「パスタ」といえばお洒落なイタリアンをイメージする人も多いかと思いますが、また違った意味での思い入れや思い出がある人もいるかもしれません。みなさんのなかには、かつて“貧乏学生”時代を送っていた方もきっといることでしょう。 そういう過去をもつ人たちの大半は、きっと、パスタには相当お世話になったはずです。今回は悲喜こもごもの思い入れがあるであろうパスタを活用したダイエット法をご紹介します。
パスタは値段が安いというのが何よりのメリット!これさえあれば(栄養価を無視して)お腹をいっぱいにすることだけは出来ました。具材がなくても、塩コショウ、醤油や麺つゆなどで味付けしただけの“素パスタ”で金欠と空腹を乗り切った方もいることでしょう。人によっては懐かしい思い出が甦るかもしれない、そんなパスタを使った「パスタダイエット」の魅力をお伝えしていきます。
パスタダイエットの効果は?
パスタも名前こそ洋風ですが、立派な”主食”であることには変わりありません。
”糖質制限”がダイエットの主流になりつつあるのに、パスタでダイエットができるなんて?と疑問に思われる方もいるのではないでしょうか?
ダイエット食材として人気が出ているパスタには、どのような秘密があるのでしょうか?
GI値が低い
パスタの原料は小麦、炭水化物(糖質)が豊富な穀類から作られています。食事の後に血糖値が上がるのはどの食べ物でも基本的に同じですが、このパスタは血糖値の上がり方が穏やかな食品の1つに数えられています。
食材ごとの食後血糖値の上がり方を示す指標に”GI(グリセミック・インデックス)”値があります。パスタは同じ主食のご飯やうどんなどと比べると、このGI値が低いのです。
「GIが高い食品は、一気に血糖値を上昇させるため、血液中の糖を処理するために多量のインスリンが分泌されたり、分泌が追いつかなくなるということが起こります。逆にGIが低い食品では、糖がおだやかに取り込まれ、血糖値の上昇もゆるやかになるため、インスリンも分泌しすぎることなく、糖はすみやかに組織に吸収されます。」
引用:大塚製薬 GIについて学ぼう「血糖値とGIの関係性」
血糖値が上昇するとすい臓からインスリンが分泌され、それをエネルギー源であるグリコーゲンに変換し筋肉や肝臓に蓄えますが、その貯蔵量が上限に達すると、今度は脂肪として蓄積されるようになるのです。
血糖値の上昇が穏やかであることは、脂肪の原料になりかねない糖分の絶対量が抑えられることを意味します。
これがダイエット向きと評価されるポイントなのです。
パスタダイエットの方法は?
置き換えダイエット
パスタダイエットの基本は「置き換え」です。
置き換えダイエットは、糖質制限の一種で主食(白米)を低糖質の食品に置き換える方法のことです。
ただ、このパスタの場合は、正確に言うと”血糖値を上げにくい食材”への「置き換え」と表現した方が正しいですね?脂肪となるリスクのある糖質の吸収スピードを抑えて絶対量を減らしていく、というのがパスタダイエットの基本なのです。
置き換えのタイミングですが、人間の活動が落ち着く「夜」がおすすめです。
昼間は身体活動も活発で、主食から摂った糖質もすぐにエネルギーとして利用される半面、夜は活動が鈍くなり、糖質から得たエネルギーの行き場がなくなり、その分脂肪として蓄積されるリスクが高まるというのがその理由です。
全粒粉パスタを活用しよう!
みなさんは「全粒粉」という言葉を聞いたことがありますか?全粒粉は文字通り、小麦の”全て”を挽いて作られた小麦粉です。
一般的な小麦粉は、小麦から
- 表皮
- 胚芽
を取り除いた中心部分(胚乳)を粉にしたものですが、全粒粉はそれらを残さず挽いて小麦粉にしているのです。白米と玄米の関係をイメージするとわかりやすいかもしれません。
穀物の表皮・胚芽の部分には豊富な栄養成分が含まれていることが知られています。さらに、全粒粉で作られたパスタは通常のものよりもGI値が低いという特徴もあります。
全粒粉には
- 食物繊維
- ビタミンB群
- ミネラル
が豊富に含まれていますが、これらの成分は、小麦粉にはほとんど含まれていないのです。これを活かさない手はないですね?
