暑い時期にツルツルとすする「そうめん」は、日本の夏の風物詩と言えるくらい私たちの食卓におなじみですよね?また、暑い時期だけではなく、「にゅうめん」など季節を問わずに食べられるのもそうめんの魅力です。そんなそうめんを使ったダイエット法が話題になっているのをご存知でしょうか?
数々の芸能人が実際にこの「そうめんダイエット」で痩せているので、たしかな実績があるようです。そうめんダイエットは主食をそうめんに置き換える方法なのですが、そうめんの原料は小麦後なので、けっして低糖質ではないのです。では、いったいどうして、そうめんダイエットで痩せることができるのでしょうか?本記事ではこのそうめんダイエットについて迫っていきたいと思います。
そうめんダイエットの方法は?
そうめんダイエットとは何か?効果的な方法はどのような方法なのかをご紹介していきます。
基本は「置き換えダイエット」
世の中には数々の「置き換えダイエット」がありますが、この「そうめんダイエット」もまた、一日三食のなかの一食を「そうめん」に置き換えるというシンプルな方法をとります。
置き換えの時間帯ですが、夕食でそうめんダイエットを実践するのがおすすめです。
夕食は朝・昼と比べてもおかずの量が多く、摂取カロリーが高めになります。
夜はわたしたちの身体の活動が鈍くなる時間帯ですので、夕飯で摂取したカロリーや糖質がエネルギーとして変換されにくくなり、余剰分が脂肪の蓄積へと回りやすくなってしまうのです。
そうめんダイエットの本質は摂取するカロリーを抑えることにありますので、この夕食の時間帯がもっとも効果的なのです。
注意!そうめんはカロリーが高い!
豪華な夕食をそうめんに置き換えるそうめんダイエットですが、そうめんは小麦粉が原料です。果たしてどのくらいのカロリーが含まれているのでしょうか?
日本人の主食「白米」と比べてみましょう。それぞれ100g当たり
- 白米:168kcal
- そうめん(ゆで):126.9kcal
となっています。ご飯よりも低カロリーですね!
とは言えども、実際に口に入れるカロリー、1食分のカロリーを計算すると
- ご飯:約320kcal(茶碗1杯分)
- そうめん:約360kcal(乾麺100gを茹でたカロリー)
となってしまいます。
これだけを聞くと、「なんでわざわざそうめんを食べる必要があるの?」と疑問をもたれるかと思いますが、それは間違いない事実です。
もしも、おかずも食べるつもりなら、「そうめんダイエット」は実践するべきではないのです。
というのも、このそうめんダイエットの本質は、「そうめんだけを食べてお腹を膨らませることで、他のサイドメニューを食べなくする」ことにあるからです。
ただ、おかずなしで食べることができるのは、ご飯にはないメリットと言えますね!
そうめんダイエットのコツは?
そうめんはご飯よりもカロリーが高いので、サイドメニューと合わせて食べると、ふつうに食事をするときよりも摂取カロリーが高くなってしまいます。
そうめんダイエットを実践するのであれば、必ず、「そうめん一食だけ」というルールを貫いてください。
とはいえ、「そうめん」だけでは当然、栄養にかなりの偏りが生じてしまいますよね?
一日だけ「そうめんオンリー」ならまだしも、これを継続的に続けるとなると栄養不足に陥り、便秘や肌荒れなどのさまざまな体調トラブルを引き起こしてしまいます。
ですので、「そうめんダイエット」をする際には、足りない栄養素をカバーするために「薬味」を十分に食べるよう心がけましょう!
