「美容健康のためにはサラダは欠かせない」と言われれば、誰だって「そりゃそうだ」と答えるでしょう。そして同様に、「ダイエットにはサラダが欠かせない」と言われれば、これもまた誰もが認めるところでしょう。しかし、「サラダでダイエットが成功した」という言葉には、みなさんはどう答えるでしょうか?
サラダを中心に食べてダイエットをするのは、昔から支持されてきた伝統的な方法ですが、ちゃんと最後まで実践して成功させた人は、じつはそこまで多くないんです。そこで今回は、みなさんに正しい「サラダダイエット」の方法や意義をお伝えして、健康的で継続ができるダイエットライフを送ってもらおうと思います。ダイエットは、まずは正しい知識をつけてから行うべきものです。もしも読者のなかに、かつてサラダダイエットに挫折した経験をお持ちの方がいらっしゃるのなら、この記事を通じて、あらためて再チャレンジしていただきたいです。
サラダダイエットとは?
サラダダイエットとは、サラダをボウルに盛り付けて食べるダイエットのことです。
サラダボウルにサラダを一杯入れて食べるのが主流です。芸能人の間でも成功して話題になったサラダダイエットです。
ただ、このダイエット法は、冒頭でも触れましたが、成功者は意外と多くありません。
その理由の大部分は、極端なやり方でサラダダイエットをしてしまうことにあります。
つまりこれは、「サラダで痩せる」ということを取り違えてしまっているのです。よくあるのが、主食をサラダに置き換えてしまうケースです。
たしかに、主食をサラダにする方法は、極限まで「糖質」を制限することになりますから、事実として相当な効果は見込めると思います。
百歩譲って、もともとストイックな性格の方なら、「サラダ置き換えダイエット」を成功させることができるかもしれません。
しかし、たいていの人は、主食とするサラダがあまりに低カロリーすぎ、しかも満腹感も得られないので、夜ごと空腹に悩まされて、かえって寝付けず、睡眠不足によって健康を害してしまうでしょう。空腹に耐えられず間食をしてしまうのが最悪なのは言うまでもありません。
食事にともなうストレスというのは、ダイエットのモチベーションを著しく削いでいきます。
サラダでダイエットを試みて挫折する人の多くは、この誤った方法(置き換えダイエット)にもとづくストレスが原因だと言われています。
サラダダイエットの方法は?
サラダダイエットで挫折しないよう、改めてその方法を整理していきましょう。
心していただきたいことは、サラダダイエットは、けっして「置き換えダイエット」ではないということです。
たしかに、主食をサラダに置き換えると、一時的には間違いなく痩せることができるでしょう。サラダを主食にすれば、ほぼ完全な糖質ゼロ状態を実現できるのですから。
しかし、たとえそれで痩せることができたとしても、ダイエット後には「リバウンド」という副作用が待ち受けています。なぜなら、極端に糖質が制限された食生活を続けることで、常時「糖質不足」となり、かえって糖質を吸収しやすい身体になってしまうからです。
では、糖質を極端に制限すると、なぜ糖質を吸収しやすい身体になるのでしょう?
それは、わたしたちの身体に備わっている生存本能のせいです。糖質はもともと、肉体を維持するための大切なエネルギー源。車で例えるならガソリンにあたるものです。
これが不足すると、身体は「少しでも多くの糖質を蓄える」ように変化していきます。だからダイエットが終わったあとに以前の食生活に戻すと、過剰に糖質を脂肪として“貯蓄”しまい、結果として以前よりも「太りやすい身体」になってしまうわけなのです。
そんなわけなので、くれぐれもみなさんは、主食のすべてをサラダに置き換える方法をとらないでくださいね!
では、理想的なサラダダイエットは、いったいどのようなものなのでしょうか?
サラダダイエットの方法は、基本的には「ボディビルダーの食事実践」を参考にすればほぼ正解だと言われています。
ボディビルダーは、「筋肉はつけたいけど脂肪はつけたくない」という意識をもって生活しているとてもストイックな人々です。だからダイエットもまた、そんな彼らの食事に学ぶべきところが多いのです。
とくに、今回のテーマである「サラダダイエット」はまさにその典型です。
では、このダイエットはいったいどのようにして実践していくと満足いく結果が得られるのでしょうか?