スーパーでもこの全粒粉を使用したパスタを見かけるようになりました。
ボソボソする独特の食感で敬遠されることも多い全粒粉パスタですが、”良薬は口に苦し”のことわざもあります、健康のために積極的に摂り入れてみてはいかがでしょう?
ダイエット食材も一緒に食べる
パスタダイエットは、低GI食品であることに着目した置き換えダイエットなので、この食材だけから「ダイエットに役立つ成分」や身体に必要な栄養素を確保することはほとんど期待できません。
だからこそ、パスタを主食にして食事をする際には、他のダイエット食材と合わせて食べるようにしましょう。
では、一緒に食べるとより高い効果が期待できる食材は?その理由も解説しながら取り上げていきます。
サラダ(野菜)
ビタミン類が豊富に含まれる野菜ですが、着目したいのは食物繊維の健康効果です。
食物繊維には
- 不溶性食物繊維
- 水溶性食物繊維
の2種類がありますが、数種類の野菜を摂ることでこの食物繊維をカバーすることができるのです。
食物繊維には
- 血糖値の上昇を抑える
- コレステロールの排出を促す
- 腸内環境を改善する
などといった効果があります。
合わせて摂ることで、血糖値の上昇がさらにゆっくりになり、また、腸内環境が改善されることで代謝も良くなるといった効果が期待できるのです。
キノコ類
パスタに混ぜる具材としておなじみのキノコにも、ダイエット効果が期待できる成分が含まれているのです。
キノコの種類によっても含まれる成分に違いがありますが、話題のキノコキトサンを豊富に含むエノキは特に注目ではないでしょうか?
キノコキトサンには
- 脂肪の吸収を抑える
- 脂肪の燃焼を促す
といった効能が確認されています。
さらに、キノコは全般的に低カロリーであることも魅力です。パスタに彩を添える具材として欠かせませんね!
ささみ
高タンパク低カロリー食材の代名詞ともいえるささみ、これも外せない食材です。
タンパク質は筋肉の素であるのは皆さんも良くご存知でしょう。そして、1日のカロリー消費量を左右する基礎代謝に大きくかかわっているのが筋肉の量なのです。
ささみを合わせて摂ることで良質のタンパク質が摂取でき、それが筋肉量の維持・増強に役立つのです。
ダイエットは総じて食事の量そのものが減ってしまう傾向にありますが、だからこそタンパク質の摂取に気を配らなければならないのです。
肉はダイエットに良くないというイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、ささみは太る原因の1つである脂肪をほとんど含まないお肉です。
ダイエット中でも安心して食べられますよ!
ツナ缶
ツナ缶ダイエットという方法もあるツナ缶、こちらもパスタの具材としておススメです。
良質なタンパク質が豊富であることに加えて、健康油(不飽和脂肪酸)として注目を集める
- DHA
- EPA
も豊富に含まれています。
加熱調理に弱いとされるDHAとEPAですが、冷製パスタの具材であればそのリスクを避けることができます。
これらの食材はほんの一例です。パスタに合わせても、また、別プレートの一品として食べても大丈夫です。
同じ食事で一緒に食べるのであれば、そのダイエット効果を存分に活かすことができるのです。
注意点は?
低GI食品であると言っても、糖質がそのほとんどを占める食材であることに変わりはありません。
低GIだからと量を多く食べてしまうと、せっかくのパスタの利点もかすんでしまいます。
あくまでも”主食”であることを忘れずに、パスタの量は少なめにし、その分を他のダイエット食材の量で補うように心がけましょう。
主食を”太りにくい主食”に置き換えるのがパスタダイエットの面白いところです。ダイエットで敬遠されることの多い糖質も摂取できるので、栄養バランスを崩してしまう心配がほとんどないのが一番のメリットとも言えます。
パスタダイエットの効果的なやり方は!太らないやり方は?のまとめ
劇的な体重の変化は期待できないダイエット方法ではありますが、ストレスのたまるダイエット法ではないので、気長に構えて取り組んでみてはいかがでしょう?