食欲を上手に抑制できるのなら辛いダイエットとはおさらばできますが、食欲抑制にはちょっとしたコツがあります。無理なく痩せたいならまずは生活習慣を整える事、そして毎日にちょっとした工夫を取り入れることが大事です。
食欲を抑制するには?ダイエットで1番辛いのは、食べたい物を我慢したり、食事量を減らすこと、つまり「食べるのを我慢すること」ではないでしょうか。確かに、食事を減らせばほとんどの人が痩せるでしょう。ただ、長期に渡り我慢を続けることは至難の業です。ここでは、食べたい気持ちが抑えられない人に是非トライしていただきたい「食欲を抑制して無理なく痩せる方法」をご紹介します。我慢ではなく、身体を整えることで食欲を正常にし、スリムになりましょう。
我慢をせずに痩せるには、ちょっとしたコツがある!
世間で言うところの「ダイエット」は、食事を制限したり、運動を念入りに行うことにより、食事からの摂取エネルギーが消費エネルギーを上回らないように調整するものです。
ダイエットの基本にあるのは、マイナスの概念。
食事を減らす、エネルギーを消費する……確かに、身体に体脂肪を蓄えないようにするには、食べた分のカロリーが余らないようにすることが大切です。
食べる量を減らしたり、運動をしてカロリーを消費することで、体重は減ります。
簡単ですね。
ダイエットは、実はとてもシンプルなものなのですが、成功する人と成功しない人がいます。
それはなぜか?その答えもまたシンプルです。「我慢が長続きしないから」です。
食べるのが好きな人にとって、食事量を減らしたり、好物を避けることは「我慢」することなのです。
また、運動が苦手な人、嫌いな人が運動を継続することも「我慢」です。
我慢することはストレスになります。
そのため、意思が相当強い人でないと、ダイエットは長続きしません。また、せっかく痩せたとしても、我慢をやめた途端に元に戻ってしまうのです。
生活を見直そう!
では、どうしたら上手にダイエットできて、リバウンドを予防することができるのでしょうか?
それは、これまでの食事スタイルそのものを変えてしまうことです。
こう述べると、そんなことは無理だと思うかもしれません。
しかし、現在不規則で忙しい生活を送っていて、食事内容を気にする余裕がなく、睡眠もあまりとれていない……という人であれば、痩せる生活スタイルにシフトすることは十分可能です。
生活スタイルを理想の形に持っていくことができれば、食欲は抑制され、太る食事から痩せる食事へと移行することができます。
太るループを絶ち切ろう!
食欲抑制……と聞くと、食べたい気持ちを抑えるイメージがあるかもしれません。
しかし、ここで言う「食欲抑制」は、食欲そのものを抑える、つまり食べたいという気持ちが起きなくなるようにすることです。
現在自分が過食気味だと感じている人は、なぜそうなのかをきちんと考えたことはありますか?食べたいから食べているのだと思っていませんか?
しかし、その食欲は偽の食欲かもしれません。
甘いものばかりを食べている人でも、本当は甘いものが好きなのではなく、理由があって甘いものを求めているだけかもしれません。
今すぐチェック!当てはまれば食欲抑制ダイエットを実践!