じつは、そうめんダイエットで重要なのは、この「薬味」たちなのです。
「薬味」には栄養素の他に、ダイエットに役立つ諸成分が豊富に含まれています。つまり「そうめんダイエット」は「薬味」を存分に活用することでようやく本領が発揮できると言えるのです。
そうめんのお供にしたい頼れる薬味をご紹介していきましょう。
生姜(ショウガ)
「生姜」は言わずとしれた、古くから「生薬(しょうやく)」として利用されるほど優れた食材です。
「生姜は漢方薬の約7割に用いられ,吐気・嘔吐止め(乗り物・つわり・手術後・化学療法などをはじめ,消化促進,免疫力向上,抗微生物,熱産生亢進,血行改善,発汗,冷え性改善,解熱・鎮痛,咳止め,関節炎,抗酸化,抗腫瘍,血中脂質改善など,様々な健康効果が期待されている」
生姜の健康効果の「冷え性改善」は、皆さんもご存知の効能ですよね?
生姜の
- 熱産生亢進
- 血行改善
といった働きが冷え性の改善に貢献するのです。
人間が生命を維持する身体活動に必要になるカロリー量を「基礎代謝」と言いますが、熱を発生させる働きもこの基礎代謝に含まれます。
さらに、血行改善作用もありますが、新鮮な血液が体の隅々まで行き渡ることによって、さらなる代謝の向上が期待できるのです。
消費カロリーを如何に増やすか?がダイエットに課せられた問題です。生姜の効能はこのようにしてダイエットに役立ってくれるのです。
梅干し(紀州梅)
紀州梅には、近年研究が盛んになっている「バニリン」という成分が豊富に含まれています。
バニリンは肥満のもとである脂肪細胞に作用を及ぼし、脂肪の蓄積を防いでくれる働きが期待されています。
「和歌山県紀南地域に住む女性201人を対象とした疫学調査結果では紀州産梅干しを毎日食べている人は食べていない人に比べて、BMI値(肥満度を調べる値)が低いという結果でした。脂肪細胞の培養細胞を使った研究結果では、紀州産梅干しには脂肪細胞に刺激を与える作用のあることがわかりました。その成分の一つが「バニリン」です。 バニリンを含む紀州産梅干しを摂取すると小腸で吸収され、脂肪を蓄えている脂肪細胞に刺激を与えます。その刺激によって、脂肪細胞が燃焼し、小さくなることで体重が減少することが期待されます。」
引用:紀州梅効能研究会 「梅の効能 脂肪燃焼作用」
薬味としてはあまりなじみがないかもしれませんが、梅干の酸味とそうめんのほのかな甘みとの組み合わせは、相性が意外と良いのです!
このバニリンは紀州産の梅に特に豊富に含まれているようです。痩せる効果を期待できるのであれば、積極的に摂り入れたいですね!
とろろ(山芋)
独特の粘りが食味にアクセントを加えるとろろは、スタミナ食としても有名です。
山芋に含まれる成分に
- 食物繊維
- サポニン
があります。
「最近の研究では、山芋に含まれるサポニンのディオスゲニンは、体の抗酸化、血中コレステロール低下などの脂質代謝改善に効果が期待できることが報告されています。」
引用:キッコーマン株式会社 研究開発本部発!食べ物が持つ健康パワー「第55回「山芋」」
食物繊維の働きに関しては言わずもがな、注目はサポニンです。このサポニンにも脂質の代謝改善に有効な働きが期待できるというのです。
ダイエットの目的に、余分な脂肪をいかに減らすか、という点があります。
脂肪にダイレクトに作用するサポニンの働きは、ダイエットを進めるうえで力強い味方となってくれるのは間違いありませんね!
そうめんダイエットの注意点は?
