豆腐の種類の違いは作り方の違い?【豆腐の歴史と栄養素!】

豆腐
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豆腐を使用したダイエット法が人気を集めるなど、近年、豆腐は健康食品としても注目を集めています。麻婆豆腐、湯豆腐にお味噌汁の具などなど、様々な料理に利用されている「豆腐」は、みなさんの食卓でもすっかりおなじみの食材ですよね?

昔から日本人の食卓を彩ってきたお豆腐にはどのように歴史があるのでしょうか?そしてダイエットにも利用される豆腐の栄養素など、この記事では今さら聞けない豆腐のイロハについて皆さんにご紹介いたします。

目次

豆腐とは?

何を今さら?とお思いの方もいらっしゃると思いますが、ここであらためて豆腐を辞書で調べてみましょう。

広辞苑には

水に浸して柔らかくした大豆をすりつぶした豆汁を熱し、布漉しして豆乳とおからに分け、豆乳に苦汁または凝固剤を加えて凝固させた食品。白くて軟らかく、蛋白質に富む。日本には奈良時代に中国から伝えられたといわれる。

とあります。

皆さんも豆腐ってなに?と聞かれたならば、このようにお答えするのではないでしょうか?

ただ、豆腐が奈良時代に中国から伝わったというのはご存知でしたか?私は初耳でした。ということで、豆腐の歴史を詳しく見てみることにしましょう。

豆腐の歴史

豆腐は今から2200年ほど前、紀元前2世紀の前漢の時代、劉安という人物によって発明されたと16世紀にまとめられた「本草綱目」にあります。

その一方で、豆腐が初めて食べられたのは唐時代の中期ではないか、とする説もあり、明確な始まりは定かではありません。ただ、中国が発祥の地であることについては間違いがないようです。

そんな豆腐が日本に伝来したのは奈良時代、遣唐使によって伝えられたと考えられています。と言っても、こちらも明確な記録が残されておりません。

文献などで明らかになるのは平安時代、春日神社の供物帖にある「唐府」が「豆腐」を指すと言われています。

この豆腐は精進料理として食されていたのが貴族や武士に広がり、室町時代には全国に伝わり、庶民の口にも入るようになりました。

この豆腐が江戸時代に一大ブームを巻き起こします。様々な豆腐料理を取り上げた料理本「豆腐百珍」(1782年発行)は大変な人気を博しました。

あまりにも好評だったため、「豆腐百珍続編」「豆腐百珍余禄」といった続編も発行され、さらに豆腐以外の百珍本も相次いで出版されたのです。

豆腐料理の人気が他の食材にも波及するという、今でいうグルメブームが巻き起こったのでしょうね。

このように江戸時代にグルメブームを巻き起こした豆腐ですが、その後も人気が衰えることなく、現代の食卓へと受け継がれているのです。

木綿豆腐に絹ごし豆腐!豆腐の種類は製造方法次第?

スーパーの日配品コーナーの「顔」ともいえる豆腐ですが、「木綿豆腐」「絹ごし豆腐」が並んで売られていますよね?

豆腐は水に浸して柔らかくなった大豆を、水を加えながらすりつぶしたもの(呉)を漉してできた豆乳に「にがり」などの凝固剤を加えて固めたものです。

その固め方で「木綿豆腐」や「絹ごし豆腐」など、色々な種類に分けられます。

木綿豆腐

木綿豆腐は豆乳に凝固剤を加えてある程度固くなったものを、木綿の布を敷き詰めた箱型に流し込み、重しで水分を押し出しながら固めていったものです。水を切る際に敷いた木綿の模様がつきますが、これが木綿豆腐の名前の由来になっています。

