みなさんも大好きな発酵食品、「チーズ」。どんな食べ物にも抜群の相性で、筆者もたいへんお世話になっています。単品で食べるのはもちろん、さまざまなメニューにトッピングしたりと、食卓のユーティリティプレイヤーとして大活躍です。ところで、そんなチーズを題材にしたダイエット法があるのを皆さんご存知でしょうか?
一般的なイメージだと、チーズとダイエットにはほとんど関連がないように思えますよね?ダイエットどころか、むしろチーズは太る食べ物という印象さえ抱いている方もけっして少なくはないでしょう。とはいえ、チーズダイエットは間違いなくダイエットのひとつして確立されており、知る人ぞ知る方法なのです。それではいったい、チーズダイエットとはどのようなもので、また、チーズそのものにはどんなダイエット効果が秘められているのでしょうか?さっそくみていきましょう!
チーズの成分とそのダイエット効果
チーズと聞いてダイエットを連想する人は、はたしてどのくらいいるのでしょう?ゼロに限りなく近いのではないでしょうか?
そんなチーズですが、実はダイエットに役立つというのです。
では、チーズのどの成分がダイエットに役立つというのでしょうか?確認していきましょう!
ビタミンB2が代謝をサポート
チーズにはビタミンB2が豊富に含まれています。しばしば「発育ビタミン」と呼ばれるビタミンB2は、身体中の細胞の再生と成長を担う、非常に重要な栄養素です。
「吸収されたリボフラビン(※筆者注:ビタミンB2)は生体内で再びFMNやFADに変換されて、糖質、たんぱく質、脂質の代謝、エネルギー産生に関与する酸化還元酵素の補酵素として働きます。「発育のビタミン」ともいわれ、発育促進に重要な役割を果たすほか、皮膚、髪、爪などの細胞の再生にも関与しています。」
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ビタミンB2の働きと1日の摂取量」
成長にはカロリーが必要になることは皆さんも経験してますよね?筆者は成長期の中学の頃、いくら食べてもお腹がいっぱいにならなかった記憶があるのですが、皆さんはいかがでしょうか?
成長といっても今さら身長が伸びる!というわけではありません。 日々”成長”しているものに「髪の毛」「爪」がありますよね?皮膚の生まれ変わりも成長の1つです。
この”成長”を促すことが消費カロリーの増加につながるのです。
さらにビタミンB2には、体内の糖質・脂肪を分解してエネルギーに変換する働きを「補酵素」としてサポートする一面もあります。
脂肪を燃焼させる近道は適度な運動です。このような形でビタミンB2はダイエットに役立ってくれるのです。
短鎖脂肪酸が肥満を防ぐ?
みなさんは「やせ酸」という言葉を聞いたことはありませんか?短鎖脂肪酸のことを、その働きに着目して「やせ酸」と呼んでいるのです。
この短鎖脂肪酸は腸内の善玉菌が食物繊維をエサに産生することが知られていますが、チーズをはじめとする乳製品にもこの短鎖脂肪酸がが豊富に含まれています。
「短鎖脂肪酸は,腸を活性し,腸内の善玉菌をサポートする働きをもつ。また,短鎖脂肪酸は脂肪細胞にある短鎖脂肪酸受容体に作用して脂肪細胞へのエネルギーの取り込みを抑え,脂肪細胞の肥大化を防ぐという。」
腸内環境の良し悪しが健康状態に大きな影響力を持つことが最近の研究で明らかにされていますが、この腸内環境のカギを握るのが短鎖脂肪酸なのです。
短鎖脂肪酸は健康的な毎日とダイエット、この双方に良い効果をもたらしてくれるのです。
低GI食品なので食べても太りにくい
摂取後の血糖値の上昇度合いを示す指標にGI(グリセミック・インデックス)と言うものがあります。
この数値が高いと血糖値の上昇速度が速くなります。
「血糖値の上昇を抑える」健康食品のCMでしばしば耳にする言葉ですよね?
