美容や健康に優れた飲み物として知られる「豆乳」。昔から女性に大人気なので、すでに日頃からよく飲んでいるという方は多いのではないでしょうか?かなりポピュラーな飲み物なので、この「豆乳」を使った「豆乳ダイエット」に詳しいダイエッターも、けっして少なくないことが容易に予想できます。
とはいえ、「豆乳ダイエットの話はよく耳にするけど、具体的にどうスゴイのかわかっていないし、もちろん実践したこともない」という方もきっとおられることでしょう。そこで今回は、「豆乳ダイエット」を取り上げることで、みなさんにいまいちど「豆乳」の秘めたるダイエットパワーをお伝えいたします!
豆乳ダイエットの効果とは?
豆乳ダイエットは豆乳に含まれる健康成分をダイエットに活かそうというダイエット法です。「豆乳」の優れたチカラを知るには、この飲料の原料である「大豆」について知る必要があります。
日本人が古来より親しんできた「大豆」は、コレステロールを一切含まず、10種類以上の栄養素を豊富に含む万能食材です。
そのなかでも「必須アミノ酸」や「オリゴ糖」は、肥満の抑制に深く関係する成分として知られています。
以下では、大豆の主なダイエット作用について確認していきましょう。
オリゴ糖の整腸作用で便通改善
大豆には豊富な「オリゴ糖」が含まれています。「オリゴ糖」には、わたしたちの健康維持に不可欠な「腸内善玉菌」すなわち「ビフィズス菌」の数を増やす機能があります。
なぜ増えるかといいますと、オリゴ糖がビフィズス菌のエサになるからです(正確に言えば、ビフィズス菌がほんとうにオリゴ糖を“食べる”わけではなく、「分解」することで腸内に良い成分を生産しています)。
オリゴ糖によってビフィズス菌が増えると、腸内環境が改善され、必然的に便通が良くなっていきます。そして便通が良くなれば、不要な老廃物が排出されやすくなり、肌荒れを防ぐとともに、デトックス効果でむくみも解消されていきます。
女性のなかには、ダイエットを始めると腸内環境が荒れてしまい、かえって体調を崩してしまう方が多く見受けられます。お腹の調子が肌に出やすい人は、ダイエットを始めてすぐに大人ニキビや肌荒れを引き起こして悩んでしまうことも……。
そんな方にはぜひ、豆乳をオススメしたいです。
オリゴ糖は体重増加の心配がない?
「オリゴ糖は通常の糖とは一線を画した存在です。なぜなら、人間の消化酵素で分解されないからです。一般的にオリゴ糖と呼ばれる糖類は、人間の消化酵素で分解されにくいという性質を持っています。このような性質を「難消化性」といいます。…(中略)…オリゴ糖は人間の消化酵素によって分解されない代わりに大腸において発酵を受けます。その発酵の際には、短鎖脂肪酸であるカプロン酸などが産生されます。このカプロン酸が各組織に運ばれ、エネルギーとして使用されるのです。この短鎖脂肪酸によって回収されるエネルギーが、砂糖の産生するエネルギーの約半分、2キロカロリー程度に該当します。ですので、オリゴ糖のカロリーは砂糖に比べて低くなっているのです。」
オリゴ糖は消化・吸収されにくい成分のため、実質的にほとんどわたしたちの「栄養」としては役立たない存在です。
もちろん、そんなオリゴ糖が役立たずというわけではなく、短時間で即エネルギーに変換されつつ、また一方では、大腸にてビフィズス菌の“エサ”となって貢献してくれるわけなのです。
カロリー増にならない一方で、腸内環境の改善には役立ってくれるという、ダイエットにうってつけの成分と言えますね!
サポニンが脂肪燃焼を促進
「大豆」などのマメ科の植物に特有の栄養成分「サポニン」には、美容や健康、ダイエットにさまざまな効果があることが科学的に判明しています。
「腸で吸収されたブドウ糖が脂肪酸と合わさるのを防ぎ、余分な脂肪の蓄積を抑制します。脂肪の蓄積が予防できるので肥満予防になります。大豆サポニンにはアディポネクチンの分泌を促進する働きがあります。アディポネクチンとは脂肪細胞から分泌される物質で、動脈硬化や糖尿病を予防する働きがあります。またアディポネクチンには脂肪の燃焼を促進する働きもあります。」
(引用:公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット「サポニン効果と摂取量」
サポニンには余分な脂肪の蓄積を抑制する働きがあり、さらに脂肪の燃焼を促進してくれるアディポネクチンの分泌を促す働きもあります。
ダイエットの大敵・脂肪がどんどんなくなっていくような働きをしてくれるんですね!
さらに、アディポネクチンには動脈硬化や糖尿病を予防してくれる働きもあるとのことです。
健康な生活を送るには欠かせない成分ですね!
レシチン・コリンの脂質の代謝促進作用
豆乳にはレシチンが含まれています。レシチンは細胞膜の主成分で、脳神経や神経細胞を構成するリン脂質の1種です。また、レシチンにはコリンが構成要素として含まれています。
このレシチンとコリンには、
- 脂質の代謝を促進する
- コレステロールの抑制
といった働きがあります。
まさに、ダイエットにもってこいの働きですよね?