圧力をかけることで固めに仕上がるので、煮る・焼く・炒めるなどといった手を加える料理に向いています。

絹ごし豆腐

絹ごし豆腐は箱型に流し込んだ豆乳に凝固剤を加えてそのまま固めたものです。豆乳を固めるのは木綿豆腐と共通ですが、圧力をかけない点が異なります。

また、絹ごし豆腐には木綿豆腐よりも濃い豆乳が使われます。豆乳をそのまま固めてできた豆腐なので表面はきれいに、食感も滑らかに仕上がります。

「絹ごし」と言う名前から、絹の布を使うと思っている人も多いようですが、滑らかな仕上がりから「木綿」と対比して「絹」の字があてられたのです。

柔らかく仕上がる分崩れやすいので、手を加えずに済む料理に向いています。

寄せ豆腐(おぼろ豆腐)

箱型に入れる前段階の、ある程度固まった木綿豆腐をすくい取って容器に入れたものです。

型に入れて作る豆腐とは違う、そのもやもやした形状から「おぼろ豆腐」とも呼ばれます。

充填豆腐

冷却した豆乳に凝固剤を加え容器に充填した後に加熱して固める豆腐です。容器(パック)に充填された後に加熱され、加熱後は人の手に触れることがないので、衛生的で日持ちするのが充填豆腐の特徴です。

森永乳業

http://www.morinagamilk.co.jp/release/newsentry-3065.html

森永乳業が作っている充填豆腐ですが、「豆腐」と書かれていなければ豆腐とは思えないですよね?常温保存が可能という画期的なお豆腐です。

他にもある?豆腐のバリエーション

出来上がった豆腐にさらに手を加えることで出来あがる食材もあります。こちらも皆さんに馴染み深い食材ですね!

高野豆腐

おでん 高野豆腐

豆腐を凍らせて熟成し、乾燥させたものが高野豆腐です。凍り豆腐とも凍み(しみ)豆腐とも呼ばれます。起源は戦国時代にさかのぼる、歴史の長い食べ物です。

凍らせて乾燥させるのは、今でいうフリーズドライ製法の元祖とも言えそうです。

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油揚げ

薄切りにした豆腐を油で揚げたものが油揚げです。油揚げは知っているけど、油揚げは豆腐を揚げて作られるということを知らなかった方も多いのではないでしょうか?(私は知りませんでした(汗))

いなりずしの皮やおみそ汁の具に使われることが多い油揚げですが、詰め物をして揚げたり、工夫次第でいろんな料理ができるのも楽しいところです。

厚揚げ(生揚げ)

厚めに切った豆腐を油で揚げたものが厚揚げです。油揚げと作り方は似ていますね。豆腐が厚くじっくりと揚げないので中身が豆腐の状態であることから、生揚げとも呼ばれています。

おでんの種としてお馴染みですね。

取り上げた食材の他にも、地域ごとに特徴のある豆腐がつくられています。

有名なのは沖縄県の島豆腐でしょうか?製法は木綿豆腐と似ていますが、固さは木綿豆腐の比ではありません。

沖縄の有名な郷土料理チャンプルーにも使われる豆腐としてもおなじみですね。

他にも燻製にした豆腐や、ワラで包んだ豆腐など地域ごとに特徴のある名物豆腐は色々とあります。

ふらりと出かけた旅先で、その地方の名物豆腐を探してみるのも面白いですね!

農林水産省 全国各地の名産豆腐

http://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1301/spe2_02.html

豆腐の栄養素

健康食品として注目を集める豆腐ですが、豆腐のどんなところが健康によいとされているのでしょうか?

