亜麻仁油ダイエットと言われるダイエット方法が流行り、スーパーでよく亜麻仁油が見られるようになりましたね。「脂質」過剰摂取の時代といわれる昨今、その理由は「食生活の欧米化」と「飽食」にあるのでしょう。その意味では、現代のダイエットはいかに「脂質」をセーブするかがキーポイントになっているのです。そんななかで近年注目されているのが「亜麻仁油」です。
一日スプーン一杯、亜麻仁油を食前に飲むことで、ダイエットや生活習慣病の予防に役立つと言われています。NHKの人気番組「ためしてガッテン」でも紹介され、現在、この亜麻仁油を使ったダイエットが女性たちに支持されています。いったい「亜麻仁油ダイエット」とはどのようなものなのでしょうか?その具体的な効能と方法とは? 本記事では、「食べて痩せる」というダイエットの新常識を紹介していきます!
亜麻仁油ダイエットとは?
近年注目を集めるようになったのが亜麻仁油です。亜麻仁油は、亜麻という植物の種子を圧搾して採取する油です。「亜麻色の髪の乙女」で有名になった”亜麻”を搾れば採れるんですね。
この亜麻仁油が注目を集めるのは、摂取量の不足が叫ばれている”オメガ3”と言われる不飽和脂肪酸が豊富に含まれているからなのです。
油についての研究がすすみ、私たちが食べ物を通して摂取する油は
- 体の中で作れる油:非必須脂肪酸
- 体の中で作れない油:必須脂肪酸
の大きく2つに、そしてさらにそれらも
- 飽和脂肪酸(非必須脂肪酸)
- オメガ9(非必須脂肪酸)
- オメガ6(必須脂肪酸)
- オメガ3(必須脂肪酸)
の4つに分類されることがわかってきました。
体の中で生成される非必須脂肪酸に関しては、不足する心配はそれほどありませんが、問題になるのが体の中で作られない必須脂肪酸!
必須脂肪酸は
- オメガ6
- オメガ3
の2つに分類されますが、オメガ6はサラダ油や大豆油など、私たちが料理によく使う油に含まれているので、摂り過ぎが問題になるほど摂取量は足りています。
ポイントはオメガ3!オメガ3は亜麻仁油の他に
- エゴマ油
- 青魚
- チアシード
などに豊富に含まれている成分で、これが近年、特に注目を集めているのです。
DHAとEPA、青魚に豊富に含まれる成分として聞き覚えありませんか?これらの成分の配合を謳ったサプリメントも数多く出回っていますよね?
食生活の欧米化が進む前、まだ魚中心の食生活であった昔は肥満に悩む人は現在よりもずっと少なかったのですが、それは魚中心の食生活でDHAやEPAといったオメガ3を不足することなく摂取できていたからかもしれません。
やはり、オメガ3には肥満を抑制してくれる”なにか”があるに違いありません。では、オメガ3を豊富に含む亜麻仁油の秘密に迫っていきましょう!
亜麻仁油ダイエットのやり方は?
亜麻仁油ダイエットのやり方は、市販の亜麻仁油を摂取するだけ!これだけで良いの?と思うほど簡単ですね!
そして、この摂取方法にも特別な制限はありません。そのまま飲んでももちろん良いですし、ヨーグルトに混ぜたりスムージーに加えたり、とお好みの飲みやすい方法で問題ないのも素晴らしいところです。
スープや味噌汁に混ぜて飲む、という方もいらっしゃいます。他にも市販のドレッシングに混ぜても良いですし、オリジナルのドレッシングを作るのも楽しいですね?
海外ではパンに塗って食べるところもあるそうです。
このように、摂取方法は工夫次第!ダイエットは”飽き”との闘いになることもありますが、摂取方法に制約のない亜麻仁油にはこの心配もなさそうです。
コーヒーにも入れる?
最近では亜麻仁油をコーヒーに入れて飲むダイエットも人気の一つです。
バターコーヒーダイエットと同じ原理ですね!
亜麻仁油の効果の秘密はオメガ3!
亜麻仁油がダイエット油として注目を集めるのは、先ほどふれたオメガ3を豊富に含んでいるからですが、亜麻仁油に豊富に含まれるオメガ3は”α-リノレン酸”といわれるものです。
亜麻仁油の実に6割近くを占めるのがこのα-リノレン酸!どのような効能があるのでしょうか?