以下のチェック項目に、当てはまるものはありますか?当てはまれば当てはまるほど、ダイエット成功の確率は高まります。
- 遠距離通学・通勤である。
- 便秘がちである。
- いつもお腹が張っている。
- 睡眠時間が短い。
- 常にやるべきことに追われている。
- 過去に何度も、食べないダイエットを繰り返している。
- ダイエットのために、油を抜いている。
- 早食いである。
- 食事中にテレビやスマホ、本を見ていることが多い。
- 甘いものが欲しくなることが多い。
- 主食をたくさん食べるが、肉や魚をあまり食べない。
- お菓子などを食べ過ぎた時は、3度の食事を抜くなどして調整する。
- あまり水分を摂取していない。
- 日中、太陽の光を浴びることがない。
- 外食で量が多くても、残さないようにしている。
睡眠と水分をしっかりととる
食欲抑制の方法を語る前に、まず1番に行うべきことは、睡眠時間をしっかりと確保することです。
特に理由もなく夜遅くまで起きている人は、夜更かしの習慣を改めて、たっぷりと睡眠をとるようにしましょう。
アメリカのスタンフォード大学の研究によると、睡眠時間が5時間の人は、毎日8時間睡眠をとる人に比べて体内の「レプチン」と呼ばれる物質が15%程度少ないそうです。
このレプチンは、脳に満腹を知らせるとともに、エネルギー代謝を高めるホルモンの一種です。
レプチンの分泌量が少ないと、満腹を感じにくいためたくさん食べてしまったり、身体の代謝が低下します。
まずはよく眠ることを心がけましょう。
水分不足はダイエットの敵
体内の水分量が少ないと、体液の濃度が増しドロドロになってしまいます。
これは、血管にとってよくないというだけではなく、便秘の原因となったり、老廃物をしっかりと体外に排出することができないため身体の代謝を低下させる要因となります。
代謝が低下すると、身体がだるくなったり、疲れやすくなるため、活動のエネルギーを補うためにカロリーが高いものを食べてしまうこともあります。
水分はこまめに補給し、こうしたトラブルを予防しましょう。
「ダイエットをする」という意識をなくそう
ダイエットを決意しては、過食に走ってすぐに挫折している人は、ダイエットをするという意識を持たないようにしましょう。
食べてはいけないという強迫観念や、少ない食事で我慢することがストレスになり、反動でたくさん食べてしまいます。
「痩せなきゃ」「食べてはいけない」とは思わずに、自然に食欲を抑制できるようにシフトしていきましょう。
お腹を空かせない食事を目指そう
お腹が空くから間食をする、食べ過ぎてしまう……という人は、まずは食事内容を見直してみましょう。
お腹が空かないように、1回の食事、特に主食をたくさん食べていませんか?
実は、これがより短時間でお腹が空く原因なのです。
すぐにお腹が空いてしまう原因は、食事内容にある
食事の後しばらく経ってから、強い空腹感におそわれるという場合には、食後の血糖値の上下が急激に起きている可能性があります。
食事をすると、食事から得た糖質はブドウ糖として血液中を漂います。この時、血液中の糖の濃度を一定に保つために「インスリン」と呼ばれるホルモンが分泌され、糖を処理します。
食後の血糖値が急激に上昇すると、血液中の糖の濃度を急激に下げなければなりません。
すると、インスリンが過剰に分泌され、結果血液中の糖が一気に減少します。
これが、急激な、強い空腹感の原因です。
ものすごくお腹が空くという場合には、食事で摂取する糖質の量が多すぎるか、糖質の吸収速度が速すぎる可能性があるのです。
強い空腹感を避ける食事を!
食後しばらくしてから急激にお腹が空くのを防ぐためには、食後の血糖値の上昇が緩やかになるような食事をとるようにします。
食後の血糖値が急激に上昇するのを防ぐためには、糖質に偏った食事を避ける必要があります。
例えば、昼食にうどんのみ、おにぎりのみ、という食事をしていると、食後の血糖値が急上昇・急下降してしまいます。
主食だけではなく、タンパク質や野菜もバランスよく摂取するようにしましょう。
血糖値が急激に上昇するのは、糖質を摂取した時です。
そのため、糖質の量が多すぎず、肉や魚を適量摂取できる定食などを選ぶのがおすすめです。
また、食事のはじめに野菜や海藻から食物繊維を摂取するようにします。
食物繊維は、食べ物の消化吸収速度をゆっくりにするため、血糖値の上昇もゆっくりになり、インスリンの急激な分泌を抑制してくれます。
特に、水溶性食物繊維は、血糖値の上昇抑制に効果を発揮します。海藻類やこんにゃくなどを食事のはじめに食べるようにしましょう。
偽の食欲とは何?
