嗜好品として長く親しまれてきた「お茶」。日本人になじみ深いお茶は緑茶やほうじ茶といったところでしょうか?これらはチャノキから採れる茶葉を加工して作られる飲み物ですが、紅茶や烏龍茶なども同じ茶葉を原料に作られています。
お茶ほぼノンカロリーの飲み物なのでダイエット中に愛飲する人も多く、また他の”健康効果”から、最近は”植物を乾燥させたもの”を加工してできる飲み物も”お茶”として流通するようになってきました。そこで、今回はコンビニやスーパーで手軽に買える「お茶」のダイエット効果について見ていきます。
お茶ダイエットのやり方は?
お茶ダイエットのやり方はいたって簡単!喉が渇いたな・・と思った時に飲むだけでもそれぞれの健康効果を取り入れることができます。
でも、ただ飲むだけではもったいないですね。せっかくなので、より効果を上げるための”飲むタイミング”を見てみましょう。
食前に飲む
お茶は”水分”がほとんどですね?食前に飲むことで胃が満たされ、満腹効果が出てきます。
ダイエットは食事の摂取量を抑えるのも重要なポイントになります。
食前に飲むことで満腹感を刺激し、食事の量を少なくしましょう。
さらに、緑茶、烏龍茶、ジャスミン茶やプーアル茶には脂肪の吸収を抑える働きがあります。この働きは食前に飲むことで効率を上げることができますね。
運動前・運動中に飲む
運動前、また運動中の水分補給にもお茶はおすすめです。
緑茶や烏龍茶、紅茶、ジャスミン茶、プーアル茶には脂肪の燃焼や代謝を促進する働きがあります。エネルギー消費効率の向上も見込めますね?
運動はまさに余分な脂肪を燃焼させるためのもの。お茶の脂肪燃焼効果を発揮するには、運動時に飲むのが一番といえそうです。
お茶ダイエットの注意点
様々な健康効果が期待できる「お茶」ですが、その成分ゆえに気を付けなければならない点もあります。
カフェインに注意
脂肪燃焼を効率化する働きのあるカフェインですが、興奮作用も併せて持ち合わせています。
就寝前に飲むと眠れなくなってしまうことがあります。ダイエットを成功させるには、良質な睡眠も大切になってきます。
なので、麦茶や杜仲茶以外は寝る前に飲まない方が良いでしょう。
温めて飲む
暑いさなかの水分補給は、キンキンに冷えたお茶をごくごく飲む!そんなスタイルが主流かと思います。確かに暑いときに冷たいお茶を飲むと生き返る感じがしますよね?
でも、ダイエットとなると話は別!良く冷えたお茶を流し込むと、胃腸が冷えて代謝が悪くなってしまうのです。
代謝は1日のカロリー消費の半分以上を占めているので、冷たいお茶で代謝を悪くしてしまうとせっかくの効果も半減してしまいます。
なので、温かくするまでの必要はありませんが、常温のお茶を飲むように心がけましょう。
お茶ダイエットのポイント
お茶ダイエットのポイントは、
- いつ飲んでも大丈夫
- 常温のお茶を飲む
- カフェインに注意
といったところでしょうか?
もちろん、飲むタイミングもポイントになりますが、”気づいたときに飲む”という習慣を身に着けてさえいれば、食前や運動中にも自然と飲むようになってくるので、それほど気にする必要はないかもしれません。
継続して飲み続けることでお茶のダイエット効果を体感することができます。
”継続は力なり”、まずは砂糖の入った飲み物をお茶に置き換えるカロリーカットから始めてみましょう!
お茶に共通のダイエット効果とは?
