焼き鳥でダイエットというと真逆なイメージもありますが余分な脂を落とし、高タンパクな焼き鳥は部位によってはとてもヘルシーでしかも低カロリー、そして満腹感も効果的に得られるのでダイエットにもおすすめの食品です。
焼き鳥ダイエットの効果は効率よく余分な脂を落とす事ができる事と満腹感にあります。ダイエットと言うと「食べてはいけない」と思いがちですが、食べないと痩せない身体になってしまい、効率よくダイエットすることができなくなります。ここでは「食べるダイエット」をサポートする「焼き鳥ダイエット」についてご紹介します。おいしく食べて、よりダイエット効果を高めていきましょう。
焼き鳥ダイエットのポイントとは?
焼き鳥ダイエットは「焼き鳥を食べると痩せる!」というものではありません。
「お肉を食べるなら焼き鳥を上手に食べて、ダイエットに役立てよう!」が焼き鳥ダイエットのコンセプトです。
ダイエット中も適度に肉を摂取することで、筋肉量の低下を予防することができ、エネルギーを使わない身体になることを防ぎます。
また、動物性タンパク質をしっかりと摂取することで「レプチン」という満腹ホルモンが増えると言われています。
ダイエットのために肉の摂取を避けると、レプチンの分泌量が減り、食欲により拍車をかけてしまいます。痩せたいなら、肉を食べるのがおすすめです。
焼くことで余分な脂が落ちるのもポイント
鶏肉の皮には脂が多く、ダイエット中は脂肪分を除くために、皮を取り去ってから調理する人もいるかもしれません。確かに、皮を除くことで鶏肉に含まれる脂肪の大部分をカットすることができます。
しかし、鶏皮が好きな人は、これでは少し味気ないですよね。
そこで、脂肪分の多い鶏もも肉は、焼いて脂を落とすのがおすすめです。
焼いてもかなりの脂肪分は残りますが、焼き鳥として食べる量を考えれば、それほど問題にはなりません。脂肪分の多いもも肉や手羽先だけに偏らないように注意しながら、おいしくいただきましょう。
満腹感を維持しやすい
焼き鳥ダイエットのように、タンパク質をしっかり摂取できる食事をとると、満腹感が持続します。
これは、血糖値の変動が少ないためです。糖質に偏った食事は、食後の血糖値を急激に上昇させるため、血糖値を下げるためにインスリンが分泌され、血糖値の急降下を引き起こします。急激な空腹を感じる場合には、事前に食べた食事が糖質に偏っていることが多いのです。
タンパク質をメインとした食事では、食後の血糖値の上昇・下降が緩やかになり、空腹を感じにくいことがメリットです。
また、肉を食べると咀嚼回数が多いため、満足感が大きいこともおすすめポイントです。
お酒の席での「しめ」はシェアして
焼き鳥と一緒にお酒を飲むと、麺類やお茶漬けなどを頼みたくなることと思います。
お酒の席での問題点は、糖質や脂質を多く摂取してしまうことです。
アルコールを摂取することにより判断力が鈍ることもそうですが、アルコールにより血糖値が下がり、身体が糖質を要求することも「しめ」が欲しくなる理由の一つです。焼き鳥を上手に選んで脂質の量をコントロールするとともに、ごはんものや麺類などの糖質はなるべく避けましょう。
ごはんものや麺類を食べる場合には、シェアするなどして摂取量を減らすようにしましょう。
これには、アルコールの量も調節する必要があります。
思い切りお酒を楽しみたい場合には、前後数日間で食事を調節することにして、ダイエットを忘れることも1つの方法です。(ご褒美ですね)
お酒抜きで焼き鳥をダイエットに取り入れる場合には、食べ過ぎにならないように、部位別のカロリーを頭に入れておくとよいでしょう。
焼き鳥の部位別カロリー
1kcal単位で厳密にカロリーを計算することは、それほど重要ではありません。
しかし、どの食材が高カロリーであるかを知ることは、栄養バランスのよい食事を心がける上でも大切です。
焼き鳥ダイエットで意識すべきは、脂質の多寡です。
脂質を全く摂取しないというのではなく、脂質を摂りすぎないために、部位別のカロリーをチェックしてみてください。
焼き鳥の部位別カロリー
焼き鳥1本分の部位別カロリーの目安は、以下のようになります。
*味付けは塩。カロリーが高い順に並べています。
- 皮:154kcal
- 手羽先:84kcal
- もも:80kcal
- つくね:77kcal
- うずら:76kcal
- ねぎま:64kcal
- はつ:62kcal
- レバー:33kcal
- 砂肝:28kcal
- 軟骨:11kcal
たれの場合は、10~20kcalカロリーが高くなります。色々な部位を組み合わせて、上手にカロリーコントロールしましょう。
たれと塩、どちらを選ぶ?
