今回ご紹介するのは、題して「おやつ抜きダイエット」です。ふだん食べている「おやつ」を抜いて、無駄な摂取カロリーを抑えるのが目的のダイエットです。「おやつなんか食べていたら、そりゃ太るに決まっているでしょ」なんて至極ごともっともな反応が返ってきそうですが、これを「当たり前のこと」と言い捨てるわけにもいかないのです。と言いますのも、ダイエットをしなければならなくなった人のなかには、おやつの習慣を欠かさず毎日続けている方が多いからです。
みなさんには、心当たりはないでしょうか? 「おやつなんか食べていたら、そりゃ太るに決まっているでしょ」と思ったそこのあなたも、じつはおやつが大好きだったりしませんか?しかもそれだけではありません。厄介なのは、このおやつの習慣がすっかり身体に沁みついてしまっており、ダイエット中の身にもかかわらずおやつを食べてしまうダイエッターがいます。それでは痩せるわけがありませんよね?今回は、おやつにまつわる生活習慣の見直しと改善にスポットを当てていきます。おやつ抜きダイエットは、おやつを食べないことの大切さを説きつつ、それを意識することで、ダイエットにどれだけの恩恵があるかについて説明していきます。
おやつ抜きダイエットとは?
おやつ抜きダイエットとは、1日に食べる朝食・昼食・夜食の基本的な3食以外は食事をしないというダイエット方法です。簡単に言ってしまえば、おやつを一切口にしないということです。
おやつ抜きが辛いという方は意外と多いのではないでしょうか?
「間食とは、食事(朝食・昼食・夕食)以外に摂取するエネルギー源となる食べ物と飲み物のことで、その種類は、お菓子・嗜好飲料(ジュースやお酒)・果物・菓子パン・ファストフードなど様々です。平成17年国民健康・栄養調査の結果によると、男性では61%女性では77%の人が間食をしていました。その中でも「毎日」間食する人の割合は、男性では42%女性では57%の割合でした。間食をしない人よりも間食をする人の方が多く、さらに男性よりも女性で多いことがわかりました。(中略)一般的に洋菓子と言われるケーキ・クッキー・チョコレート・スナック菓子などのような間食は、糖分と脂肪が多く高エネルギーのものが多いです。スナック菓子においては、塩分も多く含まれています。」
引用:厚生労働省 e-ヘルスネット「間食のエネルギー(カロリー)」
統計でもはっきりしていますが、
- 男性:61%
- 女性:77%
の割合でおやつを食べているのです。みなさんの周りにも、机の引き出しにお菓子を隠している人は多くいるのではないでしょうか?
おやつを抜いたらすごいダイエット効果が?
カロリー摂取が抑えられる
食べるものにもよりますが、おやつはお菓子、カロリーが高めなのは間違いなさそうです。
「おやつを抜けば、そのぶんだけ痩せる」――何度強調してもし過ぎることのない、まぎれもない真実です。おやつのカロリーをあなどってはいけません。
おやつは1日200kcal程度が適量と言われていますが、
- クッキー3枚
- 大きめの煎餅3枚
- ドーナツ1個
程度で、その許容量を軽くオーバーしてしまいます。これ以上食べている人も多いのではないでしょうか?
意外と多いおやつのカロリー、おやつを抜けばどれだけ体重に変化がみられるのか?まずは一ヵ月間「おやつ抜き」をお試しあれ。必ず“発見”があるはずです。
胃腸を休めることで負担が減り、消化吸収能力が向上
習慣的におやつを食べる人は、基本的に胃腸の休まる暇がなく、常時“働き続けている”状態にあります。みなさんもよくおわかりいただけるかと思いますが、人間誰しも「働き続ける」とオーバーワークでへとへとになってしまいますよね?