低カロリー
一言で「お茶」といっても、茶葉を原料とする本来の”お茶”から”植物を乾燥させたもの”を原料とする”お茶”まで、実に様々な種類のものがあります。
原料の違いはありますが、ほぼすべてのお茶に共通していることは”低カロリー”というところです。
食後に、また喉が渇いたときなど、様々なところで”水分”を補給する場面がありますが、ここで飲む”ジュース”を「お茶」に替えるだけで、その分の摂取カロリーをカットすることができます。
ほぼ0カロリーなので、いくら飲んでも脂肪が溜まる心配をしなくてよいところが「お茶」の一番のメリットなのです。
豊富な健康成分
「茶」の発祥地といわれる中国では、昔、お茶は”薬”として用いられていました。日本にも”薬”として伝来し、現在のように広く嗜好品として飲まれるようになったのは江戸時代に入ってから。嗜好品としての歴史はそれほど古くないんですね。
後ほど詳しく見ていきますが、日本茶にはカテキンや食物繊維などの健康成分が多く含まれています。
また、他の植物を原料とする「お茶」にも、原料となる食物由来の健康成分が多く含まれています。
茶葉を原料としないにも関わらず「お茶」を名乗るのも、お茶の健康効果にあやかっているからなのかもしれません。それでは、それぞれの「お茶」ごとの健康効果を、”ダイエット効果”に絞って確認していきましょう。
緑茶のダイエット効果と成分
ペットボトルの緑茶が販売されるようになってからでしょうか?以前は”大人の飲み物”という感じがしましたが、ペットボトルのお茶が広まってからは、年齢を問わず飲まれるようになりました。
カテキン
緑茶に含まれる成分といえば”カテキン”ではないでしょうか?”高濃度茶カテキン”を謳った「ヘルシア緑茶」とえいば、皆さんもご存知ですよね?
緑茶に多く含まれるカテキンには
- コレステロール値の上昇抑制
- 血糖値の上昇の抑制
- エネルギー消費効率の向上
などといった効能があります。それぞれ効能を聞くだけでもダイエット効果が存分に期待できますね!
カフェイン
緑茶を飲むと眠れなくなる。緑茶”あるある”ではないでしょうか?この”眠れなくなる”理由は、含まれるカフェインにあります。
このカフェインにはこの”興奮作用”のほか、脂肪の燃焼を効率化する働きがあります。
ダイエットの目的は余分な脂肪の削減にありますね?このカフェインの働きも脂肪の減量に貢献してくれるのです。
食物繊維
意外に思われるかもしれませんが、緑茶には食物繊維が多く含まれています。
食物繊維といえば”整腸効果”を思い浮かべる人も多いでしょう。ただ、近年”腸”に関する研究が進み、腸内環境の良し悪しがダイエットにも影響を与えることが明らかにされています。
直接的な効果を期待するのは難しいですが、腸内環境を整えることで”痩せやすい体”を作り上げることでダイエットに貢献してくれるのです。
烏龍茶のダイエット効果と成分
烏龍茶の原料は日本茶と同じ茶葉。風味や色合いの違いは”発酵”という過程の有無によるものです。
ウーロン茶ポリフェノール
烏龍茶には抗酸化作用が注目を集めるポリフェノールの一種、”ウーロン茶ポリフェノール”という特有の成分が含まれています。この成分に期待される働きは、”脂肪の吸収を抑える”というものです。
溜まった脂肪を取り除く働きは期待できませんが、新たな脂肪の吸収を抑制する働きは強力なサポートになってくれるはずです。
カフェイン
烏龍茶にもカフェインが含まれています。脂肪の燃焼を効率化する働きは、緑茶と共通ですね!