血中脂質低下
α-リノレン酸には、血液中の脂質を低下させる働きがあります。
血中脂質の代表例と言えばコレステロール!これを減らしてくれる働きがα-リノレン酸にあるのです。血液中の脂肪が多いと動脈硬化などを引き起こしかねません!
ダイエットはもちろん、毎日の健康管理のためにも必要な働きですね。
抗肥満作用
ダイエットに挑戦しようとする方にとって、これほど良い響きの効能もなかなかないのではないでしょうか?
ラットを使用した実験では、高脂肪食を食べさせていたにも関わらず、脂肪組織の増大が抑えられたというのです。
「油は太る」この旧来の常識を覆す働きですね!まさに、これこそがダイエット効果が期待できる一番の働きと言えそうです。
血流を改善
α-リノレン酸は体内でEPAやDHAに変換されます。これらの成分に期待されるのが、血液をサラサラにする作用です。
血流が改善されると身体の隅々まで栄養成分が行き渡ることになるので、その結果、エネルギーの消費量の増加が見込まれます。このような形でもα-リノレン酸はダイエットを下支えしてくれるのです。
ただ、体内でEPAやDHAに変換される割合は摂取したα-リノレン酸の11~19%程度なので、この血流を改善する働きは2次的なものとしてとらえておいた方がよさそうです。
便秘の改善
亜麻仁油も油に他なりません。そして、この油脂類は全般的に腸のぜん動を促す働きがあります。
「経口摂取された油脂類は、分解されて脂肪酸となり腸管を刺激する。推奨される脂肪エネルギー比率20~25%で、この範囲内で過剰摂取とならないようにする。」
引用:「生活習慣と排便異常」
便秘に悩む女性は多いですが、亜麻仁油の摂取で便秘が解消されるのであれば一石二鳥ですね!
ただ、注意していただきたいのは、サイトによっては、亜麻仁油のこの便秘解消の働きを「食物繊維が含まれているから」と解説しているところがあるということです。
食物繊維には確かに便秘解消や整腸効果を始め、ダイエット効果が期待できる数々の働きがありますが、残念ながら”亜麻仁油”には食物繊維は含まれていないのです。
亜麻仁油の素である亜麻の種には豊富な食物繊維が含まれているので、おそらく種に含まれる食物繊維と混同されているのでしょう。
食物繊維の健康効果を期待して亜麻仁油を摂取するのは無意味なので、ご注意くださいね!
参考:USDA(米農務省)
https://fdc.nal.usda.gov/fdc-app.html#/food-details/167702/nutrients
https://fdc.nal.usda.gov/fdc-app.html#/food-details/169414/nutrients
脂質の摂り過ぎよりも油の種類が大切!痩せる油を使おう!
油はダイエットの大敵!このようにイメージされる方が多いと思います。確かにその通りで、最近は油(脂質)の摂り過ぎが問題視されています。
この原因は、食生活の欧米化(肉食化)が進んだことにありますが、これはみなさんにも心当たりがあるのではないでしょうか?ただ、脂質は三大栄養素の1つに数えられるように、生命を維持する上で欠かせないものであるのも事実です。
脂質の摂り過ぎももちろん考えなければならない問題ですが、それ以上に大切なのが摂るべき”油の種類”とバランスなのです。
亜麻仁油ダイエットの注意点は?
亜麻仁油の摂り過ぎに注意
ダイエット効果の高い亜麻仁油ですが、油であることに変わりはありません。”油は高カロリー”、これは常識ですよね?
ダイエットは【摂取カロリー<消費カロリー】の関係が何よりも大切です。ダイエットに良いからと摂り過ぎてしまっては、ダイエットどころかむしろ肥満が進んでしまいます。
農林水産省が定めるオメガ3の摂取量の目安は、男性で
- 18~29歳:2.0g
- 30~49歳:2.1g
- 50~69歳:2.4g
- 70歳以上:2.2g
女性は
- 18~49歳:1.6g
- 50~69歳:2.0g
- 70歳以上:1.9g
です。
亜麻仁油で換算すると、小さじ1杯(約4g)で2g強のオメガ3を摂ることができます。
ほんの小さじ1杯で期待できるダイエット効果、あまりにむ少なすぎてついつい多く摂りたくなるかもしれませんが、そこはガマン!この目安を守るのがダイエットの近道ですね!