そうなると、本来の力を発揮できずに、どんな仕事も運動も効率が落ちていくことになります。
じつはこの“オーバーワーク”は、胃腸にも同じことが言えるのです。暇さえあればおやつをつまんでいる人の胃腸は、つねに消化吸収の“仕事”に追われている状態ですので、片時も休まる暇がありません。この状態が続くと、次第に胃腸の「消化吸収」という大事な仕事の効率も落ちていってしまいます。
ダイエットと内臓の働きは非常に密接な関係にあります。胃腸(消化吸収能力&腸内環境)の状態が悪ければ肥満のリスクが高まり、脂肪燃焼効率が低くなってしまうのです。
というのも、消化吸収の力が弱ければ、効率的にエネルギーを変換させることができなくなり、無駄に脂肪を体に溜めこむことになってしまうからです。つまり、消費(燃焼)と蓄積のバランスが釣り合っていないということです。
お金の出費(消費)よりも貯金(蓄積)が上回る状態はたいへんありがたい話ですが、ダイエットの世界では、貯めこむことよりも消費(燃焼)が上回るか釣り合っている状態が望ましいのです。
おやつ抜きダイエットを実践すると胃腸を“休める”ことができます。消化吸収機能がほとんど停止した状態になりますので、胃腸のオーバーワークを防止できます。
胃腸が休まるようになると代謝が改善されるので、消化不良のリスクが減るだけでなく、消化吸収効率や脂肪燃焼効率が改善され、「痩せやすい身体」へと体質を変えていくことができるようになります。
「冷え性」や「便秘」も改善
便秘の原因は「食物繊維」の不足と捉えられがちですが、けっしてそれだけではありません。胃腸を酷使しすぎて働きが弱まっているような場合にも便秘が起こってしまうものです。
便秘が美容健康に悪影響を及ぼすだけでなく、それが肥満にもつながるということは、いまやダイエットの常識です。
では、便秘が起こると、肥満のリスクにどのような影響を与えるのでしょうか?以下に、簡潔なシナリオを書いてみました。
【便秘発生 → 体内のエネルギー吸収効率落ちる&悪玉菌発生 → エネルギー代謝が落ちる → 太りやすくなる&毒素が身体をめぐり美容を害する】
このように、便秘は肥満と美容破壊への道を用意してしまうのです。
便通が良くなれば、不要な老廃物が排出されやすくなり、肌荒れを防ぐとともに、デトックス効果でむくみも解消されていきます。
腸内環境は、美容・健康・ダイエットの命運を左右する非常に重要な場所です。おかし抜きダイエットで胃腸を休めることは、ダイエットのみならず、他の様々な健康効果も期待できるのです。
塩抜きダイエットも同時に実践
「日本人の食塩摂取量は以前から多く、最近は減少傾向にありますが、まだ世界的に見ると多い状態です。食塩の摂り過ぎは、高血圧をはじめ種々の健康障害をもたらすと考えられています。食塩を減らすと血圧が下がることも明らかで、高血圧治療ガイドラインでは、減塩が強く推奨されています。」
引用:国立循環器病院研究センター 循環器病院情報サービス「食塩と高血圧と循環器病」
「塩抜きダイエット」。
これは、現代型食生活の問題点である「塩分過多」を見直し、身体のデトックス効果を高めて痩身効果を得るアプローチのダイエットです。
おやつは塩分過多の食品の代表格なので、おやつ抜きダイエットを実践すれば、同時に塩抜きダイエットをすることが可能です。
では、塩抜きダイエットにはどのような効果があるのでしょうか?
それは主としてふたつの効果が挙げられます。
- 血流を改善し、代謝機能を向上
- 内臓の負担が少なくなり、脂肪燃焼効率が良くなる
塩分は身体に必要不可欠な成分ですが、摂りすぎはカロリーや脂肪以上に厄介な影響を身体に与えてしまうのです。
通常の食事で充分なほどの塩分を摂取しています。
それに加えておやつでも塩分を摂取してしまうと、健康に良いわけがありません。減塩の観点からも、おやつを抜くことは大切なのです。
やり方は簡単!ただ我慢!
おやつ抜きダイエットの方法は、1日3食しっかり食べる代わりにおやつは食べないという簡単な方法です。
でも、男性・女性ともにおやつの習慣が染みついている人が多いのですから、いきなり止めるというのも思った以上にストレスがかかるかもしれません。
上手くいくコツは?
小腹が減る感覚を楽しむ
変な言い回しですが、「小腹が減る感覚を味わう」ように意識すると、「ああ、いま身体が蓄えている脂肪が分解されてエネルギーに変換しているところなんだ」と想像できて、なかなか楽しいですよ。
じつは筆者はダイエットをしていた頃、よくそんな妄想をしてモチベーションを高めていました。
「小腹が減る」つまり「お腹が減る」ということは、「お腹に食べ物が入っていないよ」という脳からの合図です。
これをあえて無視することで、脳が「仕方ない。脂肪を分解(燃焼)してエネルギーにするか」という判断を下すわけです。「どうぞたくさん使ってやってください。たっぷり予備は余っていますんで!」とこちらからお願いしたくなりませんか?