焼き鳥ダイエットでは、たれよりも塩を選ぶように勧める場合が多いですが、たれか塩かはお好みでよいと思います。
ただ、たれの方が若干カロリーが高くなる点と、塩よりも糖質を多く含むという点は考慮しましょう。
たれの場合も、塩の場合も、注意したい点は塩分過多にならないことです。
鶏肉の部位別効果
ひと口に「鶏肉」と言っても、部位によって期待できる効果が異なります。
焼き鳥の部位を選ぶ際には、それぞれの効果についても意識してみましょう。
もも肉
鶏もも肉は、皮つきの場合は脂肪分が多いのが特徴です。
好みにもよりますが、鶏肉の中でも味がよい部位であると言えます。また、肉の部分は、鶏肉の中で最も多くの鉄分を含むとされています。
鶏の脂肪は不飽和脂肪酸を多く含み、血中のコレステロールを抑制する作用があるとされています。
鶏の脂肪をほどよく摂取できるので、もも肉も選ぶとよいでしょう。
胸肉
鶏胸肉は、皮を除くと鶏肉の中でも低脂肪で高タンパクな部位です。
鶏肉に含まれるタンパク質は必須アミノ酸のバランスがよく、消化吸収率が95%と非常に高いのが特徴です。
豊富に含まれる「メチオニン」が肝臓の機能を強化するのに有効なため、お酒を飲む習慣がある人は鶏肉を食べるのがおすすめです。
さらに、胸肉には疲労回復や消化器系の保護のサポートをする「ナイアシン」が豊富に含まれています。このナイアシンは肉の部分に多く含まれており、皮を除いても失われません。
砂肝
筋肉が発達しているため、独特の食感を持つ砂肝は、牛の赤身の肉と同程度の鉄分を含んでいます。
砂肝には、ヘモグロビンを増やすビタミンB12も含まれるため、鉄との相乗効果で貧血の予防に効果が期待できます。
また、亜鉛やビタミンKといった栄養素も含んでいます。
他の部位と同様、身体の健康を維持するのに役立つ栄養素が豊富な上、低カロリーなので、ダイエット中も安心してとり入れるようにしましょう。
レバー
レバーには、豊富な鉄分やビタミンA、ビタミンB2、ビオチン、葉酸といった栄養素がふくまれています。
特に鉄分は「ヘム鉄」と呼ばれる形で含まれているため、植物性の食品に含まれる「非ヘム鉄」の5~10倍の吸収率があります。
鉄分は、貧血の予防に効果が期待できる他、体内の酸素の運搬を効率化させるためにも是非摂取したい栄養素です。
レバーに含まれるビタミンB12は、赤血球の生成の際に必要な栄養素ですので、鉄分と合わせることで、貧血の予防にさらに効果が期待できます。
また、目や皮膚の健康を維持する働きをするビタミンAやビタミンB2も、食品の中でトップクラスの含有率です。
ビタミンB2には、三大栄養素をエネルギーに変換するのをサポートする働きや、脂質の分解を促進する作用があるため、ダイエット中は意識して摂取したい栄養素です。レバーには、他に、新陳代謝を促したり、味覚を正常に保つのに必要な亜鉛も含まれています。
レバーを食べる際の注意点として、ビタミンAの過剰摂取があります。
ビタミンAは脂溶性ビタミンで、体内に蓄積されます。特に、妊娠初期にビタミンAを過剰に摂取すると、お腹の中の赤ちゃんに影響があるとされているため、レバーを食べる際は食べる量に注意するようにしてください。
ささみ
ささみは、胸肉の裏側についている肉です。
その形が笹の葉に似ていることから「ささみ」と呼ばれます。
ささみは、脂肪分がほとんど含まれていない上、タンパク質を豊富に含んでいます。鶏肉のタンパク質はアミノ酸バランスがよく、消化吸収しやすいため、ダイエット中のタンパク質補給におすすめです。
ささみの栄養成分としては、タンパク質とナイアシンを豊富に含む他、ビタミンB1やビタミンB6、ビタミンB2などが含まれています。
さらに、鶏肉に含まれるトリプトファンには、睡眠の質を向上させるのを助ける作用や、安心感・幸福感をもたらす作用があるとされています。
一緒に食べるとおすすめ!野菜の嬉しい効果とは?