私たちの食欲には、2種類あるとされています。
1つは、胃が空っぽになり、本当に空腹になった時に感じる「食欲」。
もう1つは、本当はお腹が空いていないのに食べたくなってしまう「偽の食欲」です。
偽の食欲を感じる理由はたくさんあります。
目の前においしそうな食べ物があり、過去にその食べ物を食べた時の「おいしい」という記憶により引き起こされる食欲もあれば、ストレスで無性に甘いものが食べたくなる……といった食欲もあります。
実際に身体が栄養を欲していないのに、偽の食欲に突き動かされて食べてしまえば、摂取したカロリーは余るため、当然太ります。
お腹が空いていない時に感じる食欲は、何とかして抑制したいものです。
不規則な生活が食欲を増進する
睡眠不足が続いたり、食事を抜いたり、極度のストレスにさらされたりといった、不規則な生活は、食欲を増進させることがわかっています。
これは、ホルモンバランスが乱れてしまうことによるものです。
私たちの身体の中では、エストロゲンなどの性ホルモンだけではなく、様々なホルモンが分泌され、身体を正常に動かすために作用しつづけています。
その中には、先述した「インスリン」や「レプチン」など、ダイエットに関わってくるホルモンも数多く存在しています。
睡眠不足が続くと、レプチンの分泌量が減り、反対に「グレリン」と呼ばれるホルモンが多く分泌されるようになります。
グレリンは、脳に「食べなさい」と働きかけるホルモンです。
そのため、グレリンが多く分泌されると、本来はもう食べる必要がないのに、必要以上に食べるようになってしまいます。
満腹ホルモンであるレプチンは、脂肪細胞から分泌されます。
体脂肪が多いほど分泌量が増えるイメージがありますが、実は反対です。
脂肪が多すぎると分泌量が減ってしまうため、肥満傾向にある人はレプチンの分泌量が少なく、過食してしまうのです。レプチンの分泌量を正常にするには、太り過ぎないことと、規則正しい生活を送ることが大切です。
栄養不足はレプチンを減らす
以前食事を極端に減らしたり、長期に渡り食事制限などによるダイエットを行っていた場合で、食事をとっても満腹感が得られない人は、レプチンの分泌量が低下している可能性があります。
レプチンはホルモンの一種なので、タンパク質や脂質から作られています。
ダイエットなどで食事量を減らすと、タンパク質が不足しやすくなります。
また、痩せるために意図的に脂質を摂取しないようにする人もいると思われます。
しかし、これらが不足すると、レプチンの分泌量が低下することがあるため、タンパク質をしっかりと摂取し、良質の油を適度に摂る必要があります。
精神状態を整え、食欲を正常にしてくれる「セロトニン」
レプチンのように、食欲を左右するホルモンに「セロトニン」があります。
セロトニンは「トリプトファン」と呼ばれる必須アミノ酸を原料に、大腸で作られるホルモンです。
これが脳に届くと、精神を安定させ、ポジティブな思考にしてくれます。
また、セロトニンは、無駄な食欲を抑制し基礎代謝を上げてくれる、ダイエットの強い味方です。
セロトニンを増やよう!
セロトニンは、意識することで分泌量を増やすことができるホルモンです。
夜遅くまで起きていて、朝起きるのが遅く、ほとんど外に出ない生活をしている人は、早起きをして朝日を浴びるようにしましょう。
セロトニンの分泌量を増やす1つの方法が、朝日を浴びることであるとされています。
また、朝日を浴びて1日をスタートさせることで、身体がしっかりと目覚め、活動を始めます。
体内時計が正常に働くことは、健康な心と身体を維持するためにも非常に重要です。
トリプトファンを多く摂取する
セロトニンの分泌量を増やすもう1つの方法が、食事からトリプトファンを多く摂取することです。
トリプトファンは、乳製品や豆類、卵などに多く含まれています。
これらの食品に加え、糖質とビタミンB6を摂取することで、トリプトファンが作られやすくなります。
ビタミンB6は肉や魚に多く含まれています。
こうした食品は、バランスのよい食生活を心がけることにより自然と摂取できるものです。
ダイエットのために糖質や肉を意識的にカットしてしまうと、トリプトファンの材料を補給できないことになります。
ダイエットを成功させるためには、マイナスの発想だけではなく、必要なものをきちんと補うプラスの発想も大切なのです。
便秘解消には毎朝のトイレ習慣を!