また、製法による栄養成分の違いも気になるので、木綿豆腐と絹ごし豆腐の栄養成分を比較しながら見てみましょう。

成分名 単位 木綿豆腐 絹ごし豆腐
廃棄率 % 0 0
エネルギー kcal 80 62
kJ 334 260
水分 g 85.9 88.5
たんぱく質 g 7 5.3
アミノ酸組成によるたんぱく質 g 6.6 5.2
脂質 g 4.9 3.5
トリアシルグリセロール当量 g 4.5 3.2
炭水化物 g 1.5 2
灰分 g 0.7 0.7
無機質 ナトリウム mg 9 11
カリウム mg 110 150
カルシウム mg 93 75
マグネシウム mg 57 50
リン mg 88 68
mg 1.5 1.2
亜鉛 mg 0.6 0.5
mg 0.16 0.16
マンガン mg 0.41 0.34
ヨウ素 μg 6 1
セレン μg 4 1
クロム μg 4 1
モリブデン μg 44 69
ビタミン A レチノール μg 0 0
カロテン α μg 0 0
β μg Tr Tr
β−クリプトキサンチン μg 0 0
β−カロテン当量 μg Tr Tr
レチノール活性当量 μg 0 0
D μg 0 0
E トコフェロール α mg 0.2 0.1
β mg Tr Tr
γ mg 2.9 2.3
δ mg 1.3 1
K μg 6 9
B1 mg 0.09 0.11
B2 mg 0.04 0.04
ナイアシン mg 0.2 0.2
ナイアシン当量 mg 1.9 1.6
B6 mg 0.05 0.06
B12 μg 0 0
葉酸 μg 12 12
パントテン酸 mg 0.02 0.09
ビオチン μg 4.1 3.5
C mg 0 0
脂肪酸 飽和 g 0.79 0.57
一価不飽和 g 0.92 0.66
多価不飽和 g 2.6 1.86
コレステロール mg 0 0
単糖当量 g 0.8 1
食物繊維 水溶性 g 0.7 0.7
不溶性 g 0.3 0.3
総量 g 1.1 0.9
食塩相当量 g 0 0
アルコール g
重量変化率 %

文部科学省 食品成分データベース より抜粋 加工

https://fooddb.mext.go.jp/

全体的に木綿豆腐の方が含まれる栄養分は多めですね。これは、圧力をかけるという工程で成分が凝縮されるからなのでしょう。

とはいえ、無機質(ミネラル)やビタミン類の中には絹ごし豆腐の方が勝っているものもあります。これも圧力をかけて水分を切るという工程から、水に溶けやすい成分が流れ出てしまうからなんですね。

水分量は絹ごし豆腐の方が多いので、この差が水溶性の成分の差として表れていると言えます。

同じ大豆が原料でありながら、製法の違いで栄養価に違いが出てくるのは興味深いです。

それにしても二つの豆腐に共通していえることは、含まれる栄養成分の種類の多さ!健康食品として注目を集めるのも納得ですね。

豆腐の健康効果

豆腐に含まれる主な栄養成分の働きを簡単に見ていきましょう。

タンパク質

豊富な植物性たんぱく質は筋肉の素になります。「畑の肉」の異名は伊達ではありません!

カルシウム

丈夫な骨や歯に欠かせないのがカルシウムです。イライラを抑える働きもありますね。

鉄分

貧血改善のカギとなる栄養素です。豆腐に含まれる良質なタンパク質と一緒に摂れるので吸収効率も向上しますよ!

ビタミンB1、B2

ビタミンB1、B2は糖質と脂質の代謝に欠かせない栄養素です。ダイエットに欠かせませんね!

カリウム

カリウムは血圧の上昇を抑えるのに必要な栄養素で、筋肉の正常な活動をサポートする働きもあります。

ここで取り上げた栄養成分は、豆腐に含まれる栄養成分のほんの一部にすぎません。健康食品として注目されるのもわかりますね!

他にもたくさん!豆腐の注目の成分は?

栄養成分表で表示される栄養素の他にも、豆腐には様々な成分が含まれています。

一覧にまとめました。

成分 効能
大豆ペプチド ①消化吸収促進 ②抗肥満作用
トリプシンインヒビター 抗がん作用
オリゴ糖 ビフィズス菌の増殖 → 腸内環境改善
サポニン ①脂質代謝改善 ②抗酸化作用
イソフラボン ①女性ホルモン(エストロゲン)様作用 ②ガン予防 ③骨粗しょう症予防
リノール酸 コレステロール代謝改善
αリノレン酸 ①抗アレルギー作用 ②循環器疾患予防
レシチン ①脂質代謝改善 ②記憶力向上作用
トコフェロール ①抗酸化作用 ②循環器疾患予防
ステロール 血清コレステロール改善作用

これらの作用はまさに「機能性食品」そのものですね。

おからも有効活用しましょう!