こう考えると、「おやつ抜きダイエット」も楽しくなってくるはずです。
習慣的におやつを食べる人は「お腹が減る」感覚に不慣れで、つい反射的に食べ物に手が伸びてしまうようになっているんです。
だから、「お腹が減る」状況が「普通のこと」なんだと意識できるようになれば、自然とおやつも食べずに済むようになります。
小銭を持ち歩かない
おやつはたいていコンビニやスーパーで買い足すことになるわけですが、お財布にふだん入れているお金を減らして貯金に回すように心がけると、おやつを買う予算が制限されるので、お菓子売り場から自然と足が遠ざかっていきます。
ようするに、「おやつ予算」を徹底的に削減すればいいのです。お財布の“構造改革”をしましょう!
どうしても食べたくなったら?
長年にわたって染みついた習慣を直すのは並大抵のことではできません。我慢できずについ・・・というのはよくあることです。
ここで我慢できるのであればそれに越したことはないのですが、我慢のし過ぎも精神的に良くありません。
おやつ抜きダイエットに取り組んでいながら、どうしても我慢できなくなってしまった場合には「ダイエット食材」を摂るようにしましょう。
するめ
おやつは「小腹が空いたな」という空腹感を紛らわせるために口にする食べ物です。
ですから、根本的な話、満腹感さえ得られれば、“おやつ”の内容はなんでもいいわけです。
するめはみなさんもよくご存じのように、歯ごたえ・噛み応え抜群の食べ物です。よく噛まないと飲み込めない食材なので、噛む回数が増える分満腹中枢も刺激され、少ない量で満腹感が得られるのです。
また、するめはタンパク質が豊富なうえに、コレステロールを減らしてくれるタウリンも含まれています。
ナッツ
脂が多いのでダイエットに向かないと思われるナッツですが、様々なダイエット効果が期待できる成分が豊富に含まれることで注目を集めています。
- 肥満を抑制するレスベラトロール
- 悪玉コレステロールを低下させるオレイン酸
など、空腹を紛らわせるためのおやつで、これらのダイエット成分が摂取できるのは何よりですね!
ヨーグルト
整腸効果が期待できるヨーグルト、乳製品なのでタンパク質も摂取できます。
胃腸は健康状態はもちろん、ダイエットにも影響を与える重要な臓器です。
おやつにヨーグルトを選ぶことで、健康を左右する腸内環境にも気を配るようにしましょう!
炭酸水
仕事の間にジュースが欠かせないという方もいるかもしれません。ジュースも糖分やカロリーが高い食品なので、できれば摂らずにいたいものです。
そこでおすすめなのが、無糖の炭酸水です。
炭酸ガスの効果で胃の膨満感が感じられ、食欲を抑えることができるのです。
おやつ抜きダイエットは「痩せるために必要な習慣の見直し」という意味で、ダイエットの初歩の初歩です。世にはさまざまなダイエットがありますけれど、その前にまずは自分自身のライフスタイルを改善することから始めるべきです。
準備運動もできていないのに、いきなりマラソンは走れませんよね?それと同じで、自分の身体をダイエットに適した状態に仕上げておかなければ、どんなに効果のあるダイエットも、ほとんど意味をなさなくなってしまいます。おやつが大好きなみなさんは、まずは「おやつ抜きダイエット」から始めてみましょう!
おやつ抜きダイエットは効果が高い!カロリー摂取を抑える近道!まとめ
「おやつ」を頻繁に食べる習慣が付いている人は、当然ですが肥満になりやすく、痩せにくい体質になってしまっています。
厚生労働省の統計によると、なんと女性の57%が「間食」(おやつ)を食べていることがわかっています。ダイエットはまず何よりも「食習慣」を改善するところから始めるものです。その意味でおやつの習慣は優先的に見直すべきポイントとなります。おやつを食べないようにすれば、単純に脂肪蓄積を抑制できるだけではありません。
おやつをやめて一切食べ物を口にしない時間をつくれば、胃腸の負担が減って消化吸収能力が向上するのです。ダイエットと内臓の働きは、密接な関係があります。胃腸がヘトヘトになって消化吸収の仕事効率が落ちると、本来はエネルギー消費に回されるはずの脂質や糖分が、そのまま脂肪として蓄積されやすくなってしまう恐れがあるのです。
また、おやつを抜けば、胃腸が休まって便秘や冷え性も改善傾向に向かうと言われています。腸が弱っている状態では基礎代謝が低下してしまうからです。
おやつを食べない人の多くはスマートな人が多い印象があります。食べる時にはしっかり食べ、それ以外は食べないという事なのでしょう。最初の一週間程度は非常に辛いかと思いますが、徐々に慣れてきますので、おやつ抜きダイエットをする方は最初に一週間を我慢できるようにしましょう。