション」の働き
- 肝臓におけるブドウ糖の合成を抑える
- インスリン受容体の感受性を高める
これらにより、血糖値の上昇を穏やかにします 。
さらに、
- 肝臓でのコレステロール合成抑える
- 小腸および肝臓におけるコレステロールの吸収を抑える
- コレステロールの排泄を促進する
ことで、脂質低下作用を発揮します 。
引用:雪国まいたけ 「まいたけだけが持つダイエットパワー。「MXフラクション」に注目!」
「血糖値の上昇を抑える」、健康食品のCMなどでこのフレーズを聞かない日はありませんよね?血糖値の上昇を抑えるのは、ダイエットのみならず健康の維持にとっても大切な要件になるのです。
さらにMXフラクションには、コレステロールの合成を抑え、これを吸収し、さらに排出を促進するという働きがというのです。
コレステロールも脂質の1種です。
余分な脂質を抑えるのがダイエットの目的の1つであれば、このコレステロールに働きかける作用は、ダイエットを進めるうえでまたとない効能なのです。
手軽にできる舞茸レシピをご紹介!
舞茸を簡単に手軽に食べるためにはレシピがポイントですね!おすすめレシピをご紹介いたします。
最初に食べて効果あり「わかめと舞茸の二杯酢和え」
「二杯酢」は、だしと醤油と酢を1:1:1の割合で合わせたものです。かつおだしを用いることで、だしが香るおいしい酢のものとなります。
手で食べやすく割いてから、合わせ調味料に使うだしで軽く蒸し煮にして冷ましてから、わかめと他の調味料を加えるとよいでしょう。
だしを使うのが面倒な場合には、舞茸をレンジで加熱し、汁を捨てずにめんつゆと酢を2:1の割合でかけて和え、冷めたところでわかめを加え、ごま油を少々たらすのもおすすめです。
麺つゆで手軽に作る「舞茸の炊き込みご飯」
炊飯器で作る簡単な炊き込みご飯も、舞茸の成分をそのまま摂取できるのでおすすめです。
ここでは、めんつゆを使って手軽に作る方法をご紹介します。
舞茸の炊き込みご飯を作る場合、米3合に対し舞茸を1/2~1パック用意します。
舞茸は手でほぐして小房に分け、米は洗い電気釜の内釜に入れ、米3合に対し麺つゆを大さじ6杯加えます。
普段通りの水加減で水を加え、軽く混ぜてから、舞茸を入れて炊飯します。炊き込みご飯のモードがあれば、炊き込みご飯モードで炊きましょう。
好みで、にんじんや油揚げを加えてもおいしくなります。にんじんを加える場合には1/3~1/4本分を、皮を剥いて千切りにしたものを加えます。油揚げは、1/2~1枚を縦半分に切ってから細切りにします。
市販のスープで「舞茸シチュー」
コンビニエンスストアやスーパーで購入できるカップスープや、パックのスープに舞茸をプラスするのもおすすめです。
スープは白いポタージュやクリーム系、トマト系のものがよく合います。
舞茸スープ
カップスープの場合には、はじめに耐熱性の器に小房に分けた舞茸を入れ、軽く塩・コショーを振り、ラップをしてレンジにかけます。
舞茸に火が通ったらスープの粉を器に入れ、お湯を注ぎます。舞茸から水分が出るため、お湯の量を少し少な目にするとよいでしょう。
パックのスープの場合には、鍋に舞茸を入れてスープを注ぎ、温めるだけでOKです。
ここでは、高温を避けるために、油を用いない方法のものをご紹介しましたが、舞茸は様々な料理に合います。特別に手をかけたり、工夫をしなくても、普段の料理に取り入れるようにするだけでよいでしょう。
その際は、味噌汁や煮込み料理など、舞茸の成分をまるごと摂取できるものが特におすすめです。
その他のおすすめ舞茸レシピを動画で!
舞茸はダイエットする方に是非利用していただきたい食材なので、おすすめのレシピをさらに動画でご紹介しております。
低糖質であり、低カロリーの舞茸はスープでもその他の料理にも欠かせません。
舞茸ダイエットで痩せないのはなぜ?
ダイエット成分が豊富にもかかわらず、「痩せない」といった体験談が良く寄せられます。
少しも痩せない、むしろ太ったという場合、その原因としては以下のようなことが考えられます。
1.食べる量が多い
舞茸ダイエットには食事制限は必要ありません。そのため、食べる量を気にせず、たくさん食べている場合があります。
舞茸にはダイエット効果のある成分が多く含まれているとはいえ、即効性を期待できるものではないのです。
もともと食べる量が多い人や、舞茸を食べているからと言って普段よりも他の食事を多く食べてしまっては、痩せないというのも無理がないかもしれません。
2.成分をしっかりと摂取できていない
舞茸に含まれるダイエット成分を摂取できていない場合、成分がもたらす効果を十分に得られない場合があります。
見栄えが良くないからと言って、黒い煮汁を捨てていないでしょうか?舞茸ダイエットをしているのに、少しも痩せないという場合には、調理法を見直してみましょう。
油を使った高温調理は避け、煮物や炊き込みご飯など、調理の際に出る汁ごと摂取できる調理法に切り替えてみてください。
健康成分が豊富とはいえ、舞茸ダイエットは「これだけを食べていれば劇的に痩せる!」というものではありません。しっかりと痩せるには、成分を取りこぼさない・適度な運動も取り入れるといったことも必要です。
舞茸はダイエットの“補助食品”という位置づけだということを念頭に置いてください。
舞茸の知識も勉強しよう!
舞茸はサルノコシカケ科に属すキノコで、独特の香りと食感のよさが特徴です。
野生の舞茸は秋に広葉樹の根元に生えますが、非常に稀少なため、天然物はマツタケと同等に珍重されるのです。
舞茸の名は踊り出してしまうほど味がよいことに由来するとされています。
人工栽培のものが販売されています
現在、市場に出回る舞茸のほとんどが人工的に栽培されたものです。その多くは菌床栽培のものなので土や汚れがついておらず、洗わずに調理に用いることができます。
舞茸を購入する際には、軸が白く、硬くてハリがあるものを選びましょう。
かさの部分は厚みがあり、触れただけで折れてしまうほどパリッとしたものが、おいしい舞茸です。購入後はペーパータオルで包んでからポリ袋に入れると、冷蔵庫の野菜室で2~3日保存できます。
舞茸ダイエットの効果的なやり方は?簡単スープレシピもご紹介!のまとめ
人口栽培技術の発達により1年中手に入るようになった舞茸。
舞茸に豊富に含まれるキノコキトサンは、脂肪の蓄積予防と分解の促進という入口と出口の両方で脂肪にダイレクトに作用します。
また不溶性と水溶性の2種類の食物繊維も含まれており、血糖値の上昇を抑え、コレステロール値を下げる効果があります。
排便を促し、さらに腸内環境を整える働きもあるので嬉しいことだらけです。
ダイエットだけではなく、健康維持にも活躍してくれる舞茸は毎日30〜50g摂取するのが理想ですが、調理法にコツがあります。
水洗いは避け、素早く調理し、煮汁も含めたまるごと摂取すること。食べる量を調整し、成分をしっかりと摂取出来れば効果的な結果が得られるでしょう。