スローカロリーはダイエットに効果的と言われていますが、そもそもスローカロリーとはどんな食品なのでしょうか?ダイエットをしているけど全然痩せないという方は食品や食べ方をチェックしてみましょう。
スローカロリーダイエットの効果は食べながらダイエット効果が期待できるという点です。何をどのように食べるのかでダイエットの効果は大きく左右されます。是非スローカロリーを取り入れてダイエットを成功させましょう!
ファーストカロリーな食事に現代人は偏りがち?
消化吸収速度が速く、すぐにエネルギーになる食品の特徴を「ファーストカロリー」と形容します。
消化吸収が速い食品は、摂取後に身体を一時的な栄養供給過多に導き、すぐに血糖値が下がるため、今度は栄養不足になります。
ファーストカロリー食品による食事を繰り返すことは、栄養過多と栄養不足を繰り返すことなのです。
あなたが普段食べているのは、ファーストカロリーな食品かも?
具体的にファーストカロリーな食品の一例を挙げてみましょう。
- 菓子パン
- おにぎり
- うどん
- スナック菓子
手軽に、素早く摂取できるこれらの食品は、おそらく多くの人が朝食や昼食として摂取していることと思われます。
特に、忙しい人は食事に時間をかける余裕がなく、おにぎりを片手に仕事をしている人も多いでしょう。
ファーストカロリー食品の特徴としては、
- 「食物繊維が少ない」
- 「精製された穀物を原料としている」
- 「砂糖や果糖を多く含む」
といった点が挙げられます。
こうした食品は、肝臓への糖の流入速度が速いため、血糖値が急激に上昇し、インスリンの過剰な分泌を招きます。
ファーストカロリー食品のデメリットは?
ファーストカロリー食品には、以下のようなデメリットがあります。
- 満腹感が持続しない
- 内臓脂肪の増加
- 糖尿病・高血圧・動脈硬化などの疾患を招く
食事制限をしているのに痩せないという場合には、摂取カロリーは抑えても、ファーストカロリー食品を摂取している可能性があります。
ダイエット成功のカギがスローカロリー
「スローカロリー」とはファーストカロリーとは反対に、消化吸収がゆっくりであることを指しています。
スローカロリーであることのメリットとしては、
- 集中力・満腹感が持続する
- 内臓脂肪がつきにくい
- 血圧が下がる
といった点が挙げられます。
既にお気づきかもしれませんが、これらスローカロリーのメリットは、ダイエットにおいて非常に重要です。
ダイエット中は、食事量を抑えることが一般的です。
自由に食事ができないため、1回ごとの食事の腹持ちがダイエット成功のカギとなります。空腹を我慢するダイエットよりも、お腹が空かないダイエットの方が長続きします。
また、内臓脂肪がつきにくいという点も重要です。
さらに、健康面から言えば、血糖値が上がりすぎないことも重要なポイントです。血糖値の急上昇と急下降を繰り返すことは、糖尿病発症のリスクを上げます。こうした面からも、スローカロリーな食べ方を身につけるべきなのです。
「低GI値ダイエット」の進化形が「スローカロリーダイエット」
血糖値の上昇を緩やかにすることがダイエットのポイントであるという考え方は、随分前からありました。その考え方を反映したダイエット方法が「低GI値ダイエット」です。
「GI値」とは「グリセミック・インデックス(Glycemic Index)」のことです。
GI値は、摂取した食品が体内で糖に変わり、血糖値が上昇するまでの速度を計測したもので、ブドウ糖を摂取した時の血糖値の上昇率を100とし、相対的に表されます。このGI値が低ければ低いほど、血糖値の上昇速度が遅いということになります。
このダイエットでは、GI値の低い食品を積極的に摂取し、糖質を極端に制限するという方法が一般的でした。
低GI値ダイエットを進化させたのが「スローカロリー」という考え方です。
極端な糖質制限は推奨されない
スローカロリーという考え方は、医療の現場においても推奨されています。従来糖尿病患者は、糖質を厳しく制限する方法で食事制限を行っていました。
しかし、糖質は三大栄養素の1つ。糖質もまた、身体にとっては必要不可欠なエネルギー源なのです。
そこで、スローカロリーという考え方が生きてきます。
スローカロリーを根底に置いた食事方法では、工夫をしつつ糖質を摂取します。
大切なのは、血糖値を急激に上昇させず、インスリンの極端な分泌を避けるという点ですので、この点をしっかりと抑えていれば、糖質を摂取しても構わないのです。
スローカロリーのポイントは?