紅茶のダイエット効果と成分
紅茶も日本茶と同じチャノキの茶葉を原料にするお茶です。
緑茶とは発酵の有無が違い、烏龍茶とはその発酵の度合いが異なります。茶葉を完全に発酵させるのが紅茶なのです。
テアフラビン
紅茶の特徴は”赤い色”ではないでしょうか?”紅茶”といわれるのもその色に由来しているのでしょう。この独特な赤い色の素がテアフラビンといわれるポリフェノールの一種なのです。
テアフラビンは茶葉を発酵させる段階で生成される成分で、
- 抗肥満効果
- 血流改善効果
があります。
血流の改善は代謝の向上につながるので、消費カロリーを増やす効果が期待できます。いずれも心強い働きといえますね。
カフェイン
紅茶にも多くのカフェインが含まれています。カフェインの脂肪燃焼を促進させる働きにも減量効果が期待できますね。
ジャスミン茶のダイエット効果と成分
独特の香りが印象的なジャスミン茶。ジャスミンを乾燥させたものを原料にするお茶だと思われる方もいるかもしれませんが、緑茶にジャスミンの香りを付けたものなんだそうです。
なので、基本的に期待される効果は緑茶と同じだと考えてよさそうです。
ベンゼルアセテート
ジャスミンの香り成分の素はベンゼルアセテートといわれる成分。ジャスミン茶にはリラックス効果がありますが、それをもたらしてくれるのが、このベンゼルアセテートなのです。
ダイエットには食事制限が伴うものがほとんどですが、空腹時のイライラはこのリラックス効果で解消しましょう。
脂肪に直接働きかけるものではありませんが、気持ちよくダイエットに励むうえで役立ってくれるでしょう。
プーアル茶のダイエット効果と成分
プーアル茶は中国の南西部を発祥の地とするお茶で、原料となる茶葉は緑茶や烏龍茶と同じです。
出来上がった緑茶の茶葉を発酵させることで、独特の風味が生まれます。
重合カテキン
プーアル茶には重合カテキンと呼ばれる成分が含まれています。これは、カテキンが含まれる緑茶の茶葉を発酵させる過程で生成される成分。
緑茶のカテキンと同じような働きのほかに、脂肪の吸収を抑制するといった働きもあります。
この効能は、緑茶のカテキンを上回る効能として注目が集まっています。
ビタミンB群
プーアル茶にはビタミンB群が豊富に含まれています。
ビタミンB1、B2には脂質や糖質の代謝を助ける働きがあり、これが脂肪の減少に効果を上げてくれるのです。
杜仲茶のダイエット効果と成分
杜仲茶は中国原産のトチュウの葉を原料とするお茶です。
チャノキの茶葉以外を原料とするお茶ですね。杜仲茶はノンカフェインなのもポイントです。
アスペルロシド
杜仲茶特有の健康成分が”アスペルロシド”です。杜仲茶には”抗肥満効果”があることが知られていますが、この効果の根本にあるのがアスペルロシドなのです。
アスペルロシドは胆汁酸の分泌を活発にし、脂質の代謝を促進する働きがあります。これが健康茶として注目を集める理由なのです。
ゲニポシド酸
杜仲茶にはゲニポシド酸も多く含まれています。この成分には肝臓からの脂肪分解酵素リパーゼの分泌を促し、脂肪の代謝を促進する働きがあります。
さらに、コレステロールの吸収を抑える働きもあります。これら2つの働きが減量をサポートしてくれるのです。
麦茶のダイエット効果と成分
冷蔵庫に入った麦茶、日本の夏を代表するワンシーンではないでしょうか?
麦茶のメリットは何といってもノンカフェインであるところ!小さな子どもでも安心して飲むことができますね!
アルキピラジン
麦茶の特徴はあの香ばしい香りではないでしょうか?この香りの素となる成分がアルキピラジン!
このアルキピラジンは良い香りを漂わせるだけではなく、血液をサラサラにする効果があります。いわゆる血流の改善が期待できますね?
血流が良くなると代謝の向上も期待できます。
代謝は何もしなくても消費されるカロリーのこと。カロリーの消費向上もダイエットに欠かせない働きなので、この麦茶も侮れないですね!
お茶ダイエットの効果と方法は?コンビニの市販でも効果あり?のまとめ
お茶は飲み方や茶葉選び次第で、ダイエット効果を高める飲料になるスグレモノ!昔から中国では、お茶が「薬」として使われていたと言いますが、事実、現代でもなお、お茶の優れた効果は強い関心を集めています。
すっかりおなじみになった成分のカテキンには、血糖値やコレステロール値の上昇を抑制してくれる効果があります。血糖値が上がりやすい人は脂肪蓄積のしやすい状態にあるので、食前や食後に積極的に飲むようにしましょう。
一口に「お茶」と言いましてもその種類は多岐にわたります。茶葉によってダイエット効果も異なりますから、自分に合った種類を選ぶとよいでしょう。
お茶ごとの詳しい内容については、本記事をぜひご覧ください。
ともあれ、減量のために食事に気を遣っている方は、水よりもお茶に切り替えたほうが賢明であることは確かでしょう。
記事の作成にあたっては、以下の論文やサイトを参考にいたしました。
焼津水産化学工業株式会社 研究開発「テアフラビン」
カゴメ株式会社ニュースリリース「香ばしい麦茶は血液をサラサラにする!―カゴメ総合研究所がヒトで確認―」