また、オメガ3は青魚にも含まれる油なので、サバやサンマ、マグロなどの青魚を食べる日は、その分少なめに摂ったりあえて摂らないようにするなど、調整してみることをお勧めします。
酸化しやすい
亜麻仁油には酸化しやすいというデメリットがあります。空気に触れるのはもちろん、太陽光を浴びるだけでも酸化が進んでしまうので、保管の際には冷蔵庫などにしまうようにしましょう。
であれば、摂り方にも注意が必要になってきますね?ボトルから出してすぐに使用するのであれば問題ないですが、ドレッシングなど作り置き料理の際は特に注意が必要になります。
せっかくのダイエット油も、酸化が進んでしまえば「過酸化脂質」という身体に有害なものになってしまうのです。
ダイエットに挑戦して健康を害するのは本末転倒です。くれぐれも保管方法には気を付けるようにしましょう。
加熱に弱い
また、亜麻仁油には「加熱に弱い」という残念な点もあります。
加熱調理にも使えるのであればもっとレパートリーも増やせるのですが、でも、これは致し方ありませんね。
「現在、日本で販売されている亜麻仁油は無精製のものと精製されているものがある。…(中略)…精製されている亜麻仁油は、他の精製油と同様に無色透明であり、亜麻仁油が有する特有の風味や苦みが軽減され、食べやすくなっている。しかし、精製の有無に関わらず、亜麻仁油は熱に弱く酸化しやすいという特性を有するため、生食用として調理に用いることが推奨されている。」
ただ、最近は加熱調理にも対応している亜麻仁油も販売されるようになりました。
参考:amazon ”alligga FLAXSEED COOKING OIL”
この商品であれば炒め物にも使えるので、亜麻仁油の活用の幅もぐんと広がりますね!
亜麻仁油ダイエットのポイント!
亜麻仁油ダイエットのポイントは、
- 飲むだけ(1日小さじ1杯!)
- 保存に注意
- 加熱しない
の3点!これだけでダイエット効果が期待できます。
亜麻仁油には他にも
- アレルギーの抑制
- 血圧を下げる
- 美肌効果
といった嬉しい健康効果も期待できます。体重に問題がない人も、これらの働きに期待して摂取してみてはいかがでしょうか?
即効性を期待できるダイエット方法ではありませんが、長く続けて原料を成功させて健康な体を手に入れましょう!
亜麻仁油ダイエットの体験談をご紹介!
実際に亜麻仁油ダイエットで成功した方の体験談を見ていきましょう!
NHKの「ためしてガッテン」で放送されていたのを見て、同じ油でも種類を変えるだけで痩せるかも?と知って早速スーパーに買いに行きました。今まで使っていたドレッシングやバターなどを亜麻仁油に変更したら、一ヶ月で2キロ減量する事に成功!
亜麻仁油をコーヒーに入れるだけでダイエットになるという事を聞いたので、毎日のコーヒーに亜麻仁油を小さじ1杯入れて飲むようにしました。直接ダイエット効果があるのかはわかりませんが、間食する機会が減ったのは体験できました。バターコーヒーというダイエット方法も聞いた事ありますが、バターよりも亜麻仁油を使う方が私にはあっていました。1ヶ月で3キロ痩せてズボンが履きやすくなりました。
亜麻仁油ダイエットはいつ飲むのが効果的?痩せた成功体験談もご紹介!のまとめ
最近よくお店で見かける「亜麻仁油」。減量に役立つと言われており、ダイエッターたちに高い支持を集めています。
亜麻仁油は「亜麻」という植物の種から搾り取った油で、話題の「オメガ3」と呼ばれる不飽和脂肪酸が含まれています。
この成分には、血中脂質低下、抗肥満作用、血流改善、便秘改善などの諸効果があると言われています。血液がドロドロだと代謝が低下して脂肪燃焼効率が悪くなるので、亜麻仁油は生活習慣の悪い人にはオススメです。
この油を使ったダイエットのやり方はとても簡単!そのまま飲んでも良いですし、ヨーグルトなどに混ぜてもOKです。海外ではパンにつけて食べることもあるようです。
亜麻仁油は酸化や加熱に弱いので扱いには気を付けなければなりませんが、使い勝手がよいのがポイントです。ぜひお試しあれ!
記事の作成にあたっては記事中で触れたものの他に、以下の論文や文献、サイトを参考にいたしました。
農林水産省 脂質による健康影響
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/fat_eikyou.html