スローカロリーな食事のポイントは、簡単に言うと5点です。
消化吸収がゆっくりであること
ファーストカロリーの問題点は、消化吸収が速く、急激に血糖値が上昇する点です。
スローカロリーはこれとは逆で、消化吸収がゆっくりな食品を選びます。
血糖値の急激な上昇は、インスリンの過剰分泌を招きます。これにより、再び血糖値が急降下します。
また、インスリンは、なるべく早く血中の糖を処理しようと身体じゅうに働きかけるため、血液中に余った糖を脂肪に換え、身体に蓄積します。
つまり、摂取カロリーの面では問題なくても、脂肪がつきやすくなるのです。
消化吸収がゆっくりな食品を選べば、脂肪がつきにくいというだけでなく、緩やかに血糖値が上昇し、降下も緩やかなため、急な空腹に襲われることもありません。満腹感が持続し、不必要な間食をすることも減ることが期待できます。
血糖値の上昇を上手にコントロールするにはサラシアという方法もあります。
食物繊維を多く含むこと
食物繊維には、
- 「水溶性食物繊維」
- 「不溶性食物繊維」
があります。
このうち、血糖値の上昇を抑制する効果があるのは水溶性食物繊維であると言われています。
水溶性食物繊維は、その名の通り水に溶けるタイプの食物繊維です。
水に溶けると粘性が出て、食事から摂取した食品が胃に留まる時間を延ばします。これが、腹持ちのよさの理由の1つです。
また、食べたものが小腸から消化・吸収される速度をゆっくりにするため、急激な血糖値の上昇を抑制します。
水溶性食物繊維は、
- 海藻類
- きのこ
- 乾物類
- こんにゃく
などに多く含まれています。
また、不溶性食物繊維についても、水分を多く吸収し大きく膨らむため満腹感を高める作用があります。便通の改善にも役立ち、腸内環境をよくする作用があります。
水溶性食物繊維だけでなく、不溶性食物繊維も積極的に摂取するようにしましょう。
糖質の質と量を吟味すること
「糖質制限」と言うと、糖質の量を制限するものと思われがちです。
しかし、食べ過ぎないことだけが重要なのではありません。単純にごはんやパンだけを減らそうとすると、主食の量が減るため空腹になりますね。
重要なのは、量を減らすだけではなく、糖質の質を選ぶということです。
先に述べましたが、GI値の観点から言うと、糖質も血糖値が上がりにくいものを選ぶべきです。血糖値の上がりにくい糖質は、精製度が低いという点がポイントです。
ごはんやパンなどの主食では、玄米や全粒粉を用いたパンを選びます。
砂糖についても同様で、黒糖やきび砂糖など精製度が低いものを選びましょう。
ミネラルが多く含まれている他、オリゴ糖により糖質の吸収が緩やかになります。
また、オリゴ糖が善玉菌を増やし、腸内環境をよくする点でもおすすめです。
糖質制限において注意したいのは、低カロリー甘味料や人工甘味料などの「非糖質系甘味料」です。これらの甘味料は、耐糖能異常の原因となることが指摘されています。結果として、糖尿病を引き起こす可能性があることがわかっているため、日常的に大量に摂取するのは避けるのが無難です。
食べる順番に注意すること
血糖値の急上昇は、食べる順番によっても抑えることができます。
食べる順番に注意することで血糖値の上昇を抑制することは、手軽な食事療法としても注目されている方法です。
推奨されている順番としては、
食物繊維の多い野菜料理(イモ類・大豆以外の豆類・かぼちゃ・トウモロコシなど、糖質を多く含む野菜以外のもの)
↓
タンパク源となるメインのおかず
↓
ごはんやパン、麺類などの主食
糖質を多く含む食事から食べると、摂取した糖質が急速に消化・吸収され、血糖値が急激に上昇します。
反対に、食物繊維を多く含む野菜類を先に食べておくと、腸内での糖質の吸収が緩やかになり、血糖値が上がりにくくなります。
さらに、食欲を抑制する作用がある「インクレチン」というホルモンの分泌が促されることがわかっています。
野菜の次にタンパク質を摂取する理由としては、肉や魚などのタンパク源も、食物繊維に次いで血糖値が上がりにくい食品であるためです。
そして、最後に主食を食べることで、過食の予防になります。
よく噛んで食べること
ダイエットにおいては「よく噛む」ように指摘されることがよくあります。
これは、満腹中枢が働くまでに20分ほどの時間が必要なためです。
早食いの人は、満腹を感じないまま食事を終えることもあるかと思います。また、満腹を感じにくいため、食事量が多くなりがちです。
ゆっくりと食事をすることで、満腹感を持続させるホルモンである「インクレチン」の分泌が高まるなどのメリットもありますので、食事は是非よく噛んで、ゆっくりと食べるようにしましょう。
不溶性食物繊維を多く含む根菜類や、低脂肪の肉類、精製度の低い玄米などは、自然と咀嚼回数を増やすことができるためおすすめです。
食生活を正すことからスタートしよう
肥満傾向にある人は、食生活が不規則であることが多いと指摘されています。
朝食を抜いている人や、夜中に食事を摂る習慣がある人は、まずは食生活を正すようにしましょう。
これらの習慣は、生体リズムを乱し、内臓脂肪蓄積を招きます。
スローカロリーを志すとともに、食事内容や食べ方の他、食事の時間にも気を配るようにしましょう。
さらに、先に述べたように安易な糖質制限はおすすめできません。
- 「主食を抜けば痩せる」
- 「糖質以外ならいくら食べても大丈夫」
といったダイエット方法が多く見受けられますが、極端な糖質制限により栄養バランスが崩れ、健康に影響が及ぶことも考えられます。
スローカロリーダイエットとは?食べ方で効果に差をつける!のまとめ
これまで、菓子パンや麺類を食事にし、カロリーだけを気にしていた人は、これを機に食事内容に気を配ってみてください。糖質メインの食事を改め、血糖値の上昇を抑えるだけで、ダイエット効果に差が表れるはずです。食べる順に注意することも、カロリー計算を行うよりも効果的です。バランスのよい食事をとりながら、健康的にダイエットしましょう。