中年太りが気になる年代になってくると、男性では内臓脂肪が、女性では皮下脂肪がお腹周りに溜まってきて、体型も変わってきますが、中年太りを解消するためにはどのようなダイエット方法が効果的なのでしょうか?
中年太りになると体型の変化に悲しくなってしまうなどの声が多数寄せられますが、これは加齢によるものと諦めて良いものでしょうか?そんな事はありませんね!中年太りのメカニズムをしっかりと理解してして、効果的な対策、そしてダイエットをする事によってスッキリ体型も夢ではありません。
中年太りとは?
「中年太り」=「肥満」となりますが、なぜこのような状況に陥るのでしょうか?
疑問を理解するためには、肥満のメカニズムを学ばなければなりません。これらについて、掘り下げた解説をしましょう。
生命を維持するためにはエネルギー源が必要です。そのため、私たちは食事を欠かすことができません。
続いてエネルギーに着目してみましょう。
身体に入るエネルギーを摂取エネルギー、筋肉を動かすことで使われるエネルギーを消費エネルギーとします。摂取エネルギー量と消費エネルギー量が同じであれば、基本的に体重の増減がないはずです。
これらの相関関係によって、体重の増減が生まれるのですね。生活習慣を見つめ直しましょう。
運動不足に陥っていませんか?
消費エネルギーが少ないと、使われなかった余剰エネルギーが脂肪として蓄えられます。
これらの要因により多くの人が中年以降に肥満傾向となり、これを「中年太り」と呼びます。
中年太りしてしまう理由とは?
もともとは痩せていた人も、中年以降に「肥満傾向」となってしまうのはなぜでしょうか?
もちろん全員が該当するわけではありません。
しかしながら、多くの人が「中年太り」を経験しています。
男性であれば「ポッコリお腹」、女性であれば「お腹周りの脂肪」が気になりますね。
これらは摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが乱れることで引き起こされます。
若いころと同じような食生活を送っていませんか?
徐々に太ってくるのは、基礎代謝量が減ってきているからです。
私たち人間は、じっとしていてもエネルギーを消費します。これは呼吸活動や内臓の働きなどで消費するものです。
このエネルギーを基礎代謝とします。ちなみにエネルギーはカロリーと同義に考えてください。カロリーの消費は、おもに筋肉でおこなわれます。つまり身体の筋肉量が基礎代謝と大きく関わっているのです。
筋肉の量が多ければ、食事量が多くてもバランスを保てます。
しかし、加齢により多くの人が中年以降に筋肉量の減少が認められます。バランスが崩れて「中年太り」に陥ってしまうのですね。
中年太りになる生活習慣とは?
生活習慣は主に「運動習慣」と「食事習慣」から成り立っています。
中年太りはエネルギーバランスの乱れによって引き起こされるのです。
そこで運動習慣と食事習慣をそれぞれ見直してみましょう。
まず運動習慣についてですが、やはり運動不足は大きな問題です。
当然のことながら、身体の筋肉量が減少します。運動によって「カロリー消費」や「脂肪燃焼」がおこなわれるのです。
しかし不足すればいずれも行われません。ここに大きな要因を見出すことができます。
続いて食事習慣に着目しましょう。
消費する「カロリー」が減少しているのに、以前と変わらない「食事量」となっていませんか?
摂取カロリーと消費カロリーのバランスは重要です。
また、栄養素の偏りも気をつけたいポイントとなり、「糖質」の量が多くなっていませんか?
甘いものや炭水化物の摂取量が過多となっていれば、改善を求められますので十分に注意してください。
中年太りには種類がある?
中年太りと一口にいっても種類があります。
大きく分けて2種類存在しますので、詳しく解説しましょう。
内臓脂肪型
肥満の種類には「内臓脂肪型肥満」とよばれているものがあります。
これは別称として「リンゴ型肥満」と呼ばれています。
比較的男性に多いとされており、男性型の中年太りと考えてもよいかもしれませんね。
ふだんの生活習慣を見つめ直してみると、食事量が多く、ビールを飲む習慣がありませんか?
徐々に体重の増加が気になるならば、内臓脂肪が増加している可能性があります。
お腹周りが大きくなっていませんか?ここで内臓脂肪型肥満を判断する指標を示しておきましょう。
男性でウエストサイズが85cm以上、女性であれば90cm以上ならば、可能性が指摘されています。
また、BMI値に着目する測定方法も存在します。BMI値とは肥満度を評価する指数です。
具体的には、(体重)÷(メートル表示の身長×メートル表示の身長)で表せます。この数値が18.5~25未満を標準としており、18.5未満を「痩せ型」、25以上は「肥満」になるのです。
内臓脂肪型肥満は生活習慣病と直結していますから十分に注意しなければなりません。
生活習慣病について掘り下げておきましょう。
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
からなるものが生活習慣病です。
このうち脂質異常症は高脂血症とよばれていたものですね。そこにプラスして「高尿酸血症」も加えてください。痛風の原因となるものです。
これらが複合的に表れたものをメタボリックシンドロームとよび、肥満の解消に努める必要性があります。
漫然と放置すれば、思わぬ弊害に長期間苦しむ結果となります。
ここで内臓脂肪についても掘り下げて解説しましょう。
名称のとおり「内臓にこびりついた脂肪」となりますが、近年になって内臓脂肪がさまざまな悪さをすることが分かってきました。
具体的には、生活習慣病を招く生理活性物質を分泌して、防ぐ生理活性物質を減少させるのです。
インスリンを低下させることで血糖値を上昇させる「TNF-α」や血栓を作ってしまう「PAI―1 」が増加します。
さらに血圧上昇に関わっている「アンジオテンシノーゲン」の分泌量も増加しますから大変です。
また、食欲をコントロールする「レプチン」や中性脂肪の減少に関わる「アディポネクチン」が減ってしまうことが分かっています。
考えただけでも恐ろしいですね。
皮下脂肪型
「皮下脂肪型肥満」は「洋ナシ型肥満」ともよばれています。
筋肉量が少ない女性に多い「中年太り」の型です。
理解を深めるために、皮下脂肪について掘り下げた解説をしましょう。
皮下脂肪とは、皮膚の直下に存在する脂肪で、この脂肪はクッションの役割で体を守ってくれることや、何らかの要因で食事を摂取できない場合におけるエネルギー源となります。
重要な役割ですね。
皮下脂肪は内臓脂肪と比較すると、たまりにくさに特徴があります。
そのため、いったん皮下脂肪がついてしまうとなかなか落ちてくれません。
食事による方法でダイエットに取り組んだ場合には、内臓脂肪が先に落ちて、後から皮下脂肪が落ちます。
中年太り解消のための効果的なダイエットとは?