1.夕飯の前にサラダをモリモリ食べる
これは筆者が20キロの減量に成功させたときに実践していた経験談もベースになっています。ポイントは「サラダを食べるタイミング」です。
そのタイミングは、ふたつの観点から整理することができます。
ひとつめは時間帯。サラダダイエットを実践するからといって、なにも三食ずっと食べ続ける必要はありません。サラダを食べるべきタイミングは、夕飯のときで十分です。
なぜなら、夜こそがもっとも太りやすい時間帯だからです。
朝や昼は、お望みなら、ふだん通りの食事で結構です。暴食さえしなければ、活発に活動する昼間は摂取カロリー量とエネルギーの消費量で相殺できます。
朝・昼は普通に食べて、夜はサラダダイエットを実践する。こうしたメリハリのある食事をすれば、ほとんどストレスを感じることもなく、継続的に行うことができるでしょう。
そしてふたつめのサラダを食べるタイミングは、「夕食を食べる前」です。
低カロリーで食物繊維たっぷりのサラダを“食前”に食べることで満腹中枢を刺激し、メインディッシュを少量で済ませることができます。
“胃のなかにサラダを敷き詰める”イメージでモリモリと食べ、そのあとに通常の食事を行うと、胃に広がる“サラダのじゅうたん”が食べ物をキャッチしてくれます。
すると、消化が促されて、余分な脂肪分を吸収せずに済みます。
2.ある程度の糖質やタンパク質を摂る
続いて、「サラダダイエット」の方法をもう一点説明しましょう。上で述べたように、このダイエットは食前にサラダを摂ることが肝要です。
そうした後は、脂質・糖質・タンパク質をバランスよく整えた食事を「必ず」とるようにしましょう。
「え?タンパク質はわかるけど、どうして脂質や糖質もとらないとダメなの?」そう思われる方もいらっしゃるでしょう。
その理由は、ダイエットの天敵と呼ばれる脂質や糖質も、身体の活動を維持するためには不可欠だからです。
いくらダイエットをしているからといって、これらを極端に抜いてしまうと、かえって体調を崩してしまいかねません。ようするに、摂りすぎがダメなのです。
代謝に必要な分は、ある程度体内に取り込む必要があるのです。ここのところは、勘違いしないように気をつけましょうね。
3.ドレッシングにも気をつける!
サラダを何もつけずにそのまま食べるのが一番のおすすめですが、さすがに何も味付けがされていないサラダを苦手とする方は多くいるのではないでしょうか?
ドレッシングを利用するのも多くの野菜を摂取するためには必要になります。ただ、気を付けなければいけないのは「ドレッシングにもカロリーがある」という点です。
マヨネーズを使用したドレッシング(乳化タイプのドレッシングに多いです)やクリーミーな胡麻ドレッシングには意外と多くのカロリーが含まれています。
また、ヘルシーに思えるノンオイルドレッシングも油断してはいけません。せっかくサラダを食べて低カロリー食ダイエットをしているのに、ドレッシングでカロリーを上げてしまうのはダイエットの効果も薄れてきますよね?
くれぐれもかけすぎは禁物!サラダでせっかく抑えた摂取カロリーを、ドレッシングで元に戻すことのないよう気を付けましょう!
塩やレモン、しょうゆ、ポン酢などで薄めの味付けで低カロリーで食べられるように工夫するのもポイントですね!
サラダダイエットの効果やメリットは食物繊維にあり!
腸内環境の改善
サラダは「ダイエットしやすい身体づくり」に貢献するうえで非常に重要な食材です。では、それはなぜなのでしょうか?
その最大の理由は「食物繊維」にあります。みなさんもよく知っている「食物繊維」は、じつはダイエットに密接に関わっている成分なのです。
便秘が美容健康に悪影響を及ぼすだけでなく、それが肥満にもつながるということは、いまやダイエットの常識ですよね?