血糖値が上昇するとすい臓からインスリンが分泌され、糖をエネルギー源のグリコーゲンに変換し、肝臓や筋肉に蓄えます。しかし、その貯蔵量が限界を超えると、今度は脂肪として蓄積されてしまうのです。
チーズは低GI食品なので、血糖値の上昇曲線も緩やかになります。
これは、まわりまわって脂肪の原料となってしまう血液中の糖の絶対量を少なくすることで、ダイエットに役に立つのです。
タンパク質が筋肉を維持・増強
チーズには良質なタンパク質が豊富に含まれています。ところで、人間の生命維持活動に必要となるエネルギーを基礎代謝と呼びますが、この基礎代謝は筋肉量に比例すると言われています。
タンパク質は筋肉の原料となる成分です。タンパク質を摂取して筋肉量を維持・増強することで、脂肪の燃焼しやすい身体が出来上がるのです。
カロリーの消費量を上げる、この点でもチーズはダイエットに貢献してくれるのです。
チーズダイエットのやり方は?
まず強調しなければならないのは、チーズダイエットは「置き換えダイエット」ではないということです。
置き換えダイエットは糖質制限の一種で主食(白米)を低糖質の食品に置き換えるダイエット法です。
たしかにチーズは糖質の低い食材ですが、栄養の偏りが極端なため、置き換えダイエットには推奨されていません。みなさん、間違っても置き換えダイエットにならないよう注意してください。
チーズダイエットの基本的なやり方は、ふだんの食生活にチーズを積極的にとりこむことです。
すでに他の食事制限ダイエットを実践している方は、その料理にアレンジとしてチーズを入れてみるのがよいでしょう。
チーズの種類は?
チーズには沢山の種類があるので、楽しみながらダイエットを続けていくことができます。
どの種類を選んでも、期待できる効果に大きな違いはありません。
ダイエットは長く続けることで初めて効果が実感できるものです。いろんな種類のチーズを食べ比べながら、楽しんでダイエットしましょう!
プロセスチーズ
みなさんにとって一番馴染み深いのはプロセスチーズではないでしょうか?
サンドイッチのお供のスライスチーズや、一口サイズに小分けされたチーズ、キャンディのように包装されたものなど、形状も色々です。
とろけるチーズやピザに載せるシュレッドチーズもプロセスチーズです。
フレッシュタイプ
あまり熟成させていない食べやすいフレッシュタイプのチーズには
- カッテージチーズ
- モッツァレラチーズ
- クリームチーズ
があります。
ティラミスで使われるマスカルポーネもフレッシュタイプのチーズです。
カビで熟成させるタイプ
白カビ
チーズの表面に白カビを吹き付けて熟成させる白カビタイプのチーズで有名なのはカマンベールチーズです。
熟成が進めば進むほど、内側がとろーりとしてきます。
カビと聞くと拒否反応が出る方もいるかもしれませんが、ブルーチーズと比べるとそれほど強いクセはありません。。
青カビ
同じくカビを使って熟成させて出来るチーズですが、.白カビと比べると臭いに強烈な個性が感じられます。この臭いに苦手意識を持つ方もいるかもしれません。
有名な青カビタイプのチーズにはゴルゴンゾーラがあります。
紹介した種類の他にも
- ウォッシュタイプ
- ハードタイプ
など、様々な種類があります。
最近は輸入チーズの値段も下がってきているので、チーズコーナーでお好みのチーズを見つけるのもこのダイエットの楽しみの1つかもしれません。
チーズダイエットのやり方は?種類によって効果は違うの?のまとめ
単品もOK、アレンジも自由と食卓の頼もしい味方のチーズでダイエット!チーズを摂りいれる回数を増やすだけの簡単なダイエット法なのも魅力です。短期間で効果が見込めるものではありませんが、飽きずに長続きできるのもポイントです。
記事の作成にあたっては記事中で触れたサイトや論文の他、以下の情報を参考にいたしました。
雪印メグミルク「チーズクラブ」