焼き鳥屋さんで必ず目にする、お供の野菜たち。
鶏肉に添えられるこれらの野菜には、鶏肉に合うというだけではなく、嬉しい効果が期待できます。
ミニトマト
ミニトマトは、普通のトマトよりも栄養が豊富に含まれることがわかっています。
β-カロテンやリコピンといった抗酸化作用の強い成分が豊富に含まれ、体内のコレステロールの酸化を抑制し、血液をサラサラに保つ効果が期待できます。
また、中性脂肪を減らす作用がある13-oxo-ODAと呼ばれる脂肪酸が含まれ、メタボリックシンドロームの予防に効果が期待できます。
カリウムも含まれているため、余分なナトリウムを排出し、むくみ予防にもおすすめです。
アスパラガス
アスパラガスには、エネルギーとして利用されやすいアミノ酸の一つ「アスパラギン酸」が含まれています。
このアスパラギン酸は「クエン酸回路」と呼ばれるエネルギーを作り出す反応に関わり、乳酸の分解を促したり、ミネラルを全身にスムーズに供給する働きをすることから、疲労回復の効果が期待できるとされています。
全身にミネラルが届けられることで、むくみの改善やデトックスといった作用があるとも言われています。
さらに、アスパラガスには、神経の興奮を鎮めてリラックス状態に導く「GABA」と呼ばれる物質も含まれ、ダイエット中のストレス対策におすすめです。
ネギ
ネギには「硫化アリル」と呼ばれる物質が含まれています。
硫化アリルには、ビタミンB1の吸収を促進し、持続時間を長くする作用があります。
ビタミンB1は、ブドウ糖をエネルギーに変換する際の補酵素として働き、疲労物質の代謝を促進する作用があるため、ネギを食べることにより疲労回復の作用が期待できます。
また、硫化アリルには血液の循環をよくする作用もあるため、冷え性の改善にも効果が期待できます。
しいたけ
しいたけには、
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンD
- 食物繊維
などが含まれています。
ビタミンDはカルシウムの代謝を促進するビタミンで、骨粗鬆症予防のために摂取したい栄養素の一つです。
また、しいたけの旨み成分である「グアニル酸」は、老化の抑制に効果が期待できると言われています。
きのこ類はダイエットにもおすすめですね!
ししとう
ししとうにはビタミンCが豊富に含まれています。疲労を回復させる効果が高く、夏バテなどにおすすめの食材です。
また、細胞の老化を抑制し、美肌効果が期待できるβ-カロテンや、カリウムといった成分も豊富に含まれています。
さらに、唐辛子と同様カプサイシンが含まれているため、脂肪の燃焼にも効果が期待できます。
薬味を使うのがおすすめ
焼き鳥を食べる際に薬味をプラスすることで、ダイエット効果や美容効果が高まります。
七味唐辛子
七味唐辛子には、
- 赤唐辛子
- 陳皮
- 山椒
- ごま
- 芥子(けし)の実
- 麻の実
- 青紫蘇
- ショウガ
- 青海苔
の9種類のスパイスが含まれています。
赤唐辛子には、辛味成分である「カプサイシン」が含まれ、ダイエット効果が期待できるとされています。カプサイシンは、摂取するとアドレナリンの分泌を促します。これにより、脂肪を分解する消化酵素である「リパーゼ」の働きが活発になります。
リパーゼが活性化すると、蓄積された脂肪が燃焼されることが期待できます。
また、陳皮は古くから用いられてきた漢方薬の一種です。みかんの皮を干したもので、身体を温める作用があります。
肩こりや冷え性の緩和に効果が期待できる成分です。
さらに、七味唐辛子に配合されるスパイスには、胃腸の機能を高める効果があり、肉とともに摂取することで、タンパク質や脂質の消化を助ける作用が期待できます。
レモン
焼き鳥にレモンを絞ることで、レモンに含まれるビタミンCが、鶏肉に豊富に含まれる鉄分の吸収率を高めてくれます。
また、鶏の皮に含まれる脂質の酸化を防いでくれるため、もも肉や手羽先にはレモンを絞るようにしましょう。
さらに、レモンに含まれる香りの成分である「リモネン」には、交感神経を刺激して血行を促進したり、唾液の分泌を促進する作用があります。
血行が促進されると、身体の代謝や消化活動が活発になり、ダイエットに効果が期待できます。唾液の分泌が促されることで消化吸収の作用が高まるため、タンパク質などの消化しにくい食材にはレモンを合わせるのがおすすめです。
焼き鳥食べてダイエット?満腹感があり効果的!のまとめ
焼き鳥ダイエットは、焼き鳥だけを食べて痩せる単品ダイエットではありません。通常のダイエットの中で、タンパク源として焼き鳥を上手に取り入れ、食事のバランスを整えるのに役立てます。糖質は控えめに、野菜をたっぷりと摂取し、タンパク質が不足しないように注意します。筋肉量を減らさないことが、リバウンドを予防するカギとなります。焼き鳥を利用して上手にタンパク質を摂取し、ダイエットを成功させましょう。