さて、豆腐はすりつぶした大豆を搾った豆乳を固めて作りますが、その大豆の搾りカスはどこに行ったのでしょう?

そう、その搾りカスが「おから」と言われるものです。「卯の花」と呼ばれることもありますね。

おから

もともとの原料は栄養豊富な大豆なので、搾りカスとはいっても多くの栄養成分が残されているのです。

成分名 単位
廃棄率 0 %
エネルギー 111 kcal
464 kJ
水分 75.5 g
たんぱく質 6.1 g
アミノ酸組成によるたんぱく質 5.3 g
脂質 3.6 g
トリアシルグリセロール当量 3.4 g
炭水化物 13.8 g
灰分 1 g
無機質 ナトリウム 5 mg
カリウム 350 mg
カルシウム 81 mg
マグネシウム 40 mg
リン 99 mg
1.3 mg
亜鉛 0.6 mg
0.14 mg
マンガン 0.4 mg
ヨウ素 1 μg
セレン 1 μg
クロム 1 μg
モリブデン 45 μg
ビタミン A レチノール 0 μg
カロテン α 0 μg
β 0 μg
β−クリプトキサンチン 0 μg
β−カロテン当量 0 μg
レチノール活性当量 0 μg
D 0 μg
E トコフェロール α 0.4 mg
β 0.1 mg
γ 2.8 mg
δ 0.4 mg
K 8 μg
B1 0.11 mg
B2 0.03 mg
ナイアシン 0.2 mg
ナイアシン当量 1.6 mg
B6 0.06 mg
B12 0 μg
葉酸 14 μg
パントテン酸 0.31 mg
ビオチン 4.1 μg
C Tr mg
脂肪酸 飽和 0.51 g
一価不飽和 0.67 g
多価不飽和 2.03 g
コレステロール 0 mg
単糖当量 0.6 g
食物繊維 水溶性 0.4 g
不溶性 11.1 g
総量 11.5 g
食塩相当量 0 g
アルコール g
重量変化率 %

参照 文部科学省 食品成分データベース

https://fooddb.mext.go.jp/

食物繊維やカルシウム、タンパク質に脂質などがたくさん!「カス」というのも畏れ多いですね。

でも、こんなにも栄養的に見どころいっぱいのおからも、多くが廃棄物として捨てられているのです。

あまりにももったいないですよね?

おからの良いところに、価格の安さがあります。タダで分けてくれるお豆腐屋さんもあります。

こちらのサイトではおからのレシピが数多く紹介されています。

【今日はコレ作ろう!】人気の《おからレシピ》24選

https://matome.naver.jp/odai/2138367855708000001

上手に取り入れて豆腐の良さを余すところなくいただいちゃいましょう!

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豆腐の種類の違いは作り方の違い?【豆腐の歴史と栄養素!】のまとめ

ダイエットの場面で頼りになる食材「豆腐」。低カロリーで栄養豊富、どんな料理にも相性がいいので、多くのダイエッターから高い支持を集めています。

本記事では、そんな豆腐の歴史や製法に迫り、さらなる魅力を紹介していきます。豆腐をよく知ることで、今後のダイエットにこの食材をよりよく活用できるはずです。

木綿豆腐、絹ごし豆腐、寄せ豆腐、充填豆腐、高野豆腐、などなど!実は豆腐は、こんなにも豊富な種類があるのです。

また、豆腐の製造工程で副産物として出てくる大豆の絞りカス「おから」も、近年ではダイエット効果のある食材として注目されています。

「豆腐ダイエット」に興味のある方は、ぜひ本記事を読んで豆腐のまめ知識を学んでみてはいかがでしょうか?

記事の作成にあたっては、記事中で触れた論文やサイトの他、以下のサイトを参考にいたしました。

一般財団法人 全国豆腐連合会

http://www.zentoren.jp/knowledge/history.html

日本豆腐協会

http://www.tofu-as.com/tofu/history/index.html

特定非営利活動法人 近畿アグリハイテク

http://kinkiagri.or.jp/

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