腸内環境の悪化は、つまるところ食物繊維不足に原因が求められます。では、食物繊維が足りないと、どうなってしまうのでしょうか。以下に、簡潔なシナリオを書いてみました。
【食物繊維の不足 → 大便をつくる材料が不足 → 便秘発生 → 体内のエネルギー吸収効率落ちる&悪玉菌発生 → エネルギー代謝が落ちる → 太りやすくなる&毒素が身体をめぐり美容を害する】
このように、食物繊維不足は、肥満と美容破壊への道へとつながっているのです。
しかもそれだけではなく、こんな状況で焦ってダイエットを始めると、ますます健康と美容を害することになるでしょう。
腸内環境が整っておらず、エネルギー代謝の落ちているタイミングでダイエットをすれば、食欲不振・肌荒れ・睡眠不足を引き起こし、さらに健康美容状態が悪化するだけです。これでは、ダイエットどころではありませんよね?
だからこそ、サラダを食べて食物繊維を継続的に摂取することは、結果的にダイエットにつながるのです。
血糖値の上昇を抑えてコレステロールを排出!
「水溶性食物繊維も不溶性食物繊維もどちらも体内には吸収されませんが、健康のためには重要な役割を果たしており、第六の栄養素ともいわれ注目されています。水溶性食物繊維は、水に溶けやすく、水に溶けるとゼリー状になります。小腸での栄養素の吸収の速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。また、コレステロールを吸着し体外に排出することで血中のコレステロール値も低下させます。・・・(中略)・・・水に溶けにくい不溶性食物繊維は、水分を吸収して便の容積を増やします。便が増えると、大腸が刺激され、排便がスムーズになります。また、有害物質を吸着させて、便と一緒に体の外に排出するため、腸をきれいにして大腸がんのリスクを減らしてくれます。また、どちらの食物繊維も大腸内の細菌により発酵・分解され、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になるため、善玉菌が増え、腸内環境が改善されます。」
引用:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」
また、食物繊維の働きで血糖値の上昇が緩やかになる、これがダイエットにとって重要なポイントになります。
数多の健康食品のCMで「血糖値の上昇を抑える」というフレーズをよく耳にしませんか?これからもわかるように、「血糖値」は様々な健康食品、ダイエットに共通するキーワードと言える重要な項目なのです。
血糖値が上昇するとすい臓からインスリンが分泌され、糖をエネルギー源となるグリコーゲンに変換し筋肉や肝臓に蓄えておきます。ただ、筋肉や肝臓に貯蔵できるグリコーゲンがいっぱいになると、今度は脂肪として蓄積してしまうのです。
血糖値の上昇が抑えられることは、脂肪の原料となる糖の供給が抑えられることを意味します。これがダイエットに良い結果をもたらすのです。
- 血糖値の上昇を抑える
- コレステロールを吸着して体外に排出する
食物繊維のこの2つの働きがダイエットに好結果をもたらしてくれるのです。
これらのサラダの成分・健康効果から考えると、根気よく続けていけばよい結果が期待できそうです。この記事を参考に、サラダダイエットを成功へと導いてくださいね!
サラダダイエットの本質は夕飯のまえにサラダを食べて、脂肪の吸収を抑えつつ食物繊維でデトックス効果を得ることにあります。くれぐれも、サラダを主食にして極端な食事制限を行わないように気を付けてください。
サラダダイエットは1週間だけでも効果的に痩せられる!そのやり方は?のまとめ
サラダ(野菜)は美容健康ダイエットに欠かせない食材であることは言うまでもないでしょう。みなさんはサラダを積極的に食べていますか?
サラダを食生活の中心に据えてヘルシーかつ健康的に痩せる「サラダダイエット」は、老若男女問わず確かな効果があります。しかし、サラダダイエットはやり方をしっかりと守らなければ、かえって栄養が偏ってしまいます。
サラダだけ食べていればもちろん痩せますが、身体の維持に必要なタンパク質などはまったく摂取できず、不調に陥ってしまうかもしれません。
それでは、サラダダイエットはどのようにして行えばいいのでしょうか? 本記事では、サラダダイエットの意義と役割について説明しながら、具体的な実践方法について取り上げていきます。