ここまで学習したことで、中年太りがスタイルの点で問題なだけではなく、健康面の問題が大きいことがご理解いただけたかと思います。
運動量が減り、基礎代謝量低下が原因で中年太りになります。
代謝活動をアップさせるには、運動不足の解消が必要不可欠です。
また、食生活の改善も大変重要となります。
有酸素運動
中年太りを解消するダイエット方法として、有酸素運動が推奨されています。
有酸素運動の定義は、比較的弱い負荷を筋肉に継続してかける運動となります。
最大心拍数の6割程度が適した負荷であるとされており、ウォーキングなどがトレーニング方法として該当しますね。
ちなみに「最大心拍数」は「220-年齢」で導けます。
有酸素運動が得意としているのは、体脂肪の燃焼です。
そのために、有酸素運動は20分以上継続する事が望ましいとされています。その理由は20分までは血液中の脂肪燃焼がおこなわれ、20分以降に内臓脂肪の燃焼が始まるためです。
血液中の脂肪細胞を抑制しますので、長寿ホルモンとされている「アディポネクチン」の分泌量を増やしてくれます。
それから有酸素運動に大切なのは、正しい呼吸です。
体脂肪を効率よく燃焼させるためには酸素が必要となります。
正しい呼吸は酸素の供給になくてはなりません。
心拍数と呼吸を意識して、20分以上の有酸素運動を毎日継続してみましょう。
無酸素運動
無酸素運動も中年太りを解消するダイエット方法として推奨されています。
無酸素運動の場合には最大心拍数の8割程度負荷をかける必要があり、けっこうキツイ運動です。
例えば、筋肉トレーニングのような運動全般が無酸素運動となります。
腹筋や腕立て伏せ、トレーニングマシンなどですね。
無酸素運動は筋肉を大きくする効果があります。
筋肉量を増加させれば、連動して基礎代謝がアップします。
基礎代謝がアップすればエネルギー代謝量もアップしますので、厳しく食事制限をしなくてもダイエットにつながるのです。
このあとに食生活の改善によるダイエットの項目を設けているのですが、食事制限のみによるダイエットは筋肉量を低下させてしまうので失敗の危険性が高まります。
食生活の見直し
体重の増加が気になるならば、食生活を見つめ直してみるのも大事なポイントです。
ポイントをいくつかご紹介させていただきます。
食べるスピード
「太っているのは体質だから……」といって諦めるのはまだまだ早いです。実は太っている人の多くが早食いであるとする報告があります。
体に入るエネルギーで考えるならば、早く食べようがゆっくり食べようが関係なさそうですね。しかし、早く食べると満腹中枢が働くまでにタイムラグが生じます。
その間に食べ続けてしまいますから、結果として過剰に食べてしまうのです。早食いを見直すことがダイエットの一歩です。
選んで食べる
選んで食べることも習慣づけてみましょう。
糖分の摂取量が注意しなければならないポイントです。甘いお菓子、ついつい食べ過ぎていませんか?丼物や麺類だけの炭水化物ばかりの食事になっていませんか?
糖質オフのお菓子や食事などもたくさんありますので、選んで食べましょう。
ジュースなどの飲みすぎ
また、甘い炭酸飲料の飲みすぎも注意してください。
のどごしが良いために、飲みすぎの傾向となりやすいものです。甘い炭酸飲料には多くの糖分が含まれており、運動などによって消費されなければ、すべて脂肪として蓄積されてしまいます。ダイエットの真逆ですね。
1週間でスッキリ?
おすすめとして、「脂肪燃焼作用」を高める「スープダイエット」による方法を紹介しましょう。
このダイエット方法は「低カロリーの野菜スープ」を利用する方法です。
一週間を区切りにしてほしいのですが、糖分やアルコールの摂取を極力控えて、低カロリーの野菜スープをメインとした食生活を送ります。
また、「大豆を利用したスープ」を多く摂取すれば、女性ホルモンである「エストロゲン」を補えます。
スープダイエットを実践した方の多くは体重や体型に変化が現れたという方が多いです。
中年太り解消に効果的なダイエット方法は?食べ過ぎと運動不足が原因!のまとめ
「中年太り」を解消するためには、効果的なダイエットをしなければなりません。そのためにも「中年太り」のメカニズムや「肥満」の種類を理解する必要があります。効果的なダイエットは短期間で「体型の変化」や「体調の変化」を生むのです。現状を好転させたいならば、気持ちを切り替えて「真剣」に取りくみましょう。「継続は力なり」ですよ。