遠距離通勤・通学をしていると、朝のお通じを逃してしまうことがあります。
朝起きてから食事をして、腸が動き出すと、お通じのサインがあります。
しかし、そのサインが電車の中で来てしまったら、トイレを我慢しなければなりません。
お通じのタイミングを逃すことを繰り返すうちに、便秘になってしまう人も少なくありません。
そこでおすすめしたいことは、朝1時間早く起きることです。
朝の1時間は大きいですが、便秘は肥満のもとですので、是非改善したいところです。
朝の習慣でスムーズなお通じを
便秘を改善するのに効果的なのが、起きてすぐに1杯の白湯を飲むことです。
水を沸騰させた白湯を、朝1番でゆっくりと飲みます。
白湯を飲んでから30分ほど経過してから、朝食をとるようにします。
頑固な便秘の人には、ホットヨーグルトをおすすめします。
ヨーグルトを100g程度耐熱の器にとり、電子レンジで20~30秒加熱し、口に入れた時に少し温かい程度に温めたものを、食事の1番はじめに食べます。冷たいヨーグルトを食べると身体が冷えてしまう人も、ホットヨーグルトなら安心です。
これらの習慣を毎日続けていくと、毎日同じ時間に腸が動き出すようになります。
家を出るまでに朝食から1時間程度の余裕があれば、お通じのサインを逃す心配もありません。
また、水分不足にならないように、水やお茶、味のついていない炭酸水などで小まめに水分を補給しましょう。
残さず食べる必要はない
私たちは、幼い頃から「残さずに食べなさい」という教育を受けています。
出されたものは、残さず食べる。確かに、これはとても大切なことです。
しかし、この教育によって、必要以上に食べる癖がついてしまっている人も少なくはないでしょう。
食事をとる際に、自問自答してみてください。
こんなに食べる必要はあるのか?今お腹が空いているのか?
決まった時間に食事をとることは、体内時計のリズムを整えるためにも大切なことであるとされています。
しかし、食事時間にお腹が空いていないこともあるはずです。お腹が空いていないのに、普段通りの量の食事をとる必要はありません。
残すことに罪悪感がある人は、あらかじめ食事量を減らしておきます。
外食をする場合には、量が多いメニューを避けたり、主食の量を減らしてもらうなどして調整しましょう。
毎日、決まった量の食事をする必要はありません。その時その時のお腹の好き具合に合わせた量を食べるようにしましょう。惰性でたくさん食べるようになっている人も多いはずです。
正しい量を食べる習慣を
食事の時間だから決まった量をダラダラ食べてきた人は、前述したように、お腹に尋ねながら食べるようにしましょう。
何かをしながら食べていては、自身の腹具合を正しく把握することはできません。
食事の時には、食事に集中しましょう。
本当に必要な量を食べるようになり、これが癖になると、たくさん食べることができなくなります。
自身が食べたものの量を把握する
お腹がいっぱいのサインがわからない人は、食べたものの記録をつけるようにしてみましょう。
レコーディングダイエットという方法があります。
お腹がいっぱいにならないから過食に気づかないだけで、たくさん食べていることに気がつきます。
食べるものの記録をつける時は、意識して食事を減らす必要はありません。食べるたびに記録をつけると、記録をつけることが面倒で無駄食いが減ります。
また、食べたものを可視化することで、自然と過食に制限がかかります。
上手に食欲を抑制できない人は、まずはしっかりと睡眠をとることと、記録からスタートしてみてくださいね。
食欲抑制で我慢をせずに効果的に痩せる!ちょっとしたコツとは?のまとめ
食事の量を正常にするためには、我慢ではなく、規則正しい生活と食事スタイルを身に着けるところからスタートしましょう。無理に食べるのを我慢しようとすると、ストレスで過食に走りやすくなります。きちんとした生活を続けていると、過食の原因となっていたことが改善されていきます。心身ともにストレスを溜めないことがダイエットにつながります。プラスの思想で健やかな毎日を過ごしましょう。