そうめんダイエットには注意するべき点があります。始める前にしっかりとチェックしておきましょう。
栄養の偏りに注意
そうめんダイエット自体は、特別に難しいことはありません。
そうめんは夕食に置き換えるのが効果を発揮する上で一番だと申しましたが、朝・昼と軽く済ませている方は注意が必要です。
というのも、いくら薬味で栄養成分を補うといっても、薬味は少量なので健康を維持する上で必要な栄養素を摂取するには到底足りないからです。
ダイエットに成功しても、栄養不足から体調を崩してしまうようなことがあっては本末転倒です。そうめん自体に栄養が豊富に含まれているわけではないのです。
なので
- 生野菜でビタミン類を摂取する
- ゆで卵などでタンパク質を摂る
など、栄養バランスを崩すことがないよう気を付けて実践するようにしましょう。
温かくして食べる
夏の風物詩ともいえるそうめん、冷やして食べるという方がほとんどかと思います。
でも、ダイエットの観点からいうと、冷やして食べるのはおすすめではありません。
というのも、冷たいそうめんを食べると胃腸が冷えてしまい、代謝が落ちてしまうからです。
代謝は消費カロリーを左右する、身体の重要かつ基本的な働きです。代謝を下げるようなことがあっては、せっかくのそうめんダイエットも失敗してしまう可能があります。
熱々のそうめんを食べる、とまではいきませんが、冷やし過ぎることがないように食べることを心がけましょう。
おすすめのレシピは?
栄養バランスにさえ注意すれば、理想的な形で摂取カロリーを抑えることができるのがそうめんダイエットの魅力的な点です。
置き換えダイエットは長く続けるのが何よりも大切ですが、そのために必要になるのが飽きずに続けられるレシピです。
基本的に先ほど紹介した薬味を一緒に摂るのが一番のおススメですが、一手間加えるレシピを見ていきましょう!
鶏肉入りにゅうめん
「かしわそば」など、そばの具材としても知られる鶏肉を、温かいそうめんに加えるレシピです。
鶏肉は良質なタンパク質が豊富に含まれたダイエット食材です。ダイエットを成功させるためには基礎代謝を上げるのが大切なポイントですが、この基礎代謝は筋肉量に比例します。
筋肉量を維持し、増強するには良質なタンパク質が必要になるのです。
ダイエットは 摂取カロリー < 消費カロリー の関係が成り立つことで成功します。
そうめんダイエットで摂取カロリーを抑え、鶏肉を摂取し筋肉量を増すことで消費カロリーの増大につながります。
鶏肉入りにゅうめんは、いわば車の両輪のような関係が成り立つレシピと言えますね!
ただ、気を付けなければならないのが、「皮を取り除いた鶏肉を使う」という点です。
鶏肉の皮は脂肪のかたまり、それをそのまま入れてしまうとせっかくのダイエット効果が半減してしまうので気を付けましょう!
卵入りにゅうめん
完全食の誉れ高い「卵」を加えるレシピです。
温かいにゅうめんに溶いて入れるのもよし、チャーハンの要領で炒めたそうめんに絡めるのもおすすめです。
卵も良質なタンパク質を含む食材で、さらに、脂肪燃焼効率を高めるビタミンB2が豊富に含まれています。
不足する栄養を手軽に摂取できる卵は、そうめんダイエットでも積極的に活用したいですね!
組み合わせる食材次第でダイエット効果が見込めるそうめん!夕食をそうめんに置き換えることで、摂取カロリーを大幅に抑えることが可能になります。
栄養バランスに気を付けて、ダイエットライフを満喫してみてください。
そうめんダイエットで痩せる!効果を上げる薬味とレシピは?のまとめ
低糖質でないそうめんでダイエット?不思議に思うかもれませんが、成功の声も多いダイエット法なのです。
そうめんは麺つゆだけで食べられます。そのため、おかずをたくさん食べてしまいがちな夕食をそうめんに置き換えことで、おかずの分のカロリーを減らすことが可能になるのです。
おかずを食べないことがポイントになりますね?そして、そうめんダイエットでは薬味選びもポイントです。飽きがこないための工夫でもありますが、薬味によってはダイエットの相乗効果が期待できるのです。
例えばショウガは冷え性を改善し基礎代謝を向上させ、梅干しを入れれば抗酸化作用の他にも、脂肪の蓄積を妨げてくれるのです。
また、とろろ芋の成分は脂質の代謝の改善に有効な働きが期待できるのです。
薬味で不足する栄養も補えるそうめんダイエット、カロリーセーブにおススメのダイエット法です。
記事の作成にあたっては記事中で触れた論文やサイトの他、以下の情報を参考にいたしました。
文部科学省 食品成分データベース