さらに、大豆由来のレシチンにはコレステロールが含まれていないという特徴があるので、この点もダイエットに役立ってくれるかもしれません。
参考:公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット「レシチン・コリンの効果と摂取量」
ビタミンB2による脂質の代謝促進・蓄積防止作用
大豆には「ビタミンB2」も含まれているのですが、この成分には脂質の代謝を促進させる働きがあります。
「私の実験においてもこれらの研究成績にほぼ一致し,ビタミンB2欠乏ラットを高脂肪食で飼育するとB2欠乏症状は増悪し,血中B2量は減少し,血清各脂質は増量すると云う結果を得た.・・・(中略)・・・.この実験よりビタミンB2は脂肪酸の代謝を促進し,脂質の蓄積を防止する作用を有するものと思われる.」
引用:昭和医学会雑誌第31巻 第5号「ビタミンB2と脂質代謝に関する実験的研究」
先ほどのサポニンに引き続き、ビタミンB2にも脂肪の蓄積を抑制する働きがあるんですね。
脂肪の燃焼を促し、さらに蓄積も予防してくれる働きはダイエッターには嬉しい限りです!
豊富なタンパク質
大豆は”畑の肉”と呼ばれることがあるのをご存知でしょうか?大豆は豊富なタンパク質を含むことから、そう呼ばれるのです。
タンパク質は筋肉を構成する成分として、人間が生きていく上で欠かせないものです。三大栄養素の一つであることからも理解できますね?
ところで、人間の無意識の活動で必要となるエネルギーを基礎代謝と言いますが、この基礎代謝を左右するのが筋肉量なのです。
筋肉量を増やして基礎代謝を向上させるのも、ダイエットを進めるうえで大切なポイントになります。
カロリーの消費を増やす基礎となる、このような形でも豆乳はダイエットに役立つのです。
やり方は?
豆乳ダイエットのやり方は簡単です。厳しい食事制限や運動は全くなく朝昼晩の食事の20~30分前にコップ1杯の豆乳を飲むだけでいいのです。
食事前に水分を摂ると満腹感が得られるので、食事自体の量を減らすことができます。コップ1杯の豆乳を飲んだ後は、普段通りの食事をするだけ!ストレスなく続けられます。
脂肪の吸収を抑えるなどの効果を高めたいときには、濃度の高い成分無調整の豆乳を飲むといいでしょう。
ただ、豆乳には独特のクセがあるので、調整豆乳や味付きの豆乳を選んでみるのもおすすめです。
味のバリエーションの豊富さは、豆乳の人気を裏付けていると言えますね!
注意点は?
ダイエットに関する効果は未確認ですが、大豆に含まれる有名な健康成分に「イソフラボン」というポリフェノールがあります。
このイソフラボンは女性ホルモンの「エストロゲン」に似た働きをすることから、ホルモンバランスの崩れが原因で起こると言われる更年期障害の予防のために摂取を進められることが多い成分です。
ただ、摂り過ぎてしまうと、逆の意味でホルモンバランスを崩してしまうことになりかねません。
厚生労働省はイソフラボンの安全な一日摂取目安量を70~75mgに設定しています。
メーカーによって含有量は大きく異なるので、目安となる豆乳の摂取量をお話することは難しいですが、いずれにせよ、摂り過ぎは身体に悪い影響を及ぼしかねないので、気を付けるようにしましょう!
成功した人の体験談
寄せられた豆乳ダイエットの体験談をご紹介します。
「私は、産後に自分の体重と体型を戻すために豆乳ダイエットをしました。炭水化物を食べないなどのきつい食事制限やジムに通うなどの激しい運動は産後の疲れ果てた身体には到底無理だったからです。
出産後に59キロあった体重が今では49キロになりました。もちろん母乳もしっかり出ていたので母子共に健康です。
豆乳を食事の前に飲むだけでいいので母乳のためにしっかり栄養を摂る事が出来ました。豆乳自体にもたくさん栄養が含まれているので肌の状態も産後それほど悪くなりませんでした。」
32歳の女性の体験談です。出産を機に太ってしまう方は意外と多くいますが、この方もそれで悩んでいたようですね。
豆乳ダイエットを決意したのは、激しい運動や極端なダイエット法は無理だと判断したからのようです。確かに、豆乳ダイエットは食前に飲むだけなので、忙しい子育て中のお母さんにはうってつけの方法と言えますね。
結果として10kgのダイエットに成功したとのこと。
育児・子育ては意外と筋肉を使うので、豆乳のタンパク質が程よい筋肉量の増加に貢献し、それに伴って基礎代謝が向上したのが良い結果につながったのではないかな?と思います。
このように、適度な運動も行うことが豆乳ダイエットを大成功に導くカギと言えそうです。この体験談を参考に、皆さんも豆乳ダイエットに挑戦してみてはいかがでしょうか?
古典的な美容健康飲料「豆乳」は、近年の最新ダイエット情報に埋もれてしまいがちですが、昔も今も変わらぬ豊富な栄養素は、必ずやみなさんの期待にこたえてくれることでしょう。
豆乳ダイエットで痩せたやり方!【置き換えで飲むタイミングは朝?】のまとめ
手軽に飲める豆乳は健康管理としてはもちろん、ダイエッターにも人気のある飲み物です。
取り入れ方も簡単で、厳しい食事制限や運動は全くなく、朝昼晩の食事の20~30分前にコップ1杯の豆乳を飲むだけでいいのです。
それだけで大豆が持つ「必須アミノ酸」や「オリゴ糖」を簡単に摂取することができます。オリゴ糖による整腸作用で便通改善や、必須アミノ酸による筋肉増量に役立ちます。
オリゴ糖が体重増加を抑えてくれるのも嬉しいですね。
その他にも豆乳には、脂肪燃焼促進、脂質の代謝促進・蓄積防止作用など嬉しい効果が期待できる成分が豊富に含まれているのです。
クセが少ない調整豆乳や味付きの豆乳がおすすめですが、取りすぎはホルモンバランスに影響するので適量を続けて飲むのが成功の秘訣です。
記事の作成にあたっては記事中で触れたサイト・論文の他に、以下の情報を参考にいたしました。
内閣府 食